場末の雑文置き場

好きなことを、好きなときに、好き勝手に書いている自己満ブログ。

アニメ版「テイルズ・オブ・ジ・アビス」感想

2016年04月16日 | 漫画・アニメ

ゲームはクリア済みで、もちろんストーリーを全て知っている状態で見た。

ダンジョンでウロウロしている時間を挟まないからテンポがいいし、ゲームの中では狭いマップになっている町の実際の広さが体感できたりしてより世界感をつかみやすくなっていると思う。

アクションシーンはアニメならではの表現で、なかなか良かった。ゲームとはやっぱり印象全然違う。動きまくりの飛びまくり。キャラクターたちの人間離れした身体能力が堪能できた。

作画の評判はあまり良くないようだけど、私はあまり気にならなかった。第12話は作画崩れがひどすぎて話に集中できなかったけど、それ以外の話ではそんなに悪くなかったと思う。
キャラデザは結構好き。ゲーム本編よりこっちのが好みなくらい。イオンはゲームより更に可愛くなっていたし、ギンジのキャラデザも良かった。ギンジ、ゲームプレイ時は存在すらほとんど認識してなかったけど、アニメではまあまあ出番あったな。

ストーリーは、細かい台詞含めほぼゲームに忠実なんだけど、アッシュやナタリアの回想などオリジナルシーンも入っていて良かった。前半はそうでもなかったけど、後半はゲームに比べて大分駆け足になったね。2クールアニメでも駆け足になってしまうくらいの分量のシナリオが一本のゲームに収められていたって考えると、けっこうすごい。

いろいろ短縮したせいなのか、ゲームプレイ時と違ってジェイドがクズに見えなかったり、ディストの不死身っぷりが発揮されずに普通に死んでいたりした。いや、描かれていないだけで実は生きているけど尺の都合で説明を省いてるだけなのかもしれないが。
ディストを倒したときのジェイドの表情が良かった。冷静ぶってるけど、幼友達の死はやっぱり辛いんだなってところが垣間見られて。

ここに限らず、六神将が死ぬシーンの感情移入度はゲームよりアニメのほうが上だった。特にアリエッタやシンクが死ぬシーンは、見ていて涙が出そうになった。二人とも可哀相で。ゲームのときはただの一イベントとして割と淡々と見ていただけだったのに。

ゲーム版ではややわかりにくいと感じたラストシーンも、アニメ版では少しわかりやすくなっていた気がする。ゲーム版にはいなかったミュウも登場して、ミュウの反応から帰ってきたのがどっちなのかなんとなく想像できた。そうか、やっぱりルークは……って切なくなるエンドだったな。


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「天使とアクト!!」第1巻~第4巻感想

2015年12月19日 | 漫画・アニメ

サンデー本誌でも読んでるけど、単行本も出たら買ってしまう程度には好きな漫画。同じ作者の前作「國崎出雲の事情」より面白いと思う。……まあ今のところは。今後どうなるかわからないけど。

前作は、序盤はそうでもなかったけど、話が進んでくるとみんな主人公のことが大好きになって、主人公至上主義みたいな空気になるんだよな。それが苦手で。ブランクありだけど天才だから戻ってきてすぐ名演技ができる、っていうのも鼻についた。
どちらかと言うと、加賀人のほうが応援したくなるキャラだったな。加賀人以外のメインキャラはみんな梨園の御曹司で、結局、血筋が大事なのかなってモヤモヤさせられた。

今回の主人公、アクトはかなり個性的で好き。偉そうで他人を見下していても、根は真面目な努力家だし。邪悪な表情やひどい罵倒語も、主人公っぽくなくてイイ。
幼児相手にムキになるガキっぽさや、身近にいる女の子がどんなに可愛かろうが全く意識しないストイックさも好きだ。恋愛展開はナシの方向にして、最後までストイックでいて欲しいけど、無理なんだろうなあ。今でも恋愛展開の片鱗は見え始めてるし。

前作と一番変わった点は、女性キャラの扱いかな。前作では出雲を霞ませないようにするためか、女性キャラの出番が明らかに抑えられてたんだよな。出雲の幼なじみの女の子も、序盤はちょくちょく出ていたのに段々出なくなっていったし。
今回は女の子の出番も多いし、二人ともちゃんとキャラが立っている。特に天央ちゃんは可愛い。なりが中学生で大人気声優っていうのはあり得なさすぎて、その点はちょっと気にはなるけど。

でも一番好きなところは主人公のキャラとか女の子が可愛いとかそういうところじゃなくて、声優の仕事についての描写かな。全体的にギャグテイストだけど、声だけで演じることの難しさなんかについては真面目にしっかりと描かれている。私はアニメをあまり見ないけど、そういう人でも「お芝居物」として楽しめる。
オーディションの様子もきちんと描写してくれるのがいい。役の解釈についての話が出てきて、同じ台詞でも感情の乗せ方によって受け手の印象が180度変わってしまうっていう話も面白い。

あとは、主人公が急にスターになったりしないところかな。ちゃんと養成所からのスタートで、鍛錬の過程をちゃんと描いてる。
アクトは本当に必死に、がむしゃらに努力しているし、挫折もするし、態度は悪いけど応援したくなる。


「ガラスの仮面」が百合漫画だったら

2015年12月11日 | 漫画・アニメ

「ガラスの仮面」は面白い漫画だと思う。ただ最近は、マヤと速水さんがくっつくのくっつかないのでウダウダやっていて、かなり退屈な展開になっている。
芝居部分は本当に面白いんだけど、恋愛要素が私にとっては邪魔でしかなくて。

恋愛は芸の肥やしになるし、ある程度必要なのかもしれない。それはわかるけど、わかるんだけどさあ。ストイックに演劇に打ち込んでいるマヤの姿が私は好きだったんだよ。

恋愛パートが鬱陶しいのは、速水さんに一ミリも魅力を感じていないせいもあるかもしれない。馬面のロリコンおっさんにしか見えないんだよな。だから速水さんに惚れてるマヤに対しても全然共感できない。
もし速水さんが、恋愛感情抜きでマヤの才能を買っていろいろアドバイスしてくれる頼れる兄貴、的な立ち位置だったら、私も好きになれたかもしれない。反抗的なマヤに対して、芸能界で生きていくための真面目なアドバイスをしてくれるところなんかはかっこよかったし。下心さえなければね。

だけどもし、相手が速水さんじゃなく亜弓さんだったら、恋愛パートも食い入る様に見ていたと思う。ライバル同士で、お互い対抗意識燃やしまくりで、ときには取っ組み合いの喧嘩までしちゃう百合カップル。いいね。萌える。
ヘテロにしろGLにしろBLにしろ、捏造カップルは基本あまり好きじゃないんだが、マヤと亜弓さんの百合妄想はしたくなってしまう。

作者は女性なのに、なんで少女とおっさんをやたらとくっつけたがるんだ。マヤばかりか亜弓さんにまでおっさん(フランス人だっけ? のカメラマン)の魔の手が迫ってきそうな気配がするし……勘弁してくれよ。


「美少女戦士セーラームーン」(漫画版)への違和感

2015年02月02日 | 漫画・アニメ

「美少女戦士セーラームーン」という漫画について。子供の頃、この漫画を結構楽しんで見てはいた。でも言いようのないモヤモヤをずっと感じていた。アニメ版に対しては、登場人物に妙にロリコンが多い点以外には特に文句はない。違和感があったのは主に漫画版。
完結してからもう大分経っているけど、昔自分が違和感を抱いていたポイントについて書いてみる。

一つ目。度が過ぎた主人公至上主義。

主人公至上主義という現象自体は、フィクションではよくあることだと思う。だけどこの漫画のはちょっと耐えられないレベル。主人公さえ良ければそれでいいっていう考えが作品全体に貫かれている感じがして。他の人間がうさぎの幸せのために犠牲になっているように見えるんだ。特にうさぎを守護する四戦士。

四人には自分の人生がない。うさぎのためだけに生きて、うさぎに全てを捧げていて、恋人ができるのもうさぎだけ。
もちろん恋人がいる=幸せでもないし、恋愛至上主義には反対だけど、特に美奈子やまことの場合、本当はそういう願望があるのにうさぎのために諦めてるような感じがして切なくなる。
そして、四人ともそういう状態を自分で肯定している。ほとんど反発はしていない。でもそれが刷り込みのように思えて、なんだか気持ち悪くて。

お姫様とその家来たちだったのは前世のことで、今はうさぎだって一般人のはず。なのに前世に存在していた身分制をずっと引きずっている。そもそも私は子供の頃から王子様とか王女様とかに全く憧れないどころか「ケッ!」と思ってたから、余計にこういうものに反発を感じるのかもしれない。
人は生まれながらに平等なんだ、実際そうじゃなくてもそうあるのが理想なんだと思ってるから、身分制を全肯定されるようなストーリーは好きになれない。しかも共和制のはずの現代日本にまでそういうものを持ち込まれるのがね。

作者が思い入れを込めて特別扱いすればするほど、読んでいる自分の心は主人公から離れていった。
最後には不老不死になって、地球くらいなら軽く破壊できるくらいのすごい力を持って。感情移入できないよそんな主人公。

二つ目。ディストピアにしか見えない未来世界。木も生えない殺風景な都市がまず薄ら寒くて怖い。

うさぎは22歳で女王に即位したらしいんだけど、この共和制の国でどうして突然そんなことが出来たんだろう。これってつまり世界征服だよね。地球を乗っ取って支配したわけだよね。悪役と何が違うんだ?

ブラック・ムーン編は主人公側よりも敵側の方が真っ当に思える。
たしか、不自然な不老長寿の世界と月の一族の支配に反発したために地球から遠い、暗い星に追放された人たちがいて、彼らはその子孫なんだよね。
自分の意見に反対する者を追放って、それ完全に悪役だよ。独裁者だよ。恨まれて当然だ。でもその自覚は全くなくて、自分は正義の側だと思っているのが怖い。

「ネオ・クイーン・セレニティはクリスタルパレスの外に出たことがほとんどない」って言及されているところもどこかにあって、嫌な女王様だなという印象が尚更強まった。自分だけの世界に閉じこもって、国民のことなんか見ようともしない利己的な女王様。
そしてうさぎの家族はどうなったんだろう。夫と子供のことはわかったけど、両親と弟は? それまでいた友達は? 温かい家庭に育って家族との仲も良好だったのに、未来世界では影も形もない。一緒に暮らしているようには見えないし。

納得いかなさすぎていろいろ妄想してしまう。第2部の敵がネオ・クイーン・セレニティとキングだったら、とか。
敵は力を持ちすぎて支配欲の塊になってしまった未来の自分で、ブラック・ムーンと力を合わせてそれを倒す、なんて展開も結構面白そうだと思う。


タキシード変態仮面さま

2014年09月21日 | 漫画・アニメ

「美少女戦士セーラームーン」に出てくるタキシード仮面って、見ていた当時はなんとも思わなかったんだけど、今考えるとすごく面白いキャラクターだ。
最近、ニコニコ動画でタキシード仮面の登場シーンを集めた動画を見たんだけど、笑いすぎて涙が出た。完全にネタキャラじゃないか、これ。
まず登場の仕方が毎回おかしい。なぜかいつも高いところにいる。そして「ぶ~らぶら~!」とか、「私は悪を切り裂く一輪のバラだ」とか、「若い女の子の肌はピチピチしてフレッシュだ」とか、迷台詞のオンパレード。リアルタイムで見ていた頃の自分がこれを当たり前のように受け入れていたのが不思議でならない。

もともと中学生が超ミニスカのセーラー服で戦うっていう大前提からしてツッコミどころではあるんだけれども。自分で美少女とか言っちゃうのもどうかと思うし。でもそれすらも全てどうでもよくなるほどの破壊力を持っているのがタキシード仮面。

昔から、タキシード仮面のことを素敵だとかかっこいいとか思ったことは一度もなかったけど「なんか頼りになる人」くらいのイメージはあった。でも今見たら、突拍子もないところから登場してなんかカッコ良さげな台詞を吐いて去っていくだけ。特に何もしていなかった。

昨日の「セーラームーンcrystal」第6話はそのタキシード仮面にスポットが当たる回だったせいか、いつにも増してツッコミどころが多かった。なぜか上半身裸で寝ている衛とか、無駄にいい体とか、最初からアクセル全開。
気絶している女子中学生を自分の家に連れて帰るって、それは完全にアウトだろ。通報モノだよ。

衛を原作通り高校生設定にしたのは良かったと思う。旧アニメみたいに大学生だと、中学生と付き合っている時点で相当ヤバいロリコンにしか見えない。それに比べれば多少はまともになった。
あくまでも多少ね。高校生でも十分変態だとは思う。

そんなツッコミどころ満載の第6話の中でも一番私の腹筋を刺激したポイントは、衛の通っている高校の偏差値が90ってところだった。これ原作にもあった台詞みたいだね。読んでたけど記憶になかった。