米テネシー州の警察当局が2カ月ほどの捜査で、行方不明だった子どもを150人発見し保護した。これほどの人数が短期間に見つかったのは異例。
当局の3日の発表によると、子どもたちは3~17歳。2週間の集中捜査を3回実施し、州内をくまなく捜した結果、見つかったという。
150人のうち5人は、人身売買の被害者とみられている。別の1人は、誘拐事件の捜査中に保護したという。
あわせて多くの逮捕者も出たとしている。
テネシー州西部地区を管轄するタイリース・ミラー連邦保安官は記者会見で、「今回の捜査によって150人の若者の人生が変わり、すべての子どもが与えられるべき機会を得られることを望んでいる」と述べた。
虐待されていた子も
「ボランティア・ストロング」と名づけられた今回の捜査は、昨年秋に着手。テネシー州全域で、240人の行方不明の子どもを特定した。
これを受け、州捜査局(TBI)、連邦保安官局、州子どもサービス局が協力態勢を組み、全国組織「行方不明者および搾取された子どもたちのためのセンター」も支援に乗り出した。
今年1月から救出を開始。2カ月のうちに150人の子どもを発見した。
当局の話では、救出に至るまでの状況は子どもによってさまざま。家出した子、別家族と生活していた子、虐待や搾取を受けていた子などがいたという。
残り90人の捜索を継続
テネシー州が地盤のティム・バーチェット連邦下院議員は、今回の結果を「奇跡的だ」とした。
同州で昨年発見された行方不明の子どもは、計387人に上った。オハイオ、ヴァージニア、インディアナ、ジョージアなどの州も、行方不明の子どもの捜索に乗り出している。
テネシー州でまだ見つかっていない子ども90人については、引き続き捜索が行われると、TBIのジョシュ・デヴァイン広報官は話した。