場末の雑文置き場

好きなことを、好きなときに、好き勝手に書いている自己満ブログ。

リオ・バドミントン男子シングルスの感想

2016年08月22日 | スポーツ

リオオリンピックで、私が体操以外で一番注目していた外国人選手がマレーシアの英雄、リー・チョンウェイ。バドミントン男子シングルスの選手。
私はバドミントンのことはあまり知らないんだけど、マレーシアという国には興味があった。それで、マレーシアのことをいろいろ調べているうちにリー・チョンウェイのことを知った。

リー・チョンウェイは北京とロンドンの二大会連続で銀メダルをとっていた。どちらも決勝の相手はリンダン。二人は宿命のライバル、という感じのようだ。
マレーシアはオリンピック金メダルをとったことがない。今回、ミックスダブルスと男子ダブルスで決勝に進んだものの、どちらも決勝で敗れている。マレーシア初の金メダルはリー・チョンウェイにかかっていたわけだが。

宿命の相手・リンダンと、今回は決勝じゃなくて準決勝で当たった。この試合はどうしても見たかった。フジテレビで放送すると聞いて楽しみにしていた。なのに、日本選手が出るはずの女子シングル3位決定戦が相手選手の棄権によりなくなったせいか、バドミントンの放送ごとカットしやがった。しかも、フジが放映権を持っているせいでNHKのサイトでもgorin.jpでも見られない。フジテレビに苦情の電話をかけようと思ったくらいにはイラッときた。私ですらそうなんだから、熱心なバドミントンファンならなおさら悔しかっただろう。
なんとかして見る方法はないのか、とTwitterでいろいろ検索してみた結果、この試合が見られるサイトの情報を得て、3セット目から見ることができた。

すごい試合だった。取って取られてのシーソーゲーム。二人とも、どんな鋭い打球でも打ち返してくる。バドミントンのトップ選手同士の試合ってこうなんだ、って感動した。いいもの見せてもらった。日本選手が出てないからってこれを放送しないフジテレビはアホだ。
最後の最後まで、どっちが勝つかわからない状態。接戦を制したのは、リー・チョンウェイ。北京、ロンドンと連敗していた相手に、やっと勝った。
最後、チョンウェイに負けて悔しいだろうにすぐ駆け寄って祝福のハグをしにいったリンダン、かっこよかった。

その翌日行われてた3位決定戦ではリンダンを応援していたんだけど、負けてしまった。前日に比べて、動きにキレがないように見えた。あの激戦での疲労は相当なものだったんだろう。
そして、チョンウェイも……。また、銀メダル。チョンウェイは十分な実力がありながら、世界選手権でもオリンピックでも金メダルを手にしたことがないらしい。無冠の帝王、あるいはシルバー・コレクターか。
今度こそ、と思ったんだが残念。でもチェンロン嬉しそうだったな。それだけ金メダルにかける思いは強かったんだろう。当たり前だけど、勝ちたい気持ちはみんな同じだもんね。勝者がいれば敗者もいる。仕方ない。決勝戦でのチェンロンの動きは素晴らしかったしね。

決勝戦でリー・チョンウェイを応援していた人は日本にも結構多かったみたい。あんなに強い選手なんだから、一度くらいは金メダルをとってほしいって気持ちがあったんだろうな。
やっぱり残念だけど、悔しいけど、33歳でこれだけ出来るって、ものすごいことだと思う。しかも三大会連続銀メダルだよ。素晴らしいよ。

マレーシアは強いスポーツがそんなに多くはないから、その分ものすごい重圧があっただろうな。チョンウェイは前回、期待に応えられなくて申し訳ないと謝っていたらしい。銀メダルという立派な成績だったのに。こういうときになぜか選手が謝罪してしまう文化って、日本だけのものじゃないんだな。マレーシアも同じなんだ。
今回は……謝ったりなんかせずに胸を張って帰国してくれるといいな。


リオ・体操種目別決勝三日目の感想

2016年08月17日 | スポーツ

【平行棒】
ヨウ・ハオを応援していたのでちょっと残念ではあるんだけど、ベルニャエフ良かったね。多分本人としては会心の出来というわけでもないんだろうが、それでも超高得点。練習環境が整ってない割に強いよなウクライナ。ラジビロフもいるし。
加藤は大きなミスっていうのはなかったけど、倒立がどれも綺麗に決まってなかったな。意外に難しいんだね倒立って。点が出る前から、これはメダルは無理だなという感じだった。
そしてヨウハオ……どうしたんだ。今大会、着地がほとんど決まってないよな。団体決勝と種目別の吊り輪、そしてこの平行棒と。ここまで決まらないのはちょっと普通じゃないような。もしかして足を痛めてて踏ん張れなくなってる? 本当はすごい選手なのに、リオではあまり実力を発揮できなくて残念だった。ヨウ・ハオにとってはものすごく辛いオリンピックになったと思うけど、この悔しさをバネにもっと強くなってくれるといいな。
こうなると16.166点を出したという団体戦での平行棒の演技が日本の放送ではカットされてたのが、なおさら痛くなってくる。あの演技すごく見たい。


【女子床】
台風情報で途中で切られて、二人ほど演技を見られなかったのが残念。
村上は、ミスはあったけどいい演技だったと思う。
バイルズは宙返りの高さが異常だった。音楽のリズムにもバッチリ乗ってる。当然ながら点も圧倒的。本当にすごかった。いいものを見た。なんかもう神々しくて、バイルズ様とお呼びしたい。
そのバイルズ様、段違い平行棒以外の全ての種目でメダルをとっている。そのうち四つは金。なんだよそれ。宇宙人かよ。


【鉄棒】
花形種目なのにライブ放送してもらえず、またライスト頼み。今回のオリンピックでは随分ライストのお世話になったな。
一人目のハンビュヘンが高難度の演技を高いクオリティでこなし、そのまま優勝。三回目(多分)のオリンピックで初の金メダル。
二人目のゾンダーランド(前回チャンピオン)は残念ながら落下。でも落ちたところ以外は良かったし、会場も沸いていた。
三人目のウィルソン、会心の演技。着地まできっちり決め、派手なガッツポーズを繰り出す。派手さはないけど、綺麗な演技だった。Eスコアでは一位。難度は高くないが、実施の良さで銅メダル。
リーバは最後に登場。ダイナミックな演技で会場が大いに沸いた。いい演技だったけど、最後は喜ぶと言うよりはホッとしたような表情だった。お父さんのリアクションも、今回はいつもより大人しい気がした。
リーバは銀メダル。Dスコアはハンビュヘンと同じだったけど、実施で負けた。リーバの演技はダイナミックで大好きなんだけど、若干雑さがあるのは事実だからな。


【その他】
優勝者予想をしていたのでここで答え合わせをしてみる。
床   白井❌→ウィットロック
鞍馬  ウィットロック○
吊り輪 リュウ・ヤン❌→ペトロウニアス
跳馬  リ・セグァン○
平行棒 ヨウ・ハオ❌→ベルニャエフ
鉄棒  リーバ❌→ハンビュヘン

正解率3分の1。低いな。それも、どっちも前回の世界選手権のチャンピオンだから当てられて当たり前な感じ。自分の願望を入れすぎたな。でもまさか床は外すなんて思わなかった。


リオ・体操男子種目別跳馬の感想

2016年08月16日 | スポーツ

レベルの高い戦いだった。みんないい演技をしていた。

ちょっとだけ気になったのが、試合前の煽り。あんまり盛らないでほしい。
×金メダルの可能性が高い
○メダルの可能性もある
でしょ。こんなこと言うから、勘違いしてせっかくの快挙なのに「金じゃなくてガッカリ」とか言う人が出てくるんじゃないか。ネットを見ていると、床だけじゃなくて跳馬も白井が金メダル候補筆頭だと思ってた人が結構いるみたいだしな。

正直、白井が跳馬でメダルをとれるとはあまり思ってなかった。それが、見事新技に成功して銅メダル。素晴らしい。
一本目、すごいスコアだったな。金のリ・セグァンとのハグも微笑ましくて良かった。客席の内村のすごく嬉しそうな顔もいい。
そんなに期待されてなかったのが良かったのかもしれないな。床はダントツの優勝候補だったから、気負ってしまったのかも。鋼鉄のハートの持ち主に見えたあの白井でも、やっぱりプレッシャーは感じるんだね。

新技と言えば、ラジビロフも。四回宙返り? D得点は7.0という驚異的な技。うまくいかなかったけど認定はされたね! ナイスチャレンジ!

ドラスレスク、二本目は見事。白井と同点だったけど、一本目で15.833を出した白井に軍配。でもドラグレスクにもメダルとってほしかった。同点なら二人ともメダルでもいいのにな。

金メダルは予想通りセグァンさん。やっぱりさすが。自分の名前のついたD6.4の技を二本という異次元の構成。二本ともきっちり決めてくるところがお見事。特に二本目は良かった。
二位はアブリャジン。一位から三位までは予選通りの順位になったな。

それにしてもセグァンさんはポーカーフェイスだな。あんな見事な演技で金メダルとったんだから、もう少し嬉しそうにしてもいいのに。
でもお疲れさまでした。おめでとう! あの無表情の裏にはものすごい重圧があったんだよね、きっと。

白井は二本目安全策に出たから負けた、もっと攻めていれば勝てた、と思っている人もいるようだけど、それは違うよ。できたらやるよ。できないからやらないんだよ。白井は最大限攻めたんだ。D6.4を二本も揃えられるリ・セグァンが化け物なんだよ。


リオ・体操種目別決勝一日目の感想

2016年08月16日 | スポーツ

種目別決勝の一日目、せっかく頑張って起きたのに白井の出場する床しか放送してくれなかった。しょうがないから女子跳馬と鞍馬と段違い平行棒はライストで見た。
体操で盛り上がってもみんな体操という競技が好きなわけじゃないんだもんね。日本人がメダルをとれるかが一番大事なんだもんね。
でもトランポリンはもっとひどくて、日本人が二人も出場する決勝すらライブ放送してくれなかったからな。体操にはそれに比べれば恵まれてるから文句は言えん。


【男子床】
まさかの結果。床の白井の金は個人総合の内村以上に確実だと思ってたんだが。ウィットロックが金なんて、多分誰も予想できないわ。
白井にしてはかなりぐらついてたな。手こそつかなかったものの、着地での明らかな過失が二回。いつも安定してるから、白井のこういう演技はほとんど見たことなかった。終わった瞬間、点数を見るまでもなく、これではメダルも難しいというのがわかった。ただ、リジョンソンはすごく高かった。
内村も本来の演技ではなかった。ラインオーバーなんて珍しい。でもそれ以外は良かったかな。腰を痛めてるのによくやったと思う。
白井は残念だったけど、銅メダルのマリアノに癒やされた。リアクションがいちいちツボで。演技が終わった後すごく嬉しそうにしてたり、イポリトと抱き合ってたり、地面にうずくまって祈ってたり。最後は嬉し泣きしてたな。なんか可愛い。ダブルメダルでブラジルのみなさんも喜んでることだし、まあ良かったかな。
白井はすごく悔しいだろうが、試合後のコメントは前向きな感じで良かった。若いのにしっかりしてるな。最年少だけど、精神年齢はチームで一番上なんじゃないかな。


【女子跳馬】
跳馬はDPRKのホン・ウンジョンとリ・セグァンでアベック金メダルをとってほしかったんだけど、それはならず。
ホン・ウンジョン、二回目の技で尻をつく。Dスコア6.8も残念ながら認定されず。一本目はD6.4、二本目は(認定されなかったけど)D6.8とバカ高い構成。こういう難しいことやってくれるタイプの選手は好きなので残念。
D6.8に驚いていたらD7.0の大技をやってくる選手が二人も。どっちも綺麗には決まらなかったけど、挑戦してくる姿勢は好きだ。特にチュソビチナは、他の選手とは親子くらい年が離れてるのにすごい。
金メダルはバイルズ。ものすごい安定感だった。さすが女王。得点が出る前から金メダルってわかったもんな。Eスコアが圧倒的だった。二本とも誰よりも高い点を出し圧勝。


【鞍馬】
ウィットロックは既に床で金メダルをとっていたので、二つも金メダルとられるのはなんだか癪だという気持ちになり、スミスを応援していた。私は一応ここでウィットロックの鞍馬金メダルを予想していて、それは当たったもののなんか悔しい。でもお見事! オールラウンダーで鞍馬大得意って面白いなあ。
クキセンコフの開脚旋回では、会場がかなり沸いていた。開脚旋回って派手で好きだ。派手さだったら日本の長谷川もなかなかのものだから、いつか世界選手権の種目別決勝で演技しているところを見てみたい。


海外金メダリストの勝ち方にケチをつける美しい国

2016年08月14日 | 政治・社会

柔道男子100キロ超級の金メダリスト、リネールが日本で叩かれている。ちゃんと組ませてくれなかったとか、こんなの柔道じゃないとかなんとか。
負け惜しみっぽくてみっともないなあ。今あるルールの中で、勝つために一番有効な方法をとるのは当然のことでしょうに。それを卑怯呼ばわりするのはおかしい。

柔道ってなんか気持ち悪いんだよな。報道の仕方も、柔道界も。相撲と似たような違和感がある。
試合の解説で、礼儀がなってないとか海外選手にケチつけたりもしていたらしい。良かった、柔道全く見てなくて。見てたら気分悪くなりそう。

「金メダルをとって当たり前」的な風潮も、日本中心の傲慢な考えだと思う。
日本人が勝てなくなるくらい、世界で柔道が普及してるってことでしょ。日本発祥のスポーツを世界の人がやってくれているということでしょ。いいことじゃないか。昔日本選手が金メダルをとりまくれたのは、日本人以外はほとんど柔道をやっていなかったからなわけで。

日本の柔道界って暴力やセクハラが横行しているイメージがある。彼らが言う「礼儀作法」ってなんなんだ? 上下関係のことなのか?
ガッツポーズしないのが礼儀? そんなことより表彰式で不機嫌そうにしてるほうがよっぽど無礼だわ。

「ガッツポーズなんかしないのが対戦相手への敬意」っていう意見も見るけど、日本の柔道の報道を見ていると、海外選手への敬意なんて微塵も感じられないんだが。優勝した海外選手を讃えているところとか、あまり見た覚えがないなあ。それどころか、柔道スタイルが美しくない、本来の姿じゃないとイチャモンつけまくりじゃないか。

そう思うなら日本だけでやってりゃいいじゃない、剣道みたいに。そんなスポーツのメダルの数に一喜一憂するのもやめたらいい。