場末の雑文置き場

好きなことを、好きなときに、好き勝手に書いている自己満ブログ。

「ちはやふる」最終巻感想

2024年03月24日 | 漫画・アニメ

「ちはやふる」最終巻をようやく読んだが、どうも釈然としない何かを感じてしまった。千早と太一がくっついたのが意外、というか唐突に思えてしまったので。差別描写などを含まない限りどんな結末にするのも作者の勝手ではあるけど、私は好みではないなと。

新と太一には大体同時期くらいに告白されていたと思うけど、千早の反応が大分違っていて、これは千早は新のほうが恋愛的に好きなんだろうな、としか受け取れなかった。太一のことは即振ったのに対して、新に告白されたときはもっと嬉しそうだったような。「私は一生かるたが好きで、新が好き」ってモノローグもあったよな。あれはなんだったのか。心変わりするまでの千早の心の動きの描写も無かったし。

太一エンドにモヤッとしてしまったのは、正直に書くと私が太一のことをあまり好きじゃないのもある。私は「ちはやふる」を熱血かるた漫画として読んでいて、恋愛要素はむしろノイズだと思っていた。だからみんながかるたのことに邁進している中、恋愛のことでウジウジする太一が正直鬱陶しかった。このウジウジ描写にかなりの尺が割かれていたので余計に。

同意を得ないキスをしたのも私の中での太一の好感度を大いに下げた。これは立派な加害行為であって許されないので。そのこともあって太一エンドの芽は完全になくなったんだろうなと思っていたんだが。
それに小学生時代の最初の方は新のことを思いっきりいじめてたよな。それも自分が中心になって。それも最低だ。新が許しても私は忘れないからな。そんなクソガキが成長していい奴になった、っていうのは確かに悪くないけど、結局千早に加害したりしていたので回復しかけていた信頼が地に落ちた。

家は金持ちで誰もが認めるイケメンで成績も学校で一番で運動神経も良くて女子からも男子からも好かれる人気者、って設定も嫌味に感じてしまってそこも駄目だった。かるたでは新や千早に勝てなくて、好きな子には振り向いてもらえない、ってそこまで不憫かな? 他の恵まれすぎてる要素を打ち消すほどの不憫さとは到底思えないんだけど。
それと、太一は恋愛>>>>>>友情みたいな感じで、そういうところも少し嫌だった。私は恋愛より友情を大事にする人のほうが好きなので。新のほうがちゃんと太一を友達として認識していたような。いじめられてたのに。

かと言って私は別に新推しとか新とくっついてほしかったというわけでも特にない。恋愛漫画じゃなくてかるた漫画として見ていたので、誰ともくっつかない爽やかなエンドでも良かった。どちらかとくっつくなら、新。そのほうが唐突感なく綺麗に終われたと思う。

太一の好感度が(私の中で)低いので太一と新の二人だったら断然新だけど、一番好きなキャラは机くんかな。この漫画の恋愛要素は基本的に邪魔だと思ってるけど、かなちゃんと机くんとの話は微笑ましく見られた。あと、一番感動したのはヒョロくん活躍回だったり。この漫画では脇キャラがいい味を出していて、それで最後まで読めたのかもしれない。


「天使とアクト!!」第16巻・第17巻(最終巻)感想

2018年09月24日 | 漫画・アニメ

熱血お芝居マンガとして見ていたんだが、最後でベッタベタな恋愛物になってしまった。そんな予感はしていたけど、なってほしくはなかった展開。いや、恋愛展開になるだろうなとは思ったけど、ここまで恋愛一色になるとは思わなかったかな。

いつも偉そうで誰に対しても上から目線のアクトが、なりのことになると全く余裕がなくなってオタオタしたりするのが可愛い……とは思えなかった。私の好きだったアクトはいなくなってしまった。可愛い女の子が近くにいても全然意識しなくて、芝居のことばっかり考えてるようなところが良かったのに。

せめて相手が天央ちゃんだったらな。なりだとロリコンっぽく思えてしまって。まだ20歳とは言え高校一年生と成人っていうのがなんか嫌だ。話を数年すっ飛ばして、なりがせめて18歳以上、欲を言えば20歳以上になってからにしてくれたら印象も大分違ったのに。
ホテルの件も少し引っかかる。泊まることになったのは大雪のせいで、ホテルで何もなかったとなんではっきり言わないんだ。成人が未成年をホテルに連れ込んでなんかしたらそりゃ倫理的に問題あるだろ。どうしてアクトの周りの人たちは誰もそう思っていないんだろう。

ライバルキャラとして出てきたであろう鎌ヶ谷の掘り下げがあまりないまま終わってしまったような気がする点も少し残念。鎌ヶ谷を特別推していたわけでもないけど、ライバル対決ってベタでも結構好きなんだ。そういうのがあんまり見られなかったなと。
多分作者は鳳也がお気に入りだったのかな。知らんけど、そんな気がする。

ラストの展開は、世界的アニメ会社からオファーを受け、その映画がたまたまアクトのいたアニ研のアニメに触発されたもので、相手役はなりで、それが大ヒット。話が出来すぎてるし、無理やりまとめた感があるし、ちょっと白けた。養成所時代とか、最初の頃は本当に面白かったので尻すぼみ感があったな。


→第1巻~第4巻感想


「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」感想

2017年07月18日 | 漫画・アニメ

ショートカットの女の子が大好きなので、今回のウテナのビジュアルはとても好み。本当はロングヘアを編み込んで短く見せてるだけらしいけど、細かいことはいいや。
口調もよりボーイッシュな感じになっていたし、ちゃんと長ズボン履いてたし、「男装の麗人」感が出ていて素敵だった。TV版のアレは男装と呼ぶにはちょっとなあ、って感じだったので。なんで短パン? って疑問がずっとあって。
変身? するとロングヘアに短パンになっちゃうのが残念。ずっとショートヘアでいてほしかったよ。なんで戦うときのほうが動きにくいスタイルになるんだ。

アンシーと暁生の兄妹は、見た目もキャラも大分違っていた。もう別人レベル。髪と肌の色くらいしか面影がない。
ウテナを呼び捨てにし、タメ口を聞くアンシーがとても新鮮だった。主体性が感じられて、こっちのアンシーのほうが断然好きだな。
二人の関係の百合度はTV版よりも上がっていた。二回もキスしてたし。最後なんか二人共素っ裸だし腰に手を回してるしすごい。

暁生もTV版とは全然違ったけど、クズなことには変わりなかったな。及川光博の演技はやっぱり本職の声優さんと比べるとアレだが、まああの程度の出番ならいいかと納得できた。
それよりテーマ曲がなあ。女性歌手が良かったな、このアニメのイメージ的には。男性ならもっと中性的な声の人。

七実の扱いはひどかったな。出番がワンシーンしかない上に、もう人間ですらなくなってる。でもまあ、あれはあれでおいしいのかな?
逆に枝織は大活躍だったね。わかりやすい悪役になってたし。

ストーリーの難解さは相変わらず。ラストの、大量の藁人形が出てくるシーンの意味はよくわからなかった。ウテナが突然車になる意味もあんまり。そもそもあの学園や城が何を象徴しているのかさえも理解できてないや。


「少女革命ウテナ」感想

2017年07月17日 | 漫画・アニメ

とっても今更だけど、「少女革命ウテナ」を全話見てみた。

最初はちょっと抵抗感もあった。王子様とかお姫様とか、そういう話が子供の頃から鳥肌が立つほど苦手だったし。背景にすぐ薔薇が出てくるし。
それに絵柄にクセがあって。男性陣の尖り過ぎの顎とか、妙に肩幅の広い逆三角体型が初見のときは気になって仕方なかった。あと、これはこのアニメに限らずだけど、少女漫画絵の男性陣の妙に細い目が苦手。それに対して女性陣はすごいパッチリ目。現実には目の大きさに男女差なんてそれほどないのに、漫画だとどうしてこうなるんだ。
あと、女性陣の胸部が年齢の割に発達しすぎ。キャラが全体的に老け……いや大人っぽいよな。ウテナもアンシーも、中学生にはとても見えない。高校生設定ではなぜいけなかったのかな。

でもそういうところに耐えてちゃんと見たら面白い。アクションシーンも多くて見応えあるし。

古いアニメなのに、演出は今見ても斬新に思える。前衛的と言えばいいのか? 影絵少女とか、生徒会シーンとか。生徒会の後ろで野球やってたり電車が通ったりする描写は意味不明だった。男性陣が無駄に脱ぐのは、もうサービスというよりギャグだよな。

ストーリーはすごく難解。ラストなんか、頭の中が疑問符でいっぱいになった。でもまあ要するに、一人の少女がずっと抑圧されてきた自我を解放するまでの話だよね。そう考えると真の主役はアンシー?

アンシーは何を考えているのかわからなくて不気味だと思ってたけど、最終的にはちょっと好きになれた。ウテナを呼び捨てにしたシーンにはジーンときた。
ウテナは凛々しいところが好きだったのに、暁生の影響で変わっていってしまうのがちょっと悲しかった。暁生のどこがいいんだ。婚約者がいるのに他の女に手を出す時点でクソだと気付けよ。
暁生はあらゆる面で最低だけど、守備範囲の広さ(節操の無さとも言う)は逆に尊敬できるレベル。中学生から親世代、それに冬芽もアリ? 冬芽と二人でベッドの上で裸でゴロゴロしてたシーンはそういう意味だよな多分。

キャラクターはみんなどこか歪んでるけど、むしろそこがいい。特に好きなのは西園寺と七実。二人とも登場時の印象は決して良くないけど(特に西園寺)最終的には愛すべきバカになった。
西園寺はDV野郎だし本気でウテナを殺そうとしたこともあったし、そこは許しがたいんだけど交換日記とか冬芽との友情とか、意外に純粋なところが好きだ。見た目はかなり苦手な部類なんだけどね。
七実は意外とあの中では常識的な部類かもしれない。アンシーと暁生の関係に本気で嫌悪感を持ったりとか、冬芽に恋愛感情的なものを抱いているように見えて、決して兄妹としての一線を越えようとしないところを見ると。ただ、取り巻きの三人との関係は最後まで怖かった。

キャラとか無視して見た目オンリーなら、1.香苗さん、2.梢、3.タマネギ王子(本名忘れた)の順で好み。脇役ばっかりだな。
香苗さんは理由は上手く説明できないけどなんか好き。梢はショートカットだから。タマネギ王子は顎尖ってないし目も細くないし、奇抜な髪色でもないから。あの世界ではフツメン設定なんだろうけど、結構可愛い顔だと思う。


「モアナと伝説の海」感想

2017年03月17日 | 漫画・アニメ

タトゥーを動かすという発想も面白かったし、アニメならではの表現が満載で、映像はもちろん素晴らしかった。でも個人的見どころはなんといってもストーリー。というかモアナ。

モアナいいよ。16歳の少女なんだけど、とてもたくましい。並外れた身体能力、無謀とも言える勇敢さ。表情やちょっとした仕草なんかも、女の子女の子してなくていい感じ。これだよこれ、こういうのが見たかったんだ。
恋愛要素皆無で、主人公が男の子でもほぼ同じような感じで話が成立しそうなところがいい。日本だとなかなか出ないタイプのヒロインなんではないかな。

相棒となるマウイのモアナに対する接し方にも、ストレスを感じさせるような要素がなかった。女の子扱いは全然しなくて、ただのガキ扱い。チキン呼びするときは「人間だから」で決して女だからではない。

もちろん、下心なんて一切なし。日本のコンテンツだと10代の女の子に欲情するような大人が当然のような顔して出てくるからな。
女子高校生と警察官の恋愛物と、女子高校生と教師の恋愛物の映画がこれから公開されるんだもんな。地獄のようだよ。

アメリカはマッチョな男性推しがキツすぎるところは嫌だけど(そう言えばマウイもモアナのお父さんも異様にマッチョ……)ロリコンを肯定しないという点に関してはきちんとしていていいな。