ぶらっと 水戸

水戸の見て歩き

水戸の扁額(2)

2023-07-27 19:56:12 | 水戸

 はじめの2つは、弘道館、偕楽園をつくった、9代・徳川斉昭の書のようです。3つめは、扁額とはいえないかもしれませんが、斉昭の歌を水戸徳川家13代・徳川圀順が書いた額のようです。

 

藝於游(弘道館 三の丸1-6-29)
 弘道館正庁の南西側にある対試場側の軒下に架けられた額です。「芸に遊ぶ」と読むそうです。これは、論語の「道に志し、徳により、仁により、芸に遊ぶ」の一部で、全体は、「正しい道を志し、徳をよりどころとし、仁によって、六芸を楽しむ」といった意味のようです。六芸とは、礼(礼節)・楽(音楽)・射(弓術)・御(馬術)・書(習字)・数(算術)のことだそうです。

 

茶対(何陋庵(かろうあん) 待合 常盤町1-3-3)
 茶室・何陋庵前にある待合の壁に埋められた3つの額の一つです。「或る人問う。子(し あなたは)茶法を学ぶや。吾(わ)れ対(こた)えて曰(いわ)く 未(いま)だし(まだです)。嘗(かつて)てこれを聞く(以下のことを聞いたことがある)。其(そ)の味や苦くして甘く。其の器や蔬(そ 粗末、簡素)にして清し。其の堂(茶室)や樸(飾りけがない)にして閑(のどか、しずか)。其の庭や隘(あい 狭い)にして幽(奥深い)。其の交りや睦(むつまじい)にして礼(礼節)。しばしば会して費やさず(費用をかけない)。よく楽しんで奢らざる(贅沢をしない)こと かくの如きのみ。其のこれに反する者は(以上のことに反する考えを)吾れ知らざる也」と、自身の心得を主張しているようです。

 

歌額(弘道館 三の丸1-6-29)
 「朝なゆふな 飯くふことに わすれしな めくまぬたみに 恵まるゝ身は」とあるようですが、「朝夕ご飯を食べる毎に、恵まれない民と、恵まれている自分がいることを忘れまい」といった意味のようです。こうした姿勢は、水戸の領民にも広く知られていたようで、斉昭が幕府に処分を受けたときなどに、農民なども数多く雪冤(せつえん)運動に参加しているようです。

 

低区配水塔(北見町2-11)
 昭和7年に下市地区に配水するためにつくられたコンクリート製水道給水塔だそうです。水道技師・後藤鶴松の設計だそうですが、後藤は生まれた自分の子に塔美子という名前をつけたそうです。平成8年に国登録の有形文化財に指定されたそうですが、平成11年まで使われていたそうです。写真のように、「低区配水塔」といういかにも重そうな額が飾られています。

 

相撲道場(水戸第一高等学校 三の丸3-10-1)
 水戸一高の構内にある建物に、「相撲道場 敬義館」というきれいな額がかけられていました。ネットで見ると、相撲部は休部となっているので、今この建物は使われていないかもしれません。

水戸の扁額(1)


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