現代日本語「誤」百科 787 人気を一手に集める を、例題にしている。人気を集める とは言わないそうだ。人気は、多い少ないはありえない と説明する。たくさんあるものでならないから、人気を集める は不適切だそうだ。この解説はよくわからない。まず、人気 は、にんき と読む言葉だろうとわかるが、この語は、ひとけ じんき などの読みを持ち、気 のことを言葉に持つ。気がある、気が多い、気を集める など、日本語で特徴のある語句を作りだす。人気 にんき となる場合も、人々の評判についていうときに使う。したがって、気の付く言葉としてはほかの語句との多くの結びつきを作り出す。また、一手に集める、一身に引き受ける、一堂に会する などの慣用句の用法を見ると、一手に引き受けるは、たくさんのものを一人で独占するという意味だから、人気を一手に集める は、人気を独占する と理解してよい。 . . . 本文を読む
日本語に主語がない、と言えば、人目を引いてそれはどういうことかとなる。日本語に主語がある、というのは、当たり前のように聞こえてその事実が分析されない。主語がある文に比べて主語のない文がひとつの文章の中で同じくらいあることを調べてみたら、すぐにもわかることなので、いろいろな文章を単位にして調べてみることを奨める。
いまここで、文に対して文章というまとまりをとらえて主語のあるなしを説明したら、あるべきものがないことがわかる。ということは、文が主語と述語とからできていることをモデルにして、日本語で主語のない文をどう扱うかが議論となるが、それについてはほとんど言及がない。文にはやはり主語がなければならないのである。
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現代日本語「誤」百科 786 幹事長を続投する を、例題にしている。正しくは、幹事長が続投とする と言わなけらばならないと、コラムは説明している。続投する の用法をたとえでとらえている。続投 は、何を続けて何を投げる、また、投手を続ける という分析ができる。日本語表現の熟語にある問題を考えることで詳しく見てみる。幹事長を 投手を 続ける という表現は、続投 という熟語を文法構造にもって、続投する という動詞を構成する。したがって、~を ~を となる言い方は二つ重なって本来は不自然であるが、漢字の熟語を取り入れて日本語表現は、続投する という動詞に、~を と用いることができる。熟語とは何かを考えなければならないが、いまは文法要素が熟語として成立するととらえて、それはいろいろな場合があるが、この 続投する を用いると、この動詞が、~を続ける という内容を含み持つので、その動作主体の表現がおのずと求められ、幹事長が続投する となる。 . . . 本文を読む
主語 日本語文法について その2
日本語に主語はある。それは文とは何か言う規定による。文は主語と述語とからなる、と規定すれば、文に主語があり、日本語に文があるとなれば、もちろん、日本語に主語がある。ただそのときに文には必ず主語がなければならないとすると少し日本語に合わなくなる。主語は目的語、補語という文の要素とともに、それぞれが文の要素になる。
それでは日本語には主語のない文があるのかということで、主語のない文を説明しようとすると、文は必ず主語があってそれを省略することがあると説明してきたのだから、省略をするということは主語があることを前提にしたことだとすれば、文は主語と述語からなるという規定のもとに、主語のない文はない、ということになる。 . . . 本文を読む
現代新日本語百科がカテゴリー内の投稿100にあと2となった。明後日には、達成となる。きっかけをもらったもとの記事は780回を超えているからあと200ほどで1000回になるのだろう。大変な回数だと敬意を払いたい。現代日本語百科はそのネーミングをもらったのは、現代日本「誤」百科という語呂であった。日本語をいくら強調しても日本誤とするのはあまりにも語呂合わせがよくない。強調表現というのはそれが普通になってしまうことがあるので、この強調のカギ附号が取れて、この用語が独り歩きし始めると、すでにこのコラムはその状態にあるので、これはよくないことだ。当初、日本語珍百科としてみたのだけれど、これについても、語呂がよくないなと、あえて表現を飾ることもいらないと、日本語新百科にした。するとこのネーミングがヒットしたのだ、つまり、ほかにないということがわかって、使うことにした。 . . . 本文を読む
現代日本語「誤」百科 785 予定は未定 を、例題にしている。この語句の使い方を字義どおりにその意味を取れば、コラムの解説が言うように、矛盾をしたことを表していておかしな言い回しである。この表現の彩をとらえて用いると、決まったこと、決めようとすることについて、なにも決めていないというふうに聞こえ、その意味内容をあいまいに表現する効果を現わす。一説には軍隊用の語としてこの語句の使われ方を、予定は未定にして決定に非ず、という言い方から出たものと解説するので、予定は未定 とだけ言って、解釈するとすると、この表現が自体がおかしいことだとなるので、気を付けなければならない。 . . . 本文を読む
現代日本語「誤」百科 702 これまでに経験をしたことのない大雨 を、例題にしている。
この例題は気象庁の発表による予報の表現である。ニュースとなって、経験したことのない について議論があった。その後、それほどの大雨を気圧配置で経験しないのか、予報には出ない。コラムの解説は、経験 の意味にあって、この用法への疑義は、経験は重要な意味を持つから、昨日大雨を経験した とは言わないと説明する。だから、事柄を直接知り、自分の記憶として蓄える、離婚や大病なら経験したというのは構わないようだが、離婚も大病もあまり経験したとは言わないだろう。すると、さきの、大雨を経験した というのは言いそうであるがいかがか。昨日というのはさすがに日が浅いから、よほどの大雨である。 . . . 本文を読む
日本語の文法について
日本語の文法について文法とは文の法則または文章の法則とする。文法という用語は近代以降のことで翻訳語として成立した。それまでに日本語を文法としてとらえることがあったか。古代漢語の影響で語法を捉えることはあったであろうし、日本語文典というポルトガル語による解説書が作られ日本語を文法としてとらえることがあった。
文法は考え方である。その考え方を論理として規則にする。文法がどうして必要であるかとその規則を捉えてみると、言語は宇宙と神羅万象のさまざまを表現する言葉であるからその中心となるものを捉えて論理化しようとしてきたようだと思い当たる。それは地域と言葉によって異なる。考え方をそのようにすると、それぞれであるということになる。 . . . 本文を読む
書き方
2013-04-14 | 日記
ネズミの字画、書き順をどうしますかと、言われて、こうだろうと話してから調べたら違っていた。これは申し訳ないとここに書いて反省しておこう。比べるという字が書き順によって3画目は下から上にはねるようだから、とかなんとか言っていたら、以の字も2画目は下から右上に向けてと説明して、書き方によっては続ける場合もあり画数で確かめるとよい、と話していて、ネズミはどうですかとなって、これも同じかなと言ったのが、違っていた。すぐにも手元のスマフォのアプリを見ればよかったことだったと思い、さて、まちがっていましたと・・・ . . . 本文を読む
現代日本語「誤」百科 696 カードはバスにもご利用できます を、例題にしている。どこが誤っているか。これは普通に使う言日本語である。コラムの解説は 敬語表現 と、に の使い方にあるようで、カードはバスでもご利用になれます と言わなければならないそうだ。この敬語については喧々諤々、正しくない用い方だとみんなが言う。多くはコラムのように、規範では、 ご利用します の言いかえとして、できます を用いる場合と同様に見ている。この議論には、利用する側に敬語を用いた表現で言わなければならないとの前提があって、使用を説明する側の視点に立った論理がないことである。ふつうに日本語で使えるとはじめに言ったのは、利用する側使用を説明する側双方に、利用できます というので十分であって、それを丁寧に表現しているから何ら不自然さはない。 . . . 本文を読む