徳丸無明のブログ

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キングオブコント2022 優勝予想

2022-09-12 23:30:00 | 雑文
気象庁が異常気象と認定した夏の暑さもいくらか緩み、すごしやすくなりつつある今日この頃、皆さんご機嫌いかがですか的なキングオブコントの優勝予想です。当ブログの風物詩が今年も帰ってきました。
今年は10月8日(お笑いの日)に決勝が行われる、コントの祭典KOC。今大会のファイナリストは新顔少なめですね。顔ぶれから察するに、「新しい息吹を感じる」のではなく、「コツコツやってきた人たちが正しく評価される機会を得る」大会になりそうです。

ファイナルに残ったのは以下の10組。


いぬ
かが屋
クロコップ
コットン
最高の人間
ニッポンの社長
ネルソンズ
ビスケットブラザーズ
や団
ロングコートダディ


この中から僕が予想する優勝第1~第3候補は次の通り。


①ネルソンズ・・・2019年以来3年ぶりのファイナリスト。去年はジェラードンが出場し、今年はネルソンズ。「にちようチャップリン」の大会で準優勝するなど、何度も惜しいところまで行くのに、なかなか一番になれないネルソンズ。今度こそ、満を持して頂点に立つ姿が見たいという期待を込めて第1候補。
ネルソンズは和田まんじゅうのキャラが一番のウリなのに、前回のKOCはキャラがまったく生きてない平凡なコントでした。和田の面白さを前面に押し出すことができれば優勝は難しくないのではないかと。

②コットン・・・元ラフレクラン。2019年のNHK新人お笑い大賞で優勝するなど、実力は十二分。ネクストブレイクと言われながらもなかなか売れずにいるのですが、僕は個人的に彼らの「優等生臭」が鼻につくせいではないかと思っています。いい子っぽすぎるというかね。んじゃどうすればいいのかと言うと、今とは違う、ヤンチャな一面なんかを見せられれば、キャラクターが認知されて需要が出るんじゃないかと思うんですけど、それはともかく、実力を考慮して第2候補。

③クロコップ・・・リズムゲームのネタとか、「空手家の私は7人の子」とかを観たことあります。そんなちょいヒットがありつつも、これまでパッとしなかったクロコップ。しばらく見てなかったうちに成長しているのではないか、キングオブコント向けの隠し玉ネタを仕上げてきているのではないかという推測に基づいて第3候補。


ほかのファイナリストにもひとこと。


いぬ・・・「有吉の壁」と「水曜日のダウンタウン」に出演してるの観たことありますけど、ネタはちゃんと観たことないのでよくわかんないですね。

かが屋・・・コアなお笑いファンから人気が高いかが屋。僕も面白いとは思いますけど、彼らのコントは日常の延長線上にあって、リアリティを重視しているため、ぶっ飛んだ設定のネタ(たとえば、去年の空気階段のSMクラブのネタ)よりも爆発力を生みにくいという難点があります。ジワジワくる笑いなのですね。それゆえ高得点には至りにくいのではないかと。
2009年に優勝した東京03のように、日常の描写でありつつも爆発力を生むには、いくらか日常から離陸して非日常に片足を入れる、つまりそのぶんリアリティを犠牲にする必要があると思うのですが、かが屋は今回もリアリティ重視でくるんじゃないかという気がするんですよね。なので、大多数の人はかが屋を優勝候補と見ているでしょうけど、僕は難しいと思います。

最高の人間・・・知らないのでなんとも言えないです。ですが、いぬとともにニューフェイスとして期待。

ニッポンの社長・・・今回で3年連続の決勝進出。面白いとは思いますが、万人受けするタイプではないし、現状では4,5番手という印象。優勝する姿が想像できません。

ビスケットブラザーズ・・・2019年以来3年ぶりの決勝進出。去年はうるとらブギーズで、今年はビスブラ(僕にとっては類似芸人なんですよね)。面白いんですけど、なんとなく5位前後で終わるのではないかと。

や団・・・名前は知ってるけど、ほとんど見たことないトリオ、や団。苦労人ですね。ネタも何度か観たことあるはずですけど、あまり覚えていません。覚えていないということは、印象に残らなかったということであり、個人的にはいまひとつなのではないかと。

ロングコートダディ・・・漫才もコントもできるロングコートダディ。2020年以来、2年ぶり2回目。なんか可もなく不可もなくってかんじ。7,8位くらいで終わるのではないかと。前回は浜ちゃんに顔を覚えてもらえませんでしたが、今回はどうなるでしょうか。


皆さんもよろしければコメント欄から優勝予想にご参加ください。第1~第3候補まで予想可とさせていただきます。今回も当たっても何も出ません。
gooブログのコメントフォームには名前とタイトルとURLの入力欄がありますが、これらは必須じゃなくて、コメントだけでも投稿できるはずですので、お気軽にお寄せください。

ユーハ マーケットオー リアルブラウニービッグ

2022-09-09 22:52:04 | 
今日はリアルにビッグなブラウニーです。




韓国産のお菓子。ユーハはUHA味覚糖のことです。駄菓子屋で発見しましたが、駄菓子らしからぬクオリティ。質が高いです。
本日は第47回私が好きなマンガの話。今回取り上げるのは杉浦茂の『猿飛佐助』(全1巻・ちくま文庫)です。全3巻のKindle版もあります。
忍者・猿飛佐助の冒険活劇。敵方の侍や忍者相手に痛快な忍術勝負を繰り広げ、平天下を目指すビルドゥングスロマン・・・というあらすじはどうでもよかったりします。と言うのも、このマンガの面白さは、ストーリーにはないからです。
話が単線的に展開していたと思いきや、ふいに奇妙なキャラクターが登場。よくわからない行動をとるので、何が目的かと注目していると、すぐに姿を消し、2度と現れることはない。するとまた別のキャラクターが現れ、好き勝手暴れてはまた消えていく。メインの登場人物以外に、名もなき多くのキャラクターが出演し、むしろそっちがメインじゃないかと思えるくらい作品をにぎわせるのです。そもそもどんな話だったか、わからなくなってしまうほどに。
このマンガは、そんな意味不明の描写に満ちているのです。話の本筋ではなく、本筋からの脱線のほうに面白さがある。
なんでも杉浦さんは、下描きをせずにいきなりペン入れをしており、しかも途中で思いついたアイディアを即興的に作品に取り入れていたらしいのです。それが自由でアナーキーな作風を生み出しているのですね。
マンガはもっと自由でいい!と言うよりむしろ、自由であるからこそマンガなんだ!そんなことを思わせてくれます。
登場人物は基本的に、いかにも少年マンガ向けの可愛らしい絵柄なのですが、中には不気味でグロテスクなキャラや、写実的なキャラも混じっており、その統一感のなさが、ストーリー展開のデタラメさと相まって、不協和音をより強めています。まるで風邪をひいたときに見る不思議な夢のよう。
「あたいは誰だい?」などのセリフ回しも独特でクセがあり、ついマネしたくなります。登場人物の名前も「うどんこプップのすけ」など、クセ強め。
前に『杉浦茂マンガ館』だったか、大判の選集を中古で見つけて入手したんですけど、その本の帯に書かれていたキャッチコピーが「みんなそろって明るくキレた」。杉浦ワールドを端的に言い表しています。
1908年生まれで、88歳まで執筆を続けた杉浦さん。後進の漫画家に多大な影響を与えてきたのですが、そのひとりが赤塚不二夫。皆さん、レレレのおじさんはご存じですよね?レレレのおじさんって、ほかの赤塚キャラと比べて異質だと思いませんか?明らかにデザインが違うでしょ。
あれはですね、赤塚さんが杉浦さんの作風を模倣して作り出したキャラなんですよ。だから見た目がほかと違うんです。杉浦マンガを読んでいただければわかります。レレレのおじさんにそっくりなキャラが数多く描かれていますから。
漫画家以外にも多くのファンを持つ杉浦さん。ポップで可愛いタッチは人気が高く、その絵はCDのジャケットや本の装丁に幾度も使われています。
ゴイゴイスー!
しかし現在、ほとんどの著作が入手困難。現在流通しているのは『杉浦茂の摩訶不思議世界 へんなの』(晶文社)と、『杉浦茂傑作漫画選集 0人間』(小学館)と、青林工藝舎から出てる『怪星ガイガー・八百八狸』を始めとした傑作選集くらいですか。河出文庫の『円盤Z』、『少年西遊記』、『少年児雷也』はもう絶版ですかね。
あ、ひょっとしたらちくま文庫の『猿飛佐助』ももう書店じゃ取り扱ってないかもしれませんが、古本ならわりと数多く出回ってます。
いずれにせよ、もっとたくさん杉浦マンガに触れたい!どっかの出版社が全集出してくれないものでしょうか。
大袈裟じゃなく、文化遺産となるべきマンガだと思います。