PROLOGUE
私の3年弱のサラリーマン生活
それは
おもしろ、おかしく
美しく
時に「はかなげ」であった。
当時見た風景
人との触れ合いは強烈で
今も鮮明に甦る。
この記憶が風化する前に
記しておこうと思う。
リーマン太平記
2000年9月
21歳
ゆうすけ:「今日は面接だ。」
「憧れのギャバン・スパイス!」
●この会社しか受けなかった。
ここに入れないのなら絵の道へ進もうと
決めていた。
募集していなかったのだが、しつこく
履歴書を送り続け、面接にこぎ着けた。
ゆうすけ:「やばいっ!」
「遅刻だ!」
●乗る電車を間違え面接時間に遅れてしまった。
その焦りで尿意を催す。
先方でトイレに駆け込むのはどうかと
駅周辺の公衆便所を探す。
その間にも時間は無情に流れていった。
ゆうすけ:「ここ迄きたら堂々といこう!」
●なかばどうでもいいやというノリで
会社へ。
ビルの受付の内線電話の指示通りの部屋へ。
そこでキム部長と出会う。
ゆうすけ:(亀井シズカ+三宅ユウジ)
「よろしくお願い致します。」
●その後の面接の記憶はない。
ゆうすけ:「終わった~!」
「緊張したぜ。」
●学生時代ストレス・フリーの四年間を
過ごしたせいで非常に疲れていた。
会社のビルを出て
ウォークマンを取り出し
ライムスターの「キング・オブ・ステイジ」
をプレイ。
ゆうすけ:「落とすなら落とせや!」
●幸運にも落とされずに済んだ。
しかし、募集の予定は未定とのことで
決まり次第再度連絡と言うなんとも
宙ぶらりんな状態となる。
ゆうすけ:「落ちてはいないが」
「受かる保証もない」
「よし。旅立とう。」
●シルクロードの旅へ出かける。
精神を鍛えるべく西へ。
ゆうすけ:「ん~。」
●帰国。
タクラマカン砂漠の砂の為に
目は赤く、体重は5キロ程減っていた。
帰るなり会社から連絡がなかったか
家族に聴き回る。
ゆうすけ:「電話なかった?」
「手紙とかなかった?」
●音信不通であった。
ゆうすけ:「やれやれ」
「先は長いぜ」
●なんの連絡も無く時は流れていった。
ゆうすけ:「大学4年になったか、ついに。」
「卒業もすぐだな~」
「どうしよう。オレ。」
●そんな最中の健康診断、私は
レントゲンで引っかかった。
ミスかと思って気楽にしていたが
そのままズルズル不運に
飲まれていった。
医者:「結核の疑いがあります。」
ゆうすけ:「なんですと!?」
●私は隔離されてしまった。
その後の一年は入退院の繰り返し。
病院で気になることと言えば
只一つ。
ギャバンからの連絡である。
見舞いにくる家族に聴く。
ゆうすけ:「ねーねー、連絡あった?」
●なしのつぶて。
投与された薬のせいで精神的に
まいってきた。
ゆうすけ:「退院できたはいいが」
「進路は未だ霧の中。」
●幸運にもその後連絡が入り
何度も何度も面接を繰り替えした。
そして
ゆうすけ:「やったぜ~っ!」
「内定!」
●内定式の後
キム部長:「ゆうすけくん、社長の名前分かる?」
ゆうすけ:ドキッ
●分からなかった。盲点だった。
しかし分からないと言う勇気がなかった。
その時の私の頭出て来た文字
ス・ズ・キ!
ゆうすけ:「すずきしゃちょうです。」
キム部長:「塩野っていうんだよ。」
「そこまで意識してなかったか?」
「ハハハハ」
ゆうすけ:(あぶねー)
●雑談で済んでくれて助かった。
危なかった。
そうかあれは釣りバカ日誌の
スーさんか。
鈴木建設か。
私はキム部長が好きである。
いつでも強気な部長が。
つづく
私の3年弱のサラリーマン生活
それは
おもしろ、おかしく
美しく
時に「はかなげ」であった。
当時見た風景
人との触れ合いは強烈で
今も鮮明に甦る。
この記憶が風化する前に
記しておこうと思う。
リーマン太平記
2000年9月
21歳
ゆうすけ:「今日は面接だ。」
「憧れのギャバン・スパイス!」
●この会社しか受けなかった。
ここに入れないのなら絵の道へ進もうと
決めていた。
募集していなかったのだが、しつこく
履歴書を送り続け、面接にこぎ着けた。
ゆうすけ:「やばいっ!」
「遅刻だ!」
●乗る電車を間違え面接時間に遅れてしまった。
その焦りで尿意を催す。
先方でトイレに駆け込むのはどうかと
駅周辺の公衆便所を探す。
その間にも時間は無情に流れていった。
ゆうすけ:「ここ迄きたら堂々といこう!」
●なかばどうでもいいやというノリで
会社へ。
ビルの受付の内線電話の指示通りの部屋へ。
そこでキム部長と出会う。
ゆうすけ:(亀井シズカ+三宅ユウジ)
「よろしくお願い致します。」
●その後の面接の記憶はない。
ゆうすけ:「終わった~!」
「緊張したぜ。」
●学生時代ストレス・フリーの四年間を
過ごしたせいで非常に疲れていた。
会社のビルを出て
ウォークマンを取り出し
ライムスターの「キング・オブ・ステイジ」
をプレイ。
ゆうすけ:「落とすなら落とせや!」
●幸運にも落とされずに済んだ。
しかし、募集の予定は未定とのことで
決まり次第再度連絡と言うなんとも
宙ぶらりんな状態となる。
ゆうすけ:「落ちてはいないが」
「受かる保証もない」
「よし。旅立とう。」
●シルクロードの旅へ出かける。
精神を鍛えるべく西へ。
ゆうすけ:「ん~。」
●帰国。
タクラマカン砂漠の砂の為に
目は赤く、体重は5キロ程減っていた。
帰るなり会社から連絡がなかったか
家族に聴き回る。
ゆうすけ:「電話なかった?」
「手紙とかなかった?」
●音信不通であった。
ゆうすけ:「やれやれ」
「先は長いぜ」
●なんの連絡も無く時は流れていった。
ゆうすけ:「大学4年になったか、ついに。」
「卒業もすぐだな~」
「どうしよう。オレ。」
●そんな最中の健康診断、私は
レントゲンで引っかかった。
ミスかと思って気楽にしていたが
そのままズルズル不運に
飲まれていった。
医者:「結核の疑いがあります。」
ゆうすけ:「なんですと!?」
●私は隔離されてしまった。
その後の一年は入退院の繰り返し。
病院で気になることと言えば
只一つ。
ギャバンからの連絡である。
見舞いにくる家族に聴く。
ゆうすけ:「ねーねー、連絡あった?」
●なしのつぶて。
投与された薬のせいで精神的に
まいってきた。
ゆうすけ:「退院できたはいいが」
「進路は未だ霧の中。」
●幸運にもその後連絡が入り
何度も何度も面接を繰り替えした。
そして
ゆうすけ:「やったぜ~っ!」
「内定!」
●内定式の後
キム部長:「ゆうすけくん、社長の名前分かる?」
ゆうすけ:ドキッ
●分からなかった。盲点だった。
しかし分からないと言う勇気がなかった。
その時の私の頭出て来た文字
ス・ズ・キ!
ゆうすけ:「すずきしゃちょうです。」
キム部長:「塩野っていうんだよ。」
「そこまで意識してなかったか?」
「ハハハハ」
ゆうすけ:(あぶねー)
●雑談で済んでくれて助かった。
危なかった。
そうかあれは釣りバカ日誌の
スーさんか。
鈴木建設か。
私はキム部長が好きである。
いつでも強気な部長が。
つづく