場末の雑文置き場

好きなことを、好きなときに、好き勝手に書いている自己満ブログ。

少女向け恋愛フィクションの罠

2016年12月27日 | ジェンダー・家族等

映画館でものすごく気持ち悪い新作映画の予告が流れてきた。タイトルは「PとJK」。警察官と女子高校生がこっそり結婚する話。原作は少女漫画らしい。まずタイトルからしてなんだかなあ。JKって元々風俗用語らしいじゃない。

気持ち悪さに震えながらも、記事を書くためにサイトに行ってあらすじを見てみた。警察官の男が、職務上女子高生と付き合うことができないから交際期間ゼロでいきなりプロポーズするらしい。
いや、だったら卒業まで待てよ。なんでいきなり結婚にまで話が飛躍するんだ。青少年健全育成条例の対象は18歳までだけど、結婚してしまえばこっちのもの、犯罪じゃないってか? こんな警官に犯罪を取り締まられたくはないな。早いとこ女子の結婚可能年齢も18歳まで引き上げてほしい。
コピーは「PとJKが恋をした。一緒にいる方法はただひとつ。結婚から始まるピュアラブストーリー」。「ピュアってなんだっけ?」と思いっきり突っ込みたくなる。

年上に憧れる女の子は実際多いようだけど、未成年と交際する大人なんて、ただの気持ち悪いロリコンなんだよな。年食ってるだけで精神年齢は低い。でも悪知恵は年相応にあって、搾取する気満々。対等な関係なんて決して築けない。
この手の男を実際見たことがある。女子高校生と付き合っているらしく、JK、JKと自慢気に連呼していて、気持ち悪すぎて鳥肌立った。そいつにとっては彼女が「JK」であるという事実だけが大事らしく、中身なんて心底どうでもいいという感じだった。

あとは「ドS」とやらも最近の流行りなのか? 映画化されたものを見る限り、そういう印象を受けるんだが。ドSって要する偉そうで高圧的なクズ、モラハラ野郎だよな。
ロリコンもドSも、いても毒にしかならない、関わってはいけない男という点では共通している。こういう男が魅力的であるかのように描くのってどうなのよ。

女の子向けの読み物のはずなのに、女の子のためになっていないと言うか、男に都合のいい話なんだよな。女の子に自信を持たせるんじゃなくて、対等でない関係に憧れさせる。読者のためを思うなら、こういう男の危険性を知らせるべきなんじゃないかと私は思うんだけど。

漫画の影響力って無視できないからな。特に子供は影響を受けやすいし。こういうを真に受けて、ロリコンやモラハラ野郎みたいな変なのに引っかかる女性がいそうで怖い。男性向けのロリコン物のほうがこういうのに比べればまだ罪が軽いとすら思える。


「仮面ライダー龍騎」キャラクター別感想⑤

2016年12月21日 | 特撮
佐野

佐野と言えばやっぱりあのラストのインパクト。あれは役者の演技も迫真で名シーンだった。

ただ、確かに哀れで印象的な最期だったけど、ちょっと同情を買いすぎな気がする。「ざまぁw」なんてもちろん思わないけど、わりと自業自得なのにな。

あの最期とお調子者で憎めない雰囲気のせいで忘れられがちだけど、佐野は結構悪い奴だと思う。よく言われているような「普通の人」とか「根はいい奴」には、私の目にはとても見えない。
カテゴリーとしては「悪役」で問題ないだろう。浅倉や須藤刑事ほどではないが、芝浦と同程度の悪質さ。

簡単に人を裏切るし、金のためだけに優衣を殺そうとしたのはまあいいとして(良くないけど)、怯えてる優衣に武器を向けていたときにすごいヘラヘラした態度だったのが怖かった。そのあとで平気な顔をしてまた真司にすり寄ろうとする神経もすごい。
東條による仲間殺しを間近で見たあとも平然として東條に話しかけていたところも、よく考えると怖い。普通なら恐れをなして距離を置くところなのに。人を裏切るってことが、佐野の中ではそれくらいなんでもないことなのかもしれない。

基本的に、人情なんかはなくて損得勘定に基づいて行動している人だよな。どんな人間であれ、自分に利益をもたらしてくれるならついていく。メリットがなくなったらそこでハイ、サヨウナラ。東條を助けたのも、少なくとも最初は完全に打算からだったんだろう。

それに結構裏表がありそう。東條に自分を雇う気がないと分かると、それまでの愛想のいい態度から一変して無表情で「おたく、目が死んでるよ」って言い放ったり。
金持ちになった途端の豹変ぶりもすごかった。金がないときはヘコヘコして太鼓持ちをやっていたくせに、突然偉そうになって。こういうところでも佐野の人間の小ささがわかる。

あと気になるのが、死ぬ直前、生身の真司をいきなりモンスターに襲わせていたこと。「すぐ満腹にしてやるから」とか言ってたけど、真司をモンスターの餌にしようとしていたのかな? 真司がターゲットになったのは、偶然あの場所を通りかかったから? だとしたら、あの場所を通りかかったのがライダーバトルと関係ない一般人だったとしても同じことをしていたってことだよな。
切羽詰まった上の行動ではあるけど、佐野ってそういう奴なんだろうな。そのうち感覚が麻痺していって、須藤刑事のように平気で何人もの人をモンスターに食わせるようになっていたかもしれない。東條のこともいずれ裏切っていた可能性も高いし、早めに死んだからこそ視聴者にさほど悪い印象を残さずに済んだんじゃないかな。

それでも佐野のことは嫌いじゃないけど、共感は全くできない。「仮面ライダー龍騎」に出てくる変身者の中で一番普通の人っぽくて人間臭くて感情移入しやすかった人って、私にとっては仲村くんだったな、佐野じゃなくて。


霧島

女ライダーが出てくることが、「仮面ライダー龍騎」を見ようと思った理由のひとつだった。劇場版限定の登場なのがもったいない。本編にも出てほしかったな。あれだけの人数がいて女ライダーが霧島一人って寂しい。

霧島はあの気の強さが好きだ。死にそうなときですら強がって平気なふりをするところ、最高だった。霧島の死に様は全ライダーの中で一番好き。

不満点もある。まず年齢が若すぎること。他のライダーは全員20代以上なのに女ライダーだけ10代っていうのがちょっとイヤだ。大人っぽい見た目だから20代設定でも全く違和感なかったのにな。第一、結婚詐欺師が18歳ってちょっと無理があるような気がするんだが。
あとは弱いこと。終始王蛇に押されっぱなしだったよな。最終的には倒せたけど、リュウガのアシストあってのことだし。病弱な北岡の変身するゾルダが強かったり芝浦がパワー系ライダーになったりするところを見ると、変身前と戦闘後の戦闘力は完全に比例するわけでもないようだし、女ライダーが強いのだって有りだと思うんだけどな。

浅倉の熱烈なファンには霧島って評判が悪いのかな。霧島を「可哀想な女の子」にするために浅倉が憎まれ役として利用された、みたいなことを言っている人も見たことがある。でもあんなの、浅倉の悪事の氷山の一角に過ぎないと思う。浅倉ってもともとああいう快楽殺人犯だしな。あれが浅倉らしくないと思う人は、浅倉に幻想を抱いているんじゃないかな。


高見沢

尺が短くストーリーも適当だったTVSP版のみの登場なので、印象は薄い。あれだけ金持ちなのにわざわざ命懸けのバトルに参加するなんて、よくわからん人だ。

悪役と言っても、ライダー以外の人間には危害を加えていなさそうだし、須藤刑事や浅倉よりは悪質さは薄いだろう。浅倉並みにガラは悪いが。御曹司って設定なんだっけ。それにしては随分お上品なことで。

高見沢本人のことは可もなく不可もなくって感じなんだけど、高見沢の変身するベルデは大好き。全ライダーの中で一番好きかもしれない。怪人としか思えない奇抜なデザイン、クリアーベントにコピーベントという面白いカード持ち、武器はヨーヨー、そして何と言っても一度見たら忘れないインパクト抜群のファイナルベント。何もかもが最高。
力押しよりトリッキータイプのほうが見てて面白いんだよな。本編にこういうライダーが出てこなかったのは残念だ。トリッキー戦法が一番似合いそうな芝浦はなぜかパワー系ライダーだし、ナイトもトリックベントとか持ってる割にあまり活かせていないし。

あとは芝浦との仲の良さがちょっとツボだった。年上に対しても基本的に無礼な芝浦が高見沢のことだけは「さん」付けで呼んでるし従順だし、こころなしかいつもより楽しそうに見えた。倉庫で高見沢の方を振り向いて笑顔を見せるシーンがあったけど、あのときの笑顔がいつもの邪気が含まれている感じじゃなくて、本当に純粋な笑顔で。高見沢×芝浦とかほんのちょっとだけ考えてしまった。
お互いに都合がいいから利用しようとしているだけで、隙あらば後ろから刺してやろうと思ってるのかもしれないけどね。TVSPでは手塚の設定があれだけ違うんだから、芝浦だって金持ちのボンボンじゃなくてもおかしくない。ゲーム代稼ぎのために、お小遣いをくれるおじさんに従っていたのかも。


吾郎

見た目はコワモテなのに、意外と優しい人っていうギャップがいい。「仮面ライダー龍騎」はこういう意外性が面白かった。悪役顔の吾郎ちゃんや手塚が作品中トップクラスのいい人だったり、逆に悪役顔とはほど遠い感じの東條や芝浦が悪役だったり。浅倉はまあ、見たまんまだけど。

序盤の、北岡に助けを求めてきた女の子とのエピソードは良かったな。あれで吾郎ちゃんを好きになれた。あれを見てロリコンだと思う人は心が歪んでいると思う。
序盤は北岡に従順なだけじゃなくて、ひどいときはちゃんと苦言を呈してたりもしていたのに、だんだん北岡のイエスマン化していったような気がする。そこはちょっと残念。

北岡と吾郎ちゃんのコンビはBL好きな人たちに人気だったらしい。たしかに、デキているように見えなくもないもんな。
多分BLフィルターは搭載されていないであろう私の目から見ても、吾郎ちゃんは北岡に恋愛感情らしきものを抱いているように見えた。ただし片思い。北岡は令子さんに惚れているので。

吾郎ちゃんが死んだ北岡の後を引き継いでゾルダになるという展開は、私はあまり好きじゃないかもしれない。北岡がいなくなっても強く生きてほしかったな。北岡に殉じるんじゃなくて。


編集長

津田寛治は嫌味な役や悪役が多い印象なので、いい人の役は新鮮だった。何も言わなくてもいろいろ察してくれて、ときどき励ましてくれたりする編集長、いい上司だったな。なにより、あんな仕事ぶりの真司を最後まで見捨てないでいてくれた懐の深さがすごい。
ただし、花鶏にパソコン(しかもデスクトップ)を持ち込んで居座ったりする非常識なところもあるけどね。あれじゃおばさんが怒るのも当然だ。ああいうところはさすが真司の上司だと思った。

津田寛治を最初に見たのは多分映画版「模倣犯」のとき。なんの恨みもない人たちを自分の楽しみのためだけに何人も殺すクソみたいな犯人の役だったんだけど、それがすごい魅力的に見えたんだよな。浅倉には嫌悪感しかなかったのにね。多分、そのキャラというよりは津田寛治の演技に惹かれたんだと思う。
「模倣犯」が公開されたのは「仮面ライダー龍騎」と同じ頃のようだ。こんな180度イメージの違う役を同時期に演じてたっていうのが面白い。


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「ババアが若い女に嫉妬している」という謎の発想

2016年12月11日 | ジェンダー・家族等

なんとなくゲーム雑誌を読んでいたら、『閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH』というゲームの紹介記事を見てしまい、かなりゲンナリさせられた。

HPはこちら。シリーズ物らしいが、他のがどんなのかは全く知らん。巨乳の女の子が沢山出てきてお色気を売りにしていることだけは把握。今回は布地の少ないビキニを着て水鉄砲でバトルをするようだ。

女の子ばっかり出てきてお色気を売りにしているゲームはよくある。戦闘でダメージを受けると女の子の服が破れます、っていうのもありふれている。女の子たちがセクハラされても顔を赤らめるだけで憤怒の表情を浮かべたりしない、っていうのもお約束。
特にコアな層を狙ったわけではない一般向けゲームでも女性キャラだけ妙に薄着だったり男性陣に比べて妙に年齢が若かったりするよな。

そこまではよくあるからまあいいとして。
いや、良くはないんだけど、全然良くないけど、ありふれすぎていてもういちいちツッコむ気力も失せている。

じゃあ何が気になったのかと言うと、バトルの司会進行役のキャラのこと。司会は男女二人組なんだが、男の司会が参加者の女の子にセクハラしまくってて、女の司会がこれに嫉妬するんだよね。「私はまだまだ若いですよ! いえむしろ、いまがちょうど食べごろなの!」とか言って。

ああ、気持ち悪い。そんな女は彼らの頭の中にしか存在しないと分かってなさそうなところがとってもキモい。

彼女も充分若くて綺麗な女性に見えるんだけど、その点は置いておいて。
「ババアが若い女に嫉妬してる、女どもが俺の寵愛を求めて争っている」みたいな壮大な勘違いをしている男って、なぜか少なくないんだよな。
セクハラされるのが羨ましいわけないだろ。不快以外の何物でもないのに何故そんなこともわからないんだ。セクハラされるのは女として認めてもらえた証拠で名誉なこと、みたいに思ってるんだろうなナチュラルに。

この手の人たちには、若い女と彼らが言うところのババアは別の生き物だと思っているようなフシがあるよな。「ババア」にも少女時代はあったし、過去にセクハラなんかで嫌な思いをしてきたりしているのにね。
若くない女性がセクハラを批判するのは別に嫉妬からではなく、若い女性を心配していたり、過去の自分の嫌な思い出と重ね合わせたりしているからなんだけど、すぐ「嫉妬」呼ばわりするような人にはそれがわからないんだな。