徳丸無明のブログ

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東ハト ぼうじゃが うましお味・バター醤油味

2023-10-20 23:27:27 | 
今日は某芋です。






あみじゃががあればぼうじゃがもある。それでいい。
これはもう、15年くらい前のことですかね。とある古本屋さんに行ったときの話です。
それは福岡市内にある、町の小さな古本屋さんでした。今はブックオフによってあらかた駆逐されてしまってますけど、当時はまだ個人経営の古本屋さんもけっこうありまして、そこは20~30年は経営しているであろう、おじいさん店主のお店でした。
昔ながらの古本屋だと、マンガや雑誌を扱ってない所もあったりしますけど、そのお店は幅広い種類の本を売買しており、エロ本やエロビデオまで置いてありました。
以前はよく本屋巡り、古本屋巡りをしていまして、その日も古本屋のハシゴをする中で、その店舗を訪れました。
めぼしい本がないか、軽く立ち読みをしながら店内を物色しました。店内には、小学校高学年の男の子3人組もいました。
そのお店はポケモンカードも取り扱っており、男の子たちは、レジカウンター横に並べられたカードを見ながら、「これがほしい」だの「お金が足りない」だのとおしゃべりをしていました。僕はそんなやり取りをなんとなく聞きながら、本を漁っていました。
すると突然、おじいさん店主が男の子たちを怒鳴りつけました。
「こらっ、いつまでペチャクチャしゃべりよるか!買うか買わんかさっさと決めろ!」
男の子たちは、ただ普通におしゃべりをしていただけです。ポケモンカードについて、普通におしゃべりをしていただけで、大声で騒いでいたわけでも、店の悪口を言っていたわけでもないのです。それに、1時間も2時間もしゃべりこんでいたわけでもなく、せいぜい10分程度のことでした。
なのに、おじいさんは怒鳴りつけた。
僕ははたから聞いていて、理不尽に思いました。男の子たちは何も悪いことなどしてないじゃないかと。
怒鳴られた男の子たちの間にはシラケた空気が流れ、何も買わぬまま無言で帰っていきました。
おじいさん店主は僕のところにもやってきて、「本を見るのはいいけど散らかさないでね」と注意してきました。しかしその古本屋は、本棚の隙間に本をぎゅうぎゅうに詰め込んだり、本棚に入らない本を床に平積みしたりしているタイプのお店でした。破れそうなくらい本の詰まった紙袋や、ビニールひもで縛ったままの本の束なども無造作に置かれていました。そのため、通路は人がやっと通れるくらいの幅しかなく、いつ雪崩が起きてもおかしくないくらい至る所に本が積み上げられていたのです。
だから僕は、「あ、はい」と答えつつも、「散らかすなも何も、元から散らかり放題散らかってんじゃねーか!そういうセリフは店ん中ちゃんと片付けてから言え!」と思いました。

まーなんか、いますよね、こーゆーおじいさん。よくわからないタイミングで急に怒りだしたり、相手が何もしていないのに非をでっち上げたりするような人。
年寄りっつーのは徐々に脳が衰えていきますから、本人はなんの自覚も悪意もなく、周囲に迷惑をかけてしまっているのかもしれません。
しかし、それにしても、自分の言動がおかしいと自覚が持てないというのは、なんとおそろしいことでしょう。自身の誤りに気付くことなく、それによって周囲と軋轢が生じれば、支離滅裂な理論で己を正当化し、悪いのは相手のほうだと決めつけるのです。
実に厄介です。意識が自己中心的に凝り固まっているので、説得はほぼ不可能。その人と距離を取れるならいいですけど、どうしても付き合っていかなきゃならない人もいるでしょうからね。
んでこのことを考えると、自分はこうはなりたくないって思いますけど、ある種の病気と一緒で、どんなになりたくないと思ってもなっちゃうかもしれないんですよね。
ああ、イヤですね。僕がそうなったら、周りの人はどう接してくれるのでしょうか。少しずつ離れていって、そして誰もいなくなるのでしょうか。

この古本屋さんには、もう10年以上行ってません。おそらくはもう閉店していると思いますが、もしもまだやってるとすれば、どうなっているでしょうか。
本はますます増殖し、店の前の歩道にまであふれ、おじいさんはさらに偏屈になり、客が店内に一歩踏み入ると同時に、解読不能な言語で怒鳴りつけてハタキで追いかけまわし、何度も警察沙汰を起こすとか、そんなふうになっているのかもしれません。
怖いもの見たさで行ってみたい気もします。