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場末の雑文置き場

好きなことを、好きなときに、好き勝手に書いている自己満ブログ。

入管と愛国と大政翼賛会

2023年06月12日 | 政治・社会

改正(改悪)入管法が強行採決されてしまった。いろいろな問題点が明らかにされてきたにもかかわらず。連日大勢の市民が様々な場所で抗議の声を上げていたが、それも完全に無視された。とても腹立たしい。

私が一番理解不能で怖いと思うのは、入管やその職員よりも、入管の肩を持つ一般市民かもしれない。
入管の人らは軍隊と同じようにそういう環境の中で次第に染められていって、最終的にああなるんだろうからまだ理解できなくもない。でもそれ以外の人たちは特にそういう洗脳教育的なものも受けていないわけで。

入管を支持する人達の多くは「日本」という概念がよほど大事みたいで、人の命よりも、自分の国はいつでも正しいという信仰を優先したがる。だからかつての日本の戦争加害も、現在進行中の外国人への人権侵害も認めない。
元々人権が大嫌いってのもあるだろうけど。それに加えてゼノフォビア(ただし白人を除く)。

映画「新聞記者」の世界みたいに、かれらが実は内調の工作員だったらまだ救われるんだけど。実際は、そういう人も一部含まれているかもしれないが九割以上は政府とはなんの関係もない一般市民だろう。私の周りにも実はそんな悪意に満ちた人がいるかもしれないと思うと怖い。

テレビのニュース番組もおかしい。入管問題をほぼ無視している。TBSの「報道特集」はしっかり取り上げていたけど、これはかなり例外的な存在だ。
朝のニュース番組、例えばテレビ朝日の「モーニングショー」や「グッド!モーニング」なんかは藤井聡太だの大谷翔平だのテニスの失格問題だので騒いでいて、入管問題は完全スルー。優先順位の判断間違ってるだろ。入管での人権侵害のことを無視しといてテニスのことにはアジア人差別が、とか大騒ぎしてるのもうギャグだよな。全然笑えないけど。
報道には権力を監視するっていう重要な役割があると思うんだけど、そんな気概はないんだろうか。朝鮮民主主義人民共和国の予告ありの人口衛生打ち上げを突然のミサイルのように大騒ぎしたり、憎悪扇動には余念がなくて本当に不気味。もう大政翼賛会とほぼ変わらないんじゃないのか。

これでもメディアが自分たちの敵だと思っている右翼は一体何なんだ。移民・難民を悪し様に中傷して入管の方を持つような報道をしないと満足できないのか?

もちろん自民や維新や岸田も本当にクソだと思っている。最初、岸田は安倍より多少はマシなんじゃないかと思ってたけど、全然そんなことなかった。むしろ個々最近の様子を見ていると安倍以上にタカ派で強引だ。「聞く力」とはなんだったんだろう。


二大政党制はクソである

2023年05月28日 | 政治・社会

日本もアメリカ等のように二大政党制になって欲しいと思っているらしき「リベラル」は結構見る。確かに自民党の一人勝ち状態は問題かもしれないけど、二大政党制だってろくなもんじゃない。どっちも大差ない右翼政党か保守政党になる。
例えばアメリカがそう。共和党も民主党も保守政党でイスラエルをほぼ全肯定しているという点では変わりない。イギリスもそう。(多分)左派と見られている労働党は、王制反対派でイスラエルにも批判的だったコービンを追放したし。

日本の野党共闘にも私は懐疑的だ。共産党が野党共闘に積極的になる前は、共産党は候補者を立てずに民主党に票を集中させろ、みたいに批判されていた。
共産党も天皇制を容認したりいろいろしょうもないところはあるけど、それでもかつての民主党あるいは立憲よりはずっとマシだ。立憲なんて完全なる保守政党なのに、なんで私が投票しないといけないんだ。

共産党が立候補を取りやめればその票がそっくり民主あるいは立憲にスライドする、そんな単純な話じゃない。そうやって選択肢を狭められたら、どっちの候補も嫌だから、だったら選挙なんて行かなくていいやと思う有権者だってそれなりに出てくるだろう。自分が区長選挙で仕方なく白票を投じて以来(そのことについては別の記事で書いた)、なおさらそう思うようになった。あのときは四択ではあったけど。ただ野党共闘の影響で候補が少なくなった可能性はあると思っている。

その野党共闘なんてものをやらないと勝てなくなり(やってても勝てていないが)、支持者の数はそこまで圧倒的に多くはないはずの自民党がいつも選挙で大勝できるのは、大体小選挙区制のせい。有権者の選択肢を狭める悪しき制度だと思う。
かつて、政権交代が可能だということで小選挙区制を肯定的に評価していた「リベラル」が一定数存在していた。その結果、一回は政権交代があったけどその後はずっとこの状況。
政権交代したって、代わった政党が自民党と大差ないなら意味がないじゃないか。それ自体が自己目的化してどうする。「リベラル」で小沢一郎に好意的な人結構いるけど、小選挙区制導入の一番の戦犯は小沢一郎じゃないか。私はその事を忘れていないし今でも恨んでいる。

日本では小選挙区制が導入されても結局二大政党制にはならなかったけど、最初に書いたように二大政党制もクソだと思っている。

ここで、二大政党制が確立されているアメリカのことに話を戻す。特に大統領選について。個人個人を見れば民主党には悪くない議員もいるけど、そういう議員は大統領選に出馬表明したとしても大体まず党内の争いで敗れてしまう。正式な候補として指名されて最終的に出てくるのは右派の候補。
トランプとバイデンとか、どっちも最悪でしかない。トランプとヒラリー・クリントンでも同じようなもん。バイデンは下手したらトランプ以上に熱烈にイスラエルを擁護するし、共和党候補と同じようにアメリカのやってきたことを完全に棚上げして偉そうな物言いをするし、必要以上に中国に対して挑発的に振る舞う。バイデンのことを「上品なトランプ」と呼んでいた人を何人か見たけど、本当にそうだと思う。
次もバイデンが大統領選に出てくるなら、どっちが勝とうが心底どうでもいい。自分がアメリカの有権者だったとしたら、トランプを落とすためでもバイデンに投票するなんて嫌すぎる。

アメリカ大統領選は二択しかないように報道されがちだけど、実は他の候補だっている。自分だったら第三、第四の候補に投票するだろう。
左派と言うか「リベラル」の中には他の候補の応援を控えて民主党候補に票を集めようとする動きがある。そして民主党以外の候補を応援するとその人たちから非難される。スーザン・サランドンやマイケル・ムーアも民主党以外の(もちろん共和党でもない、二大政党以外の)候補を応援して、民主党候補が負けたのはお前のせいだと「リベラル」から非難されたことがあったらしい。この辺、日本の野党共闘の動きと似ているなと思う。
共和党候補も民主党候補もどっちも最悪なのに共和党よりマシだからと投票を迫られる。当選する可能性は低いとはいえもっとマシな候補がいるのにもかかわらず。ああ嫌だ。二大政党以外の大統領候補が「泡沫候補」にしかなれないのはこういう人たちのせいじゃないのか。

この前の選挙ではバイデンが勝ったけど、バイデンのことを本当に良いと思って投票した人はどのくらいいたんだろう。大概はトランプを負けさせるために消極的に入れただけじゃないのか。それでも最大目的さえ果たせればそれでいいという考えなんだろうけど、私はここ数年バイデンを見て「トランプよりマシ」とすら思えなくなってきているので。

アメリカのことについてくどくど書いてきたけど一番言いたいのは、二大政党制なんかになったっていいことないよアメリカを見てみろ、ということ。アメリカ民主党やバイデンが良いと思っている人には通じない話かもしれないが。


入管法の改悪に反対します

2023年05月07日 | 政治・社会

3回目以降の難民申請者は申請中でも強制送還を可能にする、という入管法の「改正」案が4月28日に衆院法務委員会で可決された。
日本は元々極端に難民認定率の低い国で、入管収容所の被収容者はまともな医療も受けられずに虐待されている。在留資格がなければ働くことすら許されない。難民申請者の扱いは今でも十分ひどいのに、更にひどい状態に追いやろうとしている。

入管職員や入管庁の関係者たちもひどいけど、そういった環境に慣らされて麻痺しているだろうからまだわかる。もっと恐ろしいのはそれを支持する一般の人たち。たまたま自分にとって安全な国に生まれた「普通の日本人」たちが、国に帰れば命の危険がある人達を誹謗中傷している。強制送還しろ、と平気で言う。そういう連中の支持があるからこそ入管も好き放題できるし、入管法「改正」案も通ってしまう。

もちろん、無関心な圧倒的多数の日本人にも大いに責任がある。そして無関心ということに対しては、私は人のことをどうこう言える立場ではない。今まで十分な意識を持ってこの問題に向き合ってきたか、自分に出来る限りのことをしたかと考えると、決してそうではない。ほぼ何もしてこなかったので。少なくとも入管を支持する連中や自民や維新に投票した連中よりは幾分かマシとは言えると思うけど。

国民国家という概念は比較的最近出来たらしいけど、それで人類は進歩したんだろうか。国家という枠組みにとらわれた強固な縄張り意識を持った人が大勢いて、恣意的に作られた国境で移動の自由が制限されて。概念に過ぎない「国家」なんてものの存続が人権や人の命より優先されたりして。そりゃあ、国民国家ができる以前から戦争も移動の制限もあっただろうが。

入管を支持し、外国人叩きをする「普通の日本人」たちも白人のことは好きなんだよな。白人が日本に来るのは歓迎するけど、非白人だったら駄目。都合のいい安い労働力としては非白人の外国人も来て欲しがるけど、定住は許さない。そういう日本の空気が本当に嫌だ。
だからヌートバーの人気ぶりにも複雑な気分にさせられた。別にヌートバーが悪いわけじゃないんだけど、見た目が白人じゃなかったらこんな歓迎されなかっただろうな、とか、難民には冷たいくせに、とどうしても思ってしまって。

ただ、もちろんそんな人ばかりではないのもわかっている。私は行けなかったが、今日はこの雨の中でも阿佐ヶ谷や高円寺などで入管法改悪反対のデモが行われていて、たくさんの人が参加していた。無関心な人や入管支持派も実際多いが、こうやって声を上げている人も少なくない。自民党はそれを無視しないでほしい。

最後に。入管法の改悪に反対でも「こんなんじゃ日本は先進国とは言えない」みたいな表現は避けたほうがいいと思う。先進国という言葉には金持ち国という以上の意味は無い。先進国=道徳的にも成熟した国のように捉える感覚は反差別とは相容れない植民地主義的な感覚だ。難民になる人のほとんどは所謂「先進国」の人ではないわけで、その人たちの生まれた場所のことを見下し、馬鹿にしているのと同義なのだが、それに気付いているだろうか。


地方選挙とトイレの話

2023年04月24日 | 政治・社会

数日前、区長と区議会議員の投票に行ってきた。そして区長の方には白票を投じてしまった。そのことが悔しかったが他にどうすることもできなかった。

現職の区長はホームレス排除を進めている区長で、消去法でも他の候補に投票して落選させたかった。それで選挙公報を読んで投票先を考えたのだが、消去法でも投票したい候補がいなかった。現職以外の三人の立候補者のうち、一人は日本第一党で、日本国籍者のみに生活保護を行き渡らせようと言っている。論外。一人は自民党で「女性専用トイレの廃止を見直す」などと言っている。これも論外。女性専用トイレが廃止されるなどという事実はない(そういうデマならある)。
そしてもう一人は無所属の女性候補。消去法でこの人に入れようかな、と思ったときに目に止まったのが、その候補がやろうとしていることのひとつに「女性トイレの増設」があったこと。そこにどうしても引っかかりをおぼえてしまい、消去法であっても入れたくない、と思ってしまった。その結果、区長は白票に。

女子トイレの増設になぜそんなに引っかかったのかと言うと、一言では言えないいろいろなモヤモヤがあって。
そもそも私の居住区で女子トイレが足りなくて困っているかというと、全くそんなことはない。ただ、身体的な障害を持った人たちは多分トイレの数で苦労しているだろうと思う。つまり、優先して増やすべきは「女子トイレ」ではなく「バリアフリートイレ」だろうと。でもその候補は誰でもトイレ、あるいはバリアフリートイレに関する言及は一切していなかった。

他にも公約に女子トイレのことをあげていた候補が何人かいたと思う。いままで公約でトイレのことに触れていた議員はほぼいなかったのに急にこうなった理由は大体見当が付いている。

渋谷区の幡ヶ谷に男性用のトイレ(小便器のみ)と性別問わず使える共用トイレができたとき、ちょっとした炎上騒ぎになったらしい。男子トイレはあるのに女子トイレがないのは差別だ、とか。この問題に関しては差別というよりもスペースを有効活用しようとしたらそうなった、というだけだったのに。男性用の小便器のみだったら大して場所はとらないので。男性でも大をしようと思ったら共通トイレに行く必要があるし。
私はこんなことで怒っている人たちに対して違和感しかない。女子トイレは今でも十分にある。でも誰でもトイレは現状では明らかに足りなくて、増やすべきだと思う。誰でもトイレしか使えなくて、トイレが少なすぎてずっと不便を強いられてきた人たちのことなんか眼中にもない連中が、大して困っていないくせに女子トイレの一つや二つ減らされたくらいで大騒ぎしているのが腹立たしくて。
そしてたったこれだけのことがここまで炎上したのは、トランスジェンダー(特にトランス女性)差別が絡んでいるからだ。差別の扇動者たちは女子トイレが廃止されようとしているというデマも流しているらしい。非常に悪質。トランス女性は女子トイレを使うな、男子トイレか誰でもトイレを使え、と言っておいて、実際に誰でもトイレが増えるとそれも叩く。無茶苦茶だ。

こういう経緯もあり、公約に女子トイレのことを書いている候補には要注意だと思った。トランス廃除派の議論に乗っかってしまっている、あるいは自身がトランス廃除派かもしれない。そうでなくても、少なくともバリアフリーやトランスジェンダーの権利問題には非常に関心が薄いのだろうとすぐに読み取れてしまう。トランスジェンダー排除の流れには、これまで左派やフェミニストだと思われていたような人たちも大量に乗っかっているので、なおさら油断できない。

ここまでどの候補にも入れたくないと本気で思ったことは初めてだった。今まで消去法だったら入れる先があったのに。私はわざわざ選挙に行って白票を入れてくるなんて実に愚かな行為で、だったら行かなきゃいいのに、と思っていたのだが、今回ばかりは仕方なかった。区議にはちゃんと投票したくて、そのためには行く必要があったので。その区議の方も誰に入れるか散々迷ったし、今でもその選択で良かったのか、迷ったもう一人に入れておけばよかったんじゃないか、とクヨクヨ考えたりしているけど。


映画「RRR」と日本の植民地支配

2023年01月08日 | 政治・社会

「RRR」の大きなテーマとして植民地支配はクソ、というものがある。そして日本はイギリスと同じように、他の国を植民地支配した側である、ということは日本人として忘れてはならないと思う。
「イギリス人以外はRRRを見よう!」みたいなこと言ってる人を時々見かけるけど、かれらは日本が植民地支配の問題に無関係だとでも思っているんだろうか。日本人はこの映画で描かれている「イギリス」を「日本」に置き換えて考えてみるべきだし、頭を空っぽにして楽しんでいい話ではないと思う。

でもこの映画を見た人たちの反応を見たところ全然その意識が無い人が多数のように見えた。この映画を見て「もし日本が植民地にされたら~」みたいなこと言ってる人も観測して呆れてしまった。日本は植民地支配「した」側だって認識が本当にないんだなって。

植民地支配という歴史的事実の捉え方がクソだな、と思う日本人のタイプは主に二つ。
植民地支配を悪いものとしつつも日本とそれを完全に切り離している人と、植民地支配をそれほど悪いものと捉えておらず、抵抗側の態度に難癖をつける人。

後者の人たちは、「RRR」でイギリスが悪く描かれすぎだと言う。とんでもない話だ。植民地に来る宗主国の人間っていうのはああいうものだし、現実に比べればあれはまだ甘い描写と言える。
「RRRはテロを擁護しているから、その点が大きなマイナスポイント」みたいに評している人もいたな。それを見て、苛烈な植民地支配への抵抗をそう呼ぶんだねっていうのと、やっぱり「テロリズム」っていうのは主に弱者側の暴力のみを批判するために使われることが多いよな、ということを思った。そして宗主国による虐殺は決して「テロ」とは呼ばれない。
他にもプロパガンダだとかナショナリズム色が強くて危ういとか、そういった批判もあった。そういうことは同じように植民地支配された国の人が言うならともかく、支配側だった国の人間が偉そうに言っていいことじゃないだろう。

そして、この映画を見て改めて思ったことは、私は抗日映画をもっといろいろ見たほうがいいな、ということ。「金子文子と朴烈」、「ラスト・プリンセス」は見たことがあるのだが、そのうち「密偵」も見よう。「イップマン」や「ドラゴン怒りの鉄拳」あたりも。