「戦場のメリークリスマス」
映画を観たことない人には、何のことかわかりませんし、
これから見ようと思っている人にはネタバレになります。
セリアズが独房に入れられて、ヨノイの部下の一人がセリアズ暗殺を企てますが、
セリアズは、ヨノイが差し入れてくれた絨毯をとっさの判断で、身の盾にして
相手を仕留めて、逃げ出します。
命を救ってくれた絨毯にキスして、絨毯と暗殺を企てた兵士の持っていた短剣を持って。
ロレンスを見つけ出し、彼を背負って逃げるのですが、
見回りに来たヨノイに見つかってしまい、ヨノイと戦う羽目に。
いったんは、短剣で立ち向かおうとしますが、
すぐに自分から短剣を地面に刺して、戦うことを放棄します。
ヨノイをじっと見つめながら。
ヨノイ「なぜ、かかってこない。私を倒せば自由になれるぞ。」
セリアズは、ヨノイが差し入れてくれた絨毯で命拾いをしたので、
命の恩人を前にして、本気で戦う気になれなかったのでしょう。
そして、ヨノイもまた自分は殺せないと踏んだのでしょう。
その直後、後を追ってきたハラと兵士たちによって、セリアズは撃ち殺されそうになりますが、
ヨノイは無意識に前に立ちはだかり、セリアズをかばっています。
セリアズは、ヨノイがますます自分を殺せないことが身にしみてわかり、
ヨノイの自分に対する好意を感じ取るのですね。
裁判で自分の命を救ってくれ、そのあとぼろぼろになった自分の身体を手厚い看護をしてくれるという気遣い、
反抗して牢に入れても、絨毯を差し入れてくれ、その絨毯によって命拾い、
今、ハラと部下たちによって命を絶たれようとすると、身をもってかばう。
何度も何度も、好意が感じ取れて、こういうことが重なって、
自分もヨノイに対して心を動かされたのでしょう。
それが広場のシーンでの、あの抱擁につながったのでしょう。