棟木のもようを見ていると、苗字、家紋、屋号、縁起物、象徴的な文字の5種類があるように見えます。今回はそのうちの家紋をご紹介します。自分の家の家紋は、紋付や冠婚葬祭ぐらいでしかふれる機会のないもののようですが、調べると面白いもののようです。今までにご紹介した家紋のある棟木は、(1)、(2)にもあります。
井桁(いげた)(河和田町)
井戸の枠を家紋にしたようですが、写真のような斜めの菱形になっているものを井桁、井の字型になっているものを井筒というようです。井戸は生活の最重要な施設なので、家紋にも使われたのでしょう。写真は、井桁のまわりに輪がありますので、丸に井桁という家紋なのでしょう。
沢瀉(おもだか)(加倉井町)
沢瀉は十大家紋の一つだそうで、古くからある家紋の一つのようです。オモダカは田などにはえる水草で、「面高」にも通じたり、葉の形が矢じりに似ているので「勝ち草」ともいわれたことから、武士の家紋として使われたそうです。写真は丸に沢瀉という家紋なのでしょう。
さがり藤(吉沢町)
飛鳥時代の藤原鎌足を祖とする名族・藤原氏が、さがり藤の家紋をつかったことで広まったようですが、藤原氏の流れではそれ以外の紋をつかうことも多かったようです。藤紋ともいうそうで、これも十大家紋の一つだそうです。フジは、長寿だったり、繁殖力のある、花のきれいな植物ということで使われたようです。
七曜(しちよう)(塩崎町)
「曜」は輝くという意味があり、星をあらわしたそうで、七曜は七つの星をいうそうです。北極星を中心にした北斗七星をあらわすようですが、日月火水等の七つを意味するともいわれるようです。写真は丸に七曜という紋なのでしょう。
四つ目(島田町)
目結(めゆい)紋ともいって、鹿の子絞り(かのこしぼり)で見られる四角い模様が紋になったそうです。平安時代からあったらしい古い紋のようです。写真は丸に四つ目という紋なのでしょう。