壊れた物は元に戻らない。同じように死んだ者は生き返らない。
人間はいずれ死ぬ。しかし、人間が他の人間を故意に殺すことは許されない。
戦争は、人間が人間を殺すことを強要する。だから戦争はしてはならないことだ。
そして、いま、戦争が起きている。
私のいるNPOのスタッフのひとりが、2018年に大学を卒業すると、世界の旅にでた。1年して帰ってきた。イランから歩いてトルコに入り、イスタンブールからウクライナのオデッサーに船で向かいたかったが、船がでていなかった。それで、陸路、ブルガリア、ルーマニアを経てウクライナに入った。首都キエフに行った。そこでは、東部の戦線から一時帰ってくる兵隊と安宿で顔を合したという。
ウクラナイの戦争は2014年のロシアのクリミア併合の前から続いていたのである。戦争はロシアと国境を接するウクラナイ東部に限定されていたのである。
今回のロシア軍事侵攻によって、東部の国境付近に限定された戦争が、ウクライナ全体に拡大されたのである。そして、今回、ロシア軍のターゲットが、ウクライナ軍からウクライナ国民全体に拡大されたのである。
きのう、ウクライナ南部のメリトポリの市長がロシア軍に誘拐された。ロシア側はテロ容疑で市長を逮捕し、取り調べを行っていると発表している。
なぜ、人間が故意に人間を殺してはいけないのに殺すのか。人間が人間を従わせるのに、恐怖を使うのである。ただ殺すのではなく、苦痛を味あわせて殺すのである。
それは あってはならないことであるが、人間を人間が殺すことを、言葉だけでは止められない。逃げるしかない。しかし、それでは、どこまで攻めこむかは軍事侵攻をする側の自由になる。
正義はないのか。
国連が機能しているなら、国連は人権監視団をウクライナに派遣すべきではないか。国連が停戦監視団をウクライナに派遣すべきではないか。
アメリカやEUは世界大戦を恐れるのではなく、実力をもって、ウクライナの戦争をとめるべきではないか。ウクライナへの無差別空爆を止めるべきではないか。死んだ人間は生き返らない。これ以上、人間が故意に人間を殺すのをほっとおいてはいけない。