この映画で一番楽しみにしていたのが女ライダー。仮面ライダーファム=仮面ライダー女か。まんまなネーミングだな。まあいいか。
デザインは白鳥の騎士っぽくてかっこいい。王蛇に終始押されっぱなしで弱いけどな。
ファムに変身する霧島美穂のキャラも良かった。あの気の強さとか。職業? が詐欺師っていうのが龍騎のライダーらしい。年齢は18歳っていう設定のようだ。それにしてはかなり大人っぽいな。むしろ芝浦(21歳)のほうが子供に見える。
特に印象的だったのが、その死に様。多分もう立っているのもやっとなのに、真司の前では必死に耐えて大丈夫なふりをして、完全に見えなくなってから力尽きて倒れる。「そろそろ、死ぬか」って、なんでもないことのように呟いて。そして誰にも顧みられずに、孤独に死んでいく。
真司は最後までその死を知らないままってところが、悲しいけどいいんだ。ここは私がこの映画で一番好きなシーン。
この霧島絡みで、今回浅倉に初めてちょっとだけ好感が持てた。彼女が若い美人なのをなんとも思っていなくて、他のライダーに対するのと全く同じ態度で接しているところが。
「女の子にライダーは無理」とか言っちゃう真司や、負い目があるとは言え下手に庇ったりする北岡より好感が持てる。あくまでもこの点だけね。
霧島のお姉さんを殺した件については、元々そういう人だと思ってるからこれで好感度が下がることはないし。これ、一応子供向けだから言及はされてないけど、殺しただけじゃなくて○○○もしてるんだろうな……。
次々とライダーが減っていって「残り○人」と表示されるところは、TV版にはない緊張感を醸し出していて良かった。ここ、ゾルダだけ「死亡」じゃなくて「脱落」なのね。ライダーに変身する事自体をやめてしまうことなんて、できたんだ。真司が一度それをやろうとして自分のモンスターに食われそうになったことがあった気がしたんだが……。
優衣が全ての元凶だったのは予想通り。ただ、真司にもちょっとだけ責任があったっていうのは考えもしなかった。
こんなことになると思っていなかったとは言え「死にたくない」とか優衣に言われても可哀想に思えないな。ライダーたちはまあいいとしても大勢の一般人が優衣のせいで犠牲になってるわけで、潔く死んでくれとしか。最終的にはそうなったけど。
本編では蓮のほうが主人公っぽく見えたり存在感で浅倉に押され気味だったりするけど、この映画では真司がちゃんと主人公らしく見えた。裏真司(=リュウガ)との演じ分けもなかなか良かったと思う。
その分、蓮の存在感が薄くなってしまってはいたけど、ラストでのデレっぷりはとても印象的だった。突然真司のことを「唯一の友」とか言い出したりして。
でも「唯一」か。手塚は……あんなに必死に蓮を追いかけていた手塚は……友じゃなかったのか。ガックリ。
この映画の立ち位置は、今のところよくわからん。TVドラマがまだ半分くらい残っているところで公開された最後のエピソード、らしいことはわかったんだが、TVドラマ版との矛盾がありそうなんだよな。
王蛇が劇場版限定キャラのはずのファムにやられたあたりから、ちょっと頭が混乱し始めて。これはパラレルなのか? って。最終的にタイムベントが発動するのかと思ったらそんなこともなく。まあ、判断するのはTV版の最終回を見てからかな。
女ライダーのファムと裏真司・リュウガは劇場版限定らしい。もったいない。結局、リュウガはなんで存在していてどういう目的を持っているのかわからずじまいだった。
主に私自身の理解力の問題で、ちょっとモヤモヤする部分も残ったけど、総合的には面白かった。期待半分、不安半分で見ていた女ライダーがなかなかいいキャラだったので。欲を言えば、年齢は20代でもう少し強いと良かったかな。