京都は、永観堂、南禅寺、東福寺へ紅葉狩りに行ってきました。
連休なので、人、人、人・・・
皆さん、カメラ片手に紅葉の写真を撮っておられました。
先日、観てきた 高畑勲監督「かぐや姫の物語」の感想を・・・・
“水彩画のような山里の風景の美しさ。
自然の野山で育つ姫の愛らしいこと。
しかし、翁は、姫の将来を思って、京の都に移り住むことに。
立派なお屋敷に、美しい着物。
姫は教養を身につけ、幸せになるはずでした。
姫の幸せとは、立派な殿方の奥方になること。
しかし、姫に言い寄る男性は、数多くの側室の一人にする、とか、・・・・
姫は、男たちに、無理難題を押しつけて帰らせました。
蓬莱山の玉の枝を課題として与えられた車持皇子は、きんきらと光る玉の枝を姫のところに持ってきます。
そして得意げに、大変な思いをして、この枝を手に入れたのだと語るのでしたが、・・・
実は、この枝は、皇子が職人たちに命じて、本物そっくりの「ニセの蓬莱山の玉の枝」を作らせたのでした。
そして、こともあろうに、給金を与えなかったため、
職人たちは怒り、車持の皇子が姫に得意げに語っている最中に、給金を代わりに払ってくれるように姫に訴えてきます。
ことの真相がばれた車持の皇子は、あたふたと逃げ帰っていくのでした。
この車持皇子の声は、橋爪功さんが演じておられますが、アニメの顔も橋爪さんそっくりで笑えました^^
車持皇子のモデルは、藤原不比等といわれています。
「竹取物語」の原作者が、作者不明と言われながら、時の権力者藤原氏を憎む紀氏(おそらく紀貫之)が書いたのだろうと
近年では解釈されているので、藤原不比等を車持皇子になぞらえ、卑怯な人物として描かれているのだとか・・・。
かぐや姫が、貴公子たちに与えた無理難題に、正直に立ち向かって、亡くなる人も出てきました。
そのことに苦しむ姫・・・
十二単を脱ぎ捨てて、山野を駆けめぐります。
身体の成長が早く(なにせ、三ヶ月で一人前の女性に成長したのですものね。)心の成長がそれに追いつかなかったのでしょう。
何人ものの男性に言い寄られて、戸惑い、苦しみ、思わず言い放ってしまった無理難題。
その無理難題のせいで、亡くなる人まで出てきた・・・その苦しみ
かぐや姫は、この地(地球)で、自然のすばらしさや、翁、媼、幼なじみの愛を享受するが、
人の醜さ、意地悪さ、争い、・・・
それらも併せて体験してしまう・・・
かぐや姫の美しさは、時の帝にまで聞こえ、帝は自ら、姫の舘まで赴きます。
女御の位を与えようと、翁には、それ相当の官位を約束しようと。
権力者の意向に逆らえない姫は、「死んでしまいたい!」と心で叫んでしまって、
月からのお迎えが来ることに。
男性中心の、身分がどうのこうの、あの時代のことですから、輝くばかりの美貌のかぐや姫ですら、中宮とまでいかず、女御どまりです。
しかも、あまたいる妃のひとりです。
庶民に戻って、幼なじみの捨丸にいちゃんのお嫁さんになる方が幸せになるに決まっています。
まあ、それがわかっただけでも、この地(地球)に生を受けた甲斐があったというもの。
月の都に帰ってゆくかぐや姫は、地上(地球)での一切の記憶をなくし、無表情で立ち去っていきます。
この世での死を意味するかのようです。
短い期間、この世にいたかぐや姫は、人の一生を駆け足で描かれていたような・・・・
「かぐや姫の物語」に語りと媼で出演の宮本信子さん。語りも媼もいい味が出ていました。
映画「阪急電車」、NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」とおばあさん役で大活躍。
いまや超売れっ子の大女優さんですね。
「かぐや姫の物語」気になったのは、、襖です。 翁がガラガラーと開ける場面がありますが。
襖や障子は、もともと平安時代には置き道具であったのが、敷居と鴨居の間に取り付けるという工夫により、
スライドして使うことのできる常設の建具となっていったものです。
引き違いの建具が、建物の一部として定着していったのは、武士の時代になってからということです。
ですから、あの時代に引き違いの建具はまだなかったのです。
置き家具ならあったのでしょうが。
月からのお迎えの段も、お迎え一向に、もう少し威光と威圧があってもよかったのではないでしょうか。
まあ、あといろいろ思うことは多々ありますが。
大作であることに違いありません。”
「かぐや姫の物語」の感想(というか、物語の解説)に終始してしまいましたが、京都の紅葉はそれはそれは素晴らしいものでした。
屋根に苔がびっしりと生え、草木までも生い茂っている庵。
その向こうに、紅葉が望め、なんとも趣があります。
一年前の京都の紅葉も趣深かった・・わびさびの世界でした。こちら。
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連休なので、人、人、人・・・
皆さん、カメラ片手に紅葉の写真を撮っておられました。
先日、観てきた 高畑勲監督「かぐや姫の物語」の感想を・・・・
“水彩画のような山里の風景の美しさ。
自然の野山で育つ姫の愛らしいこと。
しかし、翁は、姫の将来を思って、京の都に移り住むことに。
立派なお屋敷に、美しい着物。
姫は教養を身につけ、幸せになるはずでした。
姫の幸せとは、立派な殿方の奥方になること。
しかし、姫に言い寄る男性は、数多くの側室の一人にする、とか、・・・・
姫は、男たちに、無理難題を押しつけて帰らせました。
蓬莱山の玉の枝を課題として与えられた車持皇子は、きんきらと光る玉の枝を姫のところに持ってきます。
そして得意げに、大変な思いをして、この枝を手に入れたのだと語るのでしたが、・・・
実は、この枝は、皇子が職人たちに命じて、本物そっくりの「ニセの蓬莱山の玉の枝」を作らせたのでした。
そして、こともあろうに、給金を与えなかったため、
職人たちは怒り、車持の皇子が姫に得意げに語っている最中に、給金を代わりに払ってくれるように姫に訴えてきます。
ことの真相がばれた車持の皇子は、あたふたと逃げ帰っていくのでした。
この車持皇子の声は、橋爪功さんが演じておられますが、アニメの顔も橋爪さんそっくりで笑えました^^
車持皇子のモデルは、藤原不比等といわれています。
「竹取物語」の原作者が、作者不明と言われながら、時の権力者藤原氏を憎む紀氏(おそらく紀貫之)が書いたのだろうと
近年では解釈されているので、藤原不比等を車持皇子になぞらえ、卑怯な人物として描かれているのだとか・・・。
かぐや姫が、貴公子たちに与えた無理難題に、正直に立ち向かって、亡くなる人も出てきました。
そのことに苦しむ姫・・・
十二単を脱ぎ捨てて、山野を駆けめぐります。
身体の成長が早く(なにせ、三ヶ月で一人前の女性に成長したのですものね。)心の成長がそれに追いつかなかったのでしょう。
何人ものの男性に言い寄られて、戸惑い、苦しみ、思わず言い放ってしまった無理難題。
その無理難題のせいで、亡くなる人まで出てきた・・・その苦しみ
かぐや姫は、この地(地球)で、自然のすばらしさや、翁、媼、幼なじみの愛を享受するが、
人の醜さ、意地悪さ、争い、・・・
それらも併せて体験してしまう・・・
かぐや姫の美しさは、時の帝にまで聞こえ、帝は自ら、姫の舘まで赴きます。
女御の位を与えようと、翁には、それ相当の官位を約束しようと。
権力者の意向に逆らえない姫は、「死んでしまいたい!」と心で叫んでしまって、
月からのお迎えが来ることに。
男性中心の、身分がどうのこうの、あの時代のことですから、輝くばかりの美貌のかぐや姫ですら、中宮とまでいかず、女御どまりです。
しかも、あまたいる妃のひとりです。
庶民に戻って、幼なじみの捨丸にいちゃんのお嫁さんになる方が幸せになるに決まっています。
まあ、それがわかっただけでも、この地(地球)に生を受けた甲斐があったというもの。
月の都に帰ってゆくかぐや姫は、地上(地球)での一切の記憶をなくし、無表情で立ち去っていきます。
この世での死を意味するかのようです。
短い期間、この世にいたかぐや姫は、人の一生を駆け足で描かれていたような・・・・
「かぐや姫の物語」に語りと媼で出演の宮本信子さん。語りも媼もいい味が出ていました。
映画「阪急電車」、NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」とおばあさん役で大活躍。
いまや超売れっ子の大女優さんですね。
「かぐや姫の物語」気になったのは、、襖です。 翁がガラガラーと開ける場面がありますが。
襖や障子は、もともと平安時代には置き道具であったのが、敷居と鴨居の間に取り付けるという工夫により、
スライドして使うことのできる常設の建具となっていったものです。
引き違いの建具が、建物の一部として定着していったのは、武士の時代になってからということです。
ですから、あの時代に引き違いの建具はまだなかったのです。
置き家具ならあったのでしょうが。
月からのお迎えの段も、お迎え一向に、もう少し威光と威圧があってもよかったのではないでしょうか。
まあ、あといろいろ思うことは多々ありますが。
大作であることに違いありません。”
「かぐや姫の物語」の感想(というか、物語の解説)に終始してしまいましたが、京都の紅葉はそれはそれは素晴らしいものでした。
屋根に苔がびっしりと生え、草木までも生い茂っている庵。
その向こうに、紅葉が望め、なんとも趣があります。
一年前の京都の紅葉も趣深かった・・わびさびの世界でした。こちら。
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