猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

ウクライナの危機が11年前の3月11日の思いを新たにする

2022-03-11 23:06:13 | 原発を考える

きのうから、私は昼間はダウンを着ず、替え上着で外にでている。いっぽう、ウクライナではまだ雪がちらついている。雪がちらつくなかを、人びとが戦渦から逃げ惑っている。

11年前の横浜の天気を詳しくは覚えていない。寒かったか暖かったか思い出せない。3月11日前後はずっと空がどんより曇っていたような気がする。岩手、宮城、福島は雪がちらついていたと覚えている。

東日本大震災の日、私の住んでいる7階の部屋は大きく揺れた。長く揺れ続いた。積み上げていた本や書類は崩れ落ちた。私の妻は買い物からちょうど戻ったときで、外にいた。妻は、私たちの住んでいる建物が大きく揺れるのが見て、恐怖で立ちすくした。

その日から何週間もすべての番組が自粛で、津波で家が流される映像と福島第1原発の報道ばかりだった。流されるコマーシャルは公共広告ACジャパンだけだった。

福島第1原発が全電源を喪失して原子炉を冷却できなくなった。放射性物質の漏れが始まった。避難範囲が日増しに増えた。枝野幸男は「ただちに人体に害がありません」とテレビで言っていた。

原子炉に重大事故が起きたとき、気体の放射性物質がまず大量に放出される。最初は放射性アルゴンガスであるという。遅れて、気体になったカリウムやヨウ素が吹き出る。そうチェルノヴィリ原発事故を研究した人から教えられた。

放出された放射性気体はすぐ広がらないでかたまりになって風に吹かれて飛んでいくという。プルームといわれる。爆発の危険がなければ、すぐ外に飛び出して逃げてはいけない。放射性気体のかたまりをやり過ごし、飛んでこない方向に避難しないといけない。それなのに、福島の人びとは風下に逃げた。放射性気体が飛んでいく方向に逃げた。

そう、11年前に、どう逃げるかのガイドをだれも行わなかった。避難経路は気象条件によって異なる。事前にこう逃げなさいと一意的に決められない。責任をもって、避難を指揮する人がいる。避難バスを用意し、歩いて逃げなくても良いようにしないといけない。政府は原発を再稼働しているが、重大事故の際の避難体制を整えていない。

いま、ウクライナはミサイルが飛びかうので、逃げるのも大変である。脱出用のバスを用意しても停戦が守られないからである。

脱炭素だとかエネルギー資源の安定確保だとかいって、原発をおし進める人びとが、現在の政権の中にいる。だが、原発より再生エネルギーのほうが安くなっている。経済的理由はなくなっている。現在、原発をおし進める理由は核兵器を開発するためしかない。

しかも、今回、ウクライナへの軍事侵攻で明らかになったのは、原発が戦略的攻撃のターゲットになるということだ。核兵器使用のまえに使う恫喝が、原発の破壊である。原発がエネルギーの安定確保どころか、戦争では直接に安全の危機を招く。原発への攻撃は防ぎようがない。

ウクライナの軍事侵攻は、原発の新たな問題を引き起こしている。