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シオニストVSシオニストのアメリカ大統領選

2024年11月10日 | 政治・社会

アメリカ大統領選、ハリスが負けたらしい。そのことに対して大袈裟に嘆いているリベラルを結構見るが、私はトランプとハリスのどちらが勝つかなんてどうでもいい、と前から白けた気持ちで見ていた。

なぜなら、トランプだろうがハリスだろうがイスラエル支持派であることに変わりはないから。イスラエルに武器を送り続け、イスラエルに対する忠誠心はトランプに負けないとアピールする候補を応援する気にはとてもなれない。

もし私がアメリカ大統領選の投票権を持っていたなら、ジル・スタインに投票しただろう。ハリスとは異なり、はっきりとイスラエル批判をしている候補なので。
そういう候補を無視してハリス、ハリスと言い、ハリスが負けて初めてアメリカへの失望を口にする「リベラル」。かれらはイスラエルを支持し続けるハリスの姿には失望しないようだ。

ハリス支持リベラルの怒りの矛先は低学歴やマイノリティ、そしてジル・スタインに投票した人たちに向かっているようだ。一番トランプに投票しているのは白人男女なのに、黒人男性やアラブ系市民の投票行動にばかりケチを付ける。そしてイスラエルへの武器支援をやめる方向で動いていればハリスは勝てたかも知れないのに、当のハリスのことは決して責めない。

ジル・スタインへの投票を利敵行為だとみなして批判する、これと同じような現象は日本でも見られる。小選挙区で立憲民主党と共産党の候補が両方出た場合、「民主党の邪魔をした」共産党およびその候補に投票した人たちを責める立憲支持者の構図。自民党支持者を潰すためには、批判票を全て立憲の候補に集めなければならない、それに協力しない者たちは自民党をアシストしている、とかれらは主張する。そして、かれらにとって野党の統一候補を立てるために退かなければならないのはいつも共産党の候補で、立憲の候補が退くという選択肢は頭にないようだ。

自民も立憲もどちらも右翼政党で大差ない、他の選択肢も用意してくれないと困る、と思っている有権者はそれなりにいるだろう。最悪の選択肢と悪い選択肢だけ用意されて、そのうちの二つから選ぶことを強いられる。そんなものが本当に民主主義と言えるんだろうか。

私はトランプが勝ったことよりも、選択肢がトランプかハリスの二つしかないみたいな空気のほうがずっと嫌だった。二大政党制は本当に欠陥制度だと思う。結局どちらも似たような右派政党になるだけなので。アメリカの民主党が左派政党だと思っている人は大いなる勘違いをしている。

ハリスを選ばなかった連中のせいで、パレスチナはもっとひどいことになる、きっと近いうちに滅びるだろう、と断言する「リベラル」。最悪を避けるために嫌々でもハリスに投票することを選ばなかった親パレスチナ派は愚かだ、と見下す「リベラル」。こういう「リベラル」が実際私の身近にいる。普段パレスチナのことなんてほとんど気にしていないくせに、こういうときだけ心配する振りをしながら攻撃してくる。

これからのパレスチナの状況がより悪くなっていくかそうでないかは、今後の世界の市民の頑張りにかかっている。これでパレスチナは滅びる、と断言するような輩はトランプ支持者と対消滅でもしてくれればいいのに。こういう輩はハリスを選ばなかったマイノリティに罰が当たってほしいと願っているのではないか、とさえ思える。

私はトランプのほうがハリスよりマシな面も全く無いとは言えないと思っている。
バイデンやハリスはイスラエルを諌めるようなポーズもたまにはとるが、武器支援の手は決して止めない。それなのにこのポーズを評価して「アメリカはイスラエルを止めようとしているのにイスラエルが勝手に暴走しているのだ」とアメリカを免罪、擁護するメディアも少なくない。
一方、トランプはあからさまに差別的で品のない発言をしながらイスラエルを支援する。これによりイスラエル支持者の醜悪さが浮き彫りになる。トランプは良くも悪くも正直な分、メディアも批判がしやすい。実際、日本メディアもトランプのときだけはアメリカ大統領の批判を盛んにしていた。

民主党支持リベラルがトランプへの逆張りでイスラエル批判を始める可能性もある。これまでパレスチナの苦境のことなど無視していたくせに、トランプになってから初めて湧いたかのようにこの問題を扱うかもしれない。そんな形であってもイスラエル批判の声が強まることは一応プラスにはなるので、そうなれば世界は少しはマシになるかもしれない。


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