北の旅人

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東国原知事現象

2007-03-02 11:31:11 | Weblog

国原・宮崎県知事がテレビを席捲している。ワイドショーは各局とも連日取り上げている。上京したと言えば、朝から晩まで密着取材と称して、車やエレベーターの乗り降りまでカメラを回すなど、なんの関係もない場面まで追跡する有様。時の人だからやむを得ないかもしれないが、ちょっとやり過ぎだ

議会は知事としては無難に乗り切ったというところかもしれないが、オール野党といわれた議員の皆さんからも、それほど切れ味鋭い質問もなく緊張感に欠けていた。お互い様子見といったところだろうが、議員にとっては4月が選挙。知事をいじめているという印象を県民に与えると、自らの選挙に直接影響してくるという議員心理がみえみえなのだ。選挙で政策を競ったのだから、もっと堂々とした論戦を交わすべきなのだが。

 ころで、知事の真価が問われるのはこれからだ。今はタレント業の乗りで宮崎県のセールスマンとして、それなりの役割を果たしているとは思うが、統一地方選挙後は、そう簡単に事が運ぶとは思われない。選挙での公約を如何に実現していくかが問われるからだ。「県民の意識改革の必要性」「宮崎県の潜在能力の発揮と情報発信」「公正でクリーンな県政の実現」など、いいことを沢山言ってはいる。

 かし、宮崎県には現在9050 億円の借金がある。そうした状況の中で、知事は任期中のできるだけ早い時期に、単年度で350億円の歳出削減による財源捻出と、事業見直しを目標とする財政改革を掲げている。この額は、あの北海道夕張市が18年間で解消しようとしている赤字353億円とほぼ同じなのだ。県民に厳しい痛みを強いる場面が必ず出てくるが、そのとき、いかに県民の理解を得られるか、あるいは庁内の人心を把握して県政を推進することができるのか。知事が思うような政治手腕を発揮できるのか。

 つて、いわゆるタレント出身知事として、青島幸男・東京都知事、横山ノック・大阪府知事などがいたが、見るべき実績を上げることなく、退場していった。マスコミは物珍しさも手伝って今は好意的に扱っているが、長続きするかどうか見ものではある。