場末の雑文置き場

好きなことを、好きなときに、好き勝手に書いている自己満ブログ。

横浜DeNAベイスターズ、今シーズン終了

2016年10月16日 | スポーツ

選手の皆様、お疲れさまでした!

今年は最高だった。まさかここまでいけるなんて思いもしなかった。
去年は途中までぶっちぎり1位で、ついつい優勝を期待してしまったのに、終わってみれば最下位だったからね。でもそれでこそ横浜なんだ、このチームを信用してはいけないんだと改めて肝に銘じていた。
だから今年はもう、最下位じゃなければいいやくらいの期待値だった。それが、まさかクライマックスシリーズに進出できたばかりかファイナルステージまで進めるなんて。

ファーストステージの最後の試合は特に良かった。一番ハラハラした試合でもあったけど。鈴木尚広を刺した場面には痺れた。ただ、あのすぐ後に鈴木引退のニュースを聞いて、複雑な気持ちにはなった。あれが最後のプレーだと思うとね。

日本シリーズには行けなかったけど、ファイナルステージで1勝できただけでもう満足。今年はカープに行ってほしかったしね。ぶっちぎり優勝してあんなに盛り上がっていたし、カープも好きなチームだから。カープにはこのまま日本一になってもらいたい。

それにしても、ちょっと前まで最下位争いをしていたこの2チームがファイナルステージで戦ったとは。感無量。誰も予想できなかったよね。
セリーグの勢力図は変わってきたよな。横浜、広島、ヤクルトがBクラスの常連で、上位3チーム、下位3チームは変わらないっていう状態が結構長く続いてたような気がするんだ。それが今年は広島横浜がファイナルステージ、阪神中日が5位6位だもんな。

暗黒時代のベイスターズの記憶はまだ鮮明だ。ぶっちぎりの最下位が3年くらい続いたこともあったっけ。本当に最下位じゃなければそれで喜べるくらいだった。あまりのお荷物ぶりにベリーグと揶揄されたあの球団が、立派になったね。嬉しいよ本当に。

そんな感動的な対決だったのに、地上波でもBSでも放送してくれないんだもんな。パリーグは放送されてるし、セリーグもファーストステージは見られたのに。
巨人が出てないからなのか? 広島と横浜って、そんな放送する価値もないほど地味な組み合わせなの? カープファン、近年急増しているみたいなのに。今年、カープであんなに盛り上がったというのに。

余談。カープと言えば、最近カープファンの女性がカープ女子だの何だの言われている。そしてニワカファンの象徴みたいな感じでこの言葉が使われることも多い。これって、女性ファン=ニワカっていう一種のミソジニーだよな。年季の入った女性ファンもいれば男のニワカファンだって当然いるだろうに、女性ファンってだけで一律にニワカと決めつけるのはナンセンス。
そもそも、ニワカでなにが悪いんだ。誰だって最初はニワカファンだろう。野球に限らず、古参のファンが新規ファンを拒否したりバカにしたりする光景はよく見る。新たなファンが獲得できなきゃ、そのジャンルは廃れていくだけなのにね。


「仮面ライダー龍騎」キャラクター別感想③

2016年10月15日 | 特撮
手塚

龍騎の良心。心のオアシス。ただ優しいだけじゃなくて蓮に「小川恵里のことは諦めろ」ときっぱり言える厳しさも持っているところが好きだ。

いい人だけど変人なところがまたいいのだ。すごく怪しいしストーカーだし電波だし、実は鉄オタっぽいし、使いようによっては最強のネタキャラになれる可能性を秘めていたんだが、本編ではひたすらシリアスな役回りだったな。

どう見ても悪役のほうが似合いそうな俳優がメッチャいい人を演じている、というミスマッチも良かった。手塚には独特の胡散臭さがあったけど、これは言動だけじゃなくて見た目と怪しいオーラのせいもあると思う。
登場シーンの雰囲気なんて、完璧に悪役だったよな。腹に一物抱えてる感じだった。だから「ライダー同士の戦いを止めたい」という手塚の言葉も、途中まで半信半疑だった。疑いが晴れたのは、芝浦から真司のカードを取り戻してくれて、「一緒に二人を止めよう」と手を差し出したときかな。

手塚のこのキャスティングは意外性を狙ったものなのかなと思ってたら、どうも違うらしい。最初は悪役予定だったのを、脚本家が役者を見て「この人はヒーローのほうが相応しい」って感じで変更したとか。なぜだ。なぜこの人を見てそう思ったんだ。

この俳優が悪役をやってるところ、ちょっと見てみたいかも。とても似合いそう。
……と思ってちょっと調べてみたら、「仮面ライダードライブ」の最終回に犯人役で出てたのか。どんな感じだったか、全然記憶にないや。見てたはずなんだけどなあ。


芝浦

最初18、9歳の少年だと思って見ていたので、21歳設定で、しかも演者は当時23歳と知ったときは驚いた。童顔だね。吾郎ちゃんや佐野より年上なんだもんな。
キャラとしては手塚のほうが好きだけど、役者は芝浦が一番気に入ったかもしれない。演技はあの中じゃかなり上手いほうだし、顔も可愛いし。あとは髪がもうちょっと長くて、身長がもう7~8cm低ければ(小柄な方が好き)完璧だったな。

とは言え芝浦のキャラ自体も結構好きだ。
ワルそうな感じで登場してきた割に、その後やったことといえばOREジャーナル乗っ取りとか、案外ショボいところが可愛い。多分本人はでっかいことやってるつもりなのに、実際はスケール小さくて子供っぽくて痛々しいところがいい。

自分で監修したイメージビデオで不思議な踊りを披露したシーンと、日本中に自作のゲームを広めて俺が人の心を支配するんだという発言で「あ、こいつバカだ、ただの厨二病だ」ってわかって、笑いがこみ上げてきた。で、憎めない奴ポジションに変化した。
世界征服したいとか思ってる小学生男子のままの精神状態で大人になってしまったイタい子なんだよな、余計な知恵だけ付けて。マトリックスの連中がたまたまアホだっただけで、あんなクソゲーがそんなに流行るわけないだろうが。そしてあのイメージビデオ、生きてたら黒歴史になったのにな。10年後くらいにあの映像を見せられて、恥ずかしさでのたうちまわってほしかった。

私は好きなんだけど、芝浦って妙に嫌われまくっているような。実際性格は悪いし、嫌味だし、人をイライラさせる天才だけど、浅倉須藤東條なんかに比べると全然大した悪事を犯していないのに。すぐに死ぬ、しかもかなり悲惨な死に方をするんだから許してやればいいのに。浅倉みたいに人を殺しまくって長生きする奴のほうが大問題だろう。
制作側としては芝浦の憎まれぶりは狙い通りなんだろうけど、若干天邪鬼な私としては、そんな思い通りの視聴者にはなりたくないんだ。憎まれ役みたいに設定されているキャラクターがいると、ストレートにそいつに腹が立つよりは、作り手にそんな風に扱われてるキャラクターが可哀相、って感情のほうが先に来る。

芝浦のことを「ガードベント」とか呼んでネタにするような風潮があるようだけど、そういうの見ると本気でイラッとくる。人の死ぬシーンをそうやってネタにするなんて悪趣味きわまりないし、特オタ特有のそういうノリが私は嫌いだ。しかも面白いわけでもなく、普通につまらんネタだしな。芝浦が出てくるたびに条件反射的にこのネタを出してくる人も結構見るけど、バカの一つ覚えみたいでとても寒い。
彼らのそういう態度を見ていると芝浦そっくりだなとも思うので、芝浦が実際にいたらやっぱり嫌いになるのかもな。フィクションだから許せるんだね。浅倉はたとえフィクションでも無理だが。

芝浦って異常な感性を持った極悪人ではなくて、そこら辺に転がってそうな感じの嫌な奴なんだよね。ただの厨二病で嫌味なクソガキ。だから、浅倉や須藤刑事なんかと一緒のカテゴリーには入れてほしくない。
芝浦は浅倉や須藤と違って、ライダーの力を悪用して一般人に害を与えるようなことはしない。そもそも人は一人も殺してないし、ライダー以外の人間を殺そうとしたこともない。芝浦の最大の悪事と言えば例のゲーム開発だけど、これだって死者は出ていないわけで。だから警察も「傷害」事件と言っている。その代わり嫌味と煽りという独自スキルがあるけど、嫌味で人は死なないから。

ライダーバトルにゲーム感覚で参加したことについては、そんなに悪いことだと私は思わない。殺し合うことをお互いに了解した人間同士の戦いで、自分の命だって危険に晒しているんだし。普通の殺人とはやっぱり違う。
浅はかな奴だけど、それでも自分も死ぬかもしれないということを全く念頭に入れていないほどバカではないんじゃないかな。リスクがあるからこそ面白い、一番嫌なのは死ぬことよりも退屈すること、みたいな感覚なんでは。

卑怯者っていうのも不当な評価だと思う。ゲーム感覚なだけあって、戦いにおいては案外フェアだ。三人一緒に相手してたこともあったし。浅倉や東條と違って不意打ち攻撃なんかしないし。
芝浦が戦闘中に卑怯と思えることをしたのって、ナイトの前でドラグレッダーのカードをヒラヒラしたときだけじゃないのかな。あれだって、戦況を有利に進めようとしたというよりは蓮をからかいたかっただけに見えた。

芝浦が腹の底でなにを考えてああいう言動をとっていたのか、っていうのは想像することしかできない。そもそも登場回数が少ない上に佐野みたいに内面が描写されることもなかったから。
初登場回で、フードを被って真司の前に現れたときにペラペラ喋っていた内容がヒントになりそう。「それは俺が天才だからですよ」「これで俺の優秀性が証明されたわけだし」。

最初は本当に自信満々なのかと思ったけど、途中からそれは違うんじゃないかと思うようになった。自分が天才だとか優秀だとかわざわざ口に出して言っちゃうのって、コンプレックスの強さの裏返しのように思える。
あるいは自己暗示のためか。天才、優秀って何度も自分で言っているうちに自分自身に暗示をかけることに半ば成功したんだけど、根っこの部分ではコンプレックスを抱いたままなんじゃないかと。
「人生退屈しきってる、もともと危ない奴ら」っていうのは、クラブの仲間のことを言ってるみたいだけど芝浦自身にもバッチリ当てはまるよな。

「これで俺の天才性が『証明』された」とか言う言葉からは、強い承認欲求が感じられる。周りから見下されながら生きてきたのかな、という想像もできる。誰にも真面目に相手してもらえなくて、もしかしたら小さいころにはいじめを受けてたりしたんじゃないか。誰かに認められたくて、構って欲しくて仕方ないようにも見えるんだ。寂しい奴なんだよね、多分。
OREジャーナル乗っ取りもそういうことなんじゃないかな。ゲームを広めたいだけなら、もっと効率のいい方法があったはずだし。
バトルに参加した動機も、ただ面白いからじゃなくてそういうことかも。で、最後の一人になったときの願いは自分を見下してきた奴らと両親に自分の優秀さを認めさせること、とか。芝浦だって願いが無かったわけじゃないと思うんだ。それが描写されないまま退場してしまっただけで。

あと、本当はヘタレなんじゃないのかな。ヘタレなんだけど、それを必死に隠そうとして虚勢を張っているように見える。
蓮にやられそうになったけど助かった直後のあの罵り方なんかも、私には虚勢にしか見えなかった。恐怖心を悟られたくなかったからこそ、余計に高圧的な態度に出たんだと思う。
「俺はトドメを迷ったりしない」なんて口では偉そうに言ってたけど、実は自分の手を汚すのが怖いのでは。最初の戦いのとき、ボロボロになって倒れていた真司にトドメも刺さずに帰っていったし、ドラグレッダーのカードも脅しに使っただけで実際に燃やす気はなさそうだったし。さっさと燃やしてしまえば一番楽なのに。

「実は優しい」とか言いたいわけじゃない。あくまでも自分の手は汚したくないってだけ。自分が手を下さなくても、他のライダー同士で勝手に潰し合ってくれればそれが一番いいっていう感じなのかなと。
芝浦は他人を操ったり煽ったり困らせたりしたいのであって、殺意や暴力衝動はあまりないんだと思う。そこが浅倉と大きく違うところ。(TVSPの芝浦は本当に躊躇なく人を殺せそうだったけど、あれはパラレルでキャラも若干違うと思っているので除外。)

こうして書いてみてわかったことだが、私は作品中に描かれている芝浦というよりは、自分で勝手に脳内補完した部分込みの芝浦が好きなんだな。つまり、元いじめられっ子で、本当はコンプレックスが強くてヘタレなのにそれを見せまいと必死に強がっている芝浦ね。
実際のところどうなのかはわからないけど、いいんだ。私の中ではそういうことになってるから。描写が少ないから、想像が多めになるのは仕方ないんだ。


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「仮面ライダー龍騎」キャラクター別感想②

2016年10月10日 | 特撮
須藤

俳優のインタビュー映像で、一番役とのギャップを感じたのはこの人だった。別人みたいに爽やか。演技は上手くないはずなのに。

たった二話だけの登場なのにすごいインパクトを残していったよな。常に敬語で一人称が私、愉快な棒読みと、出番の割にキャラも立ってるし。壁に埋まった死体の話とか、退場の仕方とか完璧だった。子供向け番組でやる内容じゃなかった。

出てきたと思ったら即退場したんでネタキャラ扱いされることもあるけど、かなり怖い人なんだよな。神崎士郎以外では唯一浅倉に迫るレベルの極悪ぶりだったと思う。
日常的にモンスターに人食わせてるからね。ライダーになる前から殺人罪犯してるしな。仮面ライダー=正義の味方という図式を見事にぶっ壊してくれた。
しかも職業が刑事ってのがまたすごい。最初に令子さんの前に現れたときからこいつが犯人だっていうのはすぐに分かったけど、本物の刑事だったっていうのは予想外だった。この人のおかげで、後から出てきた浅倉の衝撃が薄れたくらい。

仮面ライダーは結構強力な力を手に入れたはずだけど、その力を現実世界でも悪用したのって須藤刑事と浅倉だけなんだよな。他のライダーだってそれぞれにクズだけど、それでもライダーの力を使って一般人に危害を加えるような真似はしなかった。まだ抑制のきいたクズだったと言えると思う。
やっぱり、悪さの度合いでは須藤刑事と浅倉の二人が抜けてる。ライダーバトル関係なく殺人犯だし。須藤刑事を小悪党扱いしたり、口だけで実は誰一人殺していない芝浦を須藤刑事と同格の悪役扱いする人は善悪の基準が少しおかしいと思う。

TVSP版の須藤刑事は、わざわざレシートを取りに戻ってくるところがツボだった。正義感の強い警察官だったのに力を手にして歪んでしまったっていう設定で、本編とは別人すぎたが。


北岡

高すぎる身長、特徴的なアゴと、外見は私の苦手な要素てんこ盛り。でも、そこがいいと思う人はきっとたくさんいるんだろう。

30歳という年齢は、やり手の弁護士としてはメチャクチャ若い。だけど仮面ライダーとしてはかなり高齢だよな。北岡といい浅倉(一応25歳設定だけど)といい、龍騎はおっさんライダーが優遇されてるなあ。メイン視聴者は(多分)小学生なのに。

北岡は現実にいたら一番腹立つ奴かもしれない(神崎士郎は完全にフィクションなので除外)。
社会的地位が高く、財力もある。金のためなら強引な手だって平気で使うけど、法の抜け穴を知っていて上手く立ち回るから、浅倉のように逮捕されて制裁を受けることもない。こいつが不幸にしてきた人間の数は浅倉より多いくらいかもしれないのだ。少なくともライダーの力を手に入れる前の段階なら。もしかしたら間接的に何人も殺しているかも。

弁護士は弱者の味方であってほしいという気持ちが私にはあるので、リアルに考えたらこういう人間は本当に許せない。
ただ、キャラクターとしては初期の卑怯で嫌な奴の北岡は結構好き。途中で妙にマイルドになってしまったのがちょっと残念。マイルドになっただけで、いい人になってしまったわけではないけど。
終盤の、浅倉を罠にはめたシーンは良かった。昔の北岡が戻ってきてくれたみたいで。あのときの北岡は輝いて見えたな。


浅倉

浅倉のことはどうしても好きになれない。どうやら龍騎の登場人物の中で一番人気があるようだけど。

最初は私も浅倉の凶悪さを面白がっていたんだが、一向に死なないので段々鬱陶しくなっていった。長く出すぎ。こういうタイプは太く短く生きてこそ、だと思う。東條並みの出番だったらちょっとは好きになれた、かも。
どうも浅倉は人気があるから、という理由で無理に出番を引き伸ばされたような感じがする。こういうキャラは敵として立ちはだかってこそ輝くのに、真司は戦う気がなくて、しまいには馴れ合いまで始めるからな。最初は主人公サイドがこいつの理不尽な悪事に怒りを表明したりしていたけど、後半にはそれもなくなる。こいつは相変わらず極悪人なのに。護送車の警官たちをモンスターに食わせた件に対してなんのフォローもなかったのはなんだかモヤモヤした。しかも馴れ合い回ってあの直後だし。
香川教授たちが出てきてから浅倉はメインのストーリーに関わっていないし、この時点でもう必要ない存在だったんだよな。北岡との因縁話も後付け感が否めなかったし。タイガに倒される形での退場がベストだったと思う。そうしたら東條のインパクトをより強烈なものにすることもできたのに。

私は悪役として描かれている人を素直に嫌いになることはあまりない。ひねくれ者なので、制作側の「こいつを憎め、憎め」的な意図を感じると「その手には乗るか」と思ってしまうから。
浅倉の場合は、脚本家の妙な肩入れを感じたので安心して憎むことができた。頭が固いと言われようが、殺人鬼をかっこよく描こうとするようなやり方は好きじゃない。(私は浅倉みたいなクソ野郎は最高にかっこ悪いと思うが、少なくとも制作側はかっこいいつもりで描いているように見える)
あとはファンの「浅倉が嫌いな奴なんているわけがない。みんなが好きになるはず」って決めつけるような態度が鼻について、尚更嫌いになったんだよな。

見た目も、やや苦手な部類かな。あの派手な格好と鷲鼻と老けっぷりがちょっと……。25歳設定には無理があった。どう見たって30は過ぎてるだろ。
世間的にはすごい男前で色気がある……らしいのだが、私はパッチリ二重で目鼻立ちがはっきりした顔の人 or 童顔で小柄な人が好きなので、その条件からは程遠い浅倉の外見的魅力はサッパリわからんのだ。(念のために書いておくと、私は浅倉が嫌いなだけで浅倉役の役者さんが嫌いなわけではない)

浅倉がかっこいい悪役だっていうのも、今ひとつピンとこない。
「残虐な一面はあるものの、さっぱりした性格で戦いにおいては正々堂々」とかだったらその評価もまあ理解できなくはないんだけど、浅倉は全然そうじゃないからな。十年以上会っていなかった弟をわざわざ騙しておびき出して殺すあたり、すごいネチネチしてて嫌な奴。

そして実はかなりの卑怯者。真司の変身を妨害したり、他のライダーにやられて満身創痍のガイやインペラーを死体蹴りみたいな形で倒したり。戦闘狂キャラとしての美学にも反する。
とにかく勝つことを最大目的としているってスタンスなら不意打ちしようが何しようが気にならないが、戦うのが楽しくて仕方ないという雰囲気を出しといてあの卑怯さだからなあ。「小物悪役とは格が違う」みたいなことを言われてるけど、こいつも充分小物だと思う。

そもそも王蛇って本当に強いんだろうか。一番沢山のライダーを葬った、それは確かだが、龍騎が本気になったら王蛇より強いんじゃないかって思われるフシもあるし。
こいつが殺したのって、ほとんど自分より不利な状況にいる相手だけなんだよな。他のライダーにやられて満身創痍のライダーにトドメ刺したり、ライダーの力を持たない一般人をモンスターに襲わせたり。平等な条件で戦って倒した相手なんて吾郎ちゃんしかいないじゃないか。その吾郎ちゃんだって、あれがゾルダとしての初戦闘だったわけで、戦い慣れてたらやっぱり勝てなかったのでは?

浅倉はクズではない説、または浅倉より東條や芝浦のほうがクズという説を結構な頻度で見かけるが、それは絶対にない。浅倉は人を殺しまくってるけど芝浦は一人も殺していないし、東條はクズっていうのとは別ジャンルだし。浅倉が弟にした行為がクズな行為じゃないとしたら、クズの基準がさっぱりわからん。
弟の件は胸糞悪すぎたし、心底ドン引きした。人の善意を利用して殺すとか、邪悪すぎて。あれを面白がるのは、私にはちょっと無理だった。

浅倉は虐待を受けていたから実は可哀想な奴なんだ、って言われているのもたまに見る。でもそんなことは劇中で具体的に言及されてなかったよな。
この説の根拠は第24話で浅倉が令子さんに「俺はずっと誰かに殴られてきた」って言ったことらしい。でも、浅倉は平気で嘘をつく奴だからな。令子さんの気を引くために言ってみただけかもしれない。自分は人を殺したりやりたい放題のくせに、自分がやられたことだけは忘れないセコい奴でもあるから、殴り合いの喧嘩のことを「殴られた」と表現しているだけって可能性もある。
いずれにせよ、この一言だけでは虐待説の根拠としては弱い。そもそもあのエピソードは浅倉の非道さを浮き彫りにするためのエピソードであって、そこから浅倉に同情の余地を見出そうとするのは無理がありすぎる。浅倉の両親も、もちろん弟も、浅倉の被害者であって加害者ではない。浅倉が虐待されていたんだと思いたい人は、奴があんな人間になってしまったことに何らかの理由を見つけて安心したいのかな。

弟の暁の浅倉に対する反応を見ても、浅倉が元からああいう奴だったんだということが窺い知れる。凶悪犯とは言え、十年以上会っていなかった兄のことをなぜあそこまで恐れていたのか。
これは多分、浅倉が少年時代から残虐性を発揮していたからなんではないかと。暁は兄から日常的に暴力を振るわれていて、いつか殺されるんじゃないかと思っていたのでは。浅倉が暁に「イライラする」のは暁が浅倉とは真逆の心優しい優等生タイプだったりしたからかもしれない。そうだとしたら尚更可哀想だな。

浅倉は家庭環境のせいでああなったわけじゃない。親なんて関係なく、生まれつきの殺人鬼なんだと思う。嫌いな私が言うのもなんだけど、同情の余地なんて欠片もない、救いようない最低さこそがこの人の魅力なんじゃないのかな?

変に改心したりなんかせず、最初から最後までゴミクズ野郎のままなところは良かった。
浅倉がフェリーで少女を守ったと解釈した人にとってはそうじゃないみたいだが、あれは本人が言っていたとおり「囮に使っていただけ」っていうのが正解だと思う。弟をあんな風に殺したような奴が、会ったばかりの少女を本当に助けたとしたら意味不明すぎるしロリコンとしか思えないし、余計気持ち悪くなるだけ。

浅倉の描写に関しては、劇場版が一番好きかな。キャラ的にはTV版と全く変わらないんだけど、奴が奪った命がちゃんと重く受け止められているし、(真司じゃなくて霧島から見てだけど)「倒すべき敵」ポジションにいて、きっちり倒されてるから。
TV版よりも残虐性の高いキャラになっているという意見も見たけど、そんなことはない。浅倉はTV版でもずっとあんな感じだ。劇場版では被害者の視点を入れることで、浅倉がやってきたことの残酷さがより鮮明になっていた。TV版では被害者はスルーというかモブ扱いだから、イマイチ残酷さが伝わっていなかっただけだと思う。


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