リーマン太平記

2006-03-25 | ライフ
いきなり始めます

リーマン太平記


●晴れて私はギャバンへ入社した。
 自分が社会人であることだけで嬉しかった。
 なんだか変装して会社に潜り込んでいる
 そんな気がしていた。

ゆうすけ:「全てが新鮮だな~」

●私が初めて仕えた上司。
 リッキー次長。

リッキー次長:「これからしばらく私が」
       「君の面倒をみる」

ゆうすけ:「よろしくお願いします」

●第一印象は頭のフワッとした毛であった。
 薄そうな人だな、っと思った瞬間

リッキー次長:「一応、始業時間は9時からだが」
       「明日から君は何時に来る?」

●突如、次長の目が光り鋭い質問が飛んできた。
 何と言うべきか一瞬戸惑ったが、あるアイデア
 が閃いた
 5分前行動!

ゆうすけ:「8時55分には来ようと思います」

●瞬間、次長の表情はくもり

リッキー次長:「なに?」

ゆうすけ:「あ、え、8時には来ようと思います。」

リッキー次長:「新入社員とはな・・・」

●次長はその後、フレッシャーとしての心得を
 説いた。その間私は上の空であったが
 内心で、恐い人だな~と思っていた。

 それができるビジネスマンなのか!と。
 その後、この上司との間に起こる数々の
 ドラマなど、当時の私に想像できるはず
 はなかった。

ゆうすけ:「次長、よろしくお願いします。」


●キム部長の説明によると
 私は研修として、社内の色々な部署を
 しばらく回るとのことだった。
 その始まりが営業部の特販課だった。
 そこのヘッドがリッキー次長だった訳だ。

 特販課のメンバーを紹介しよう。
 「リッキー次長」当時44歳
 「ミヤさん」自称課長 当時推定56歳
 「アライさん」特販課二人めの次長 当時推定62歳
 「アサさん」当時推定46歳
 皆さん角界のエキスパートで、いわゆる傭兵部隊
 のようなところであった。

ゆうすけ:「みんな恐そうだな~」

●そのスペシャリスト達のテーブルのシマは
 あきらかに営業部の中で異彩を放っていた。
 その他の部署、とくに営業一課の若手の
 先輩達を私はちらちら意識していた。
 営業部1、2、3課の平均年齢が35位
 だということを考えると特販課はやはり
 異端だった。
 しかし、私の席はその特販課にあった。
 前に座るおじいさん「アライさん」
 目は会うが一切のコミュニケーションなし。
 
 ひとまず、最初の一週間はスパイスの勉強
 ということで読書だった。
 兼、雑用。
 私としてはソワソワ本を読むよりは
 何かをしていたかったので率先して
 雑用を探していた。

リッキー次長:「おまえ、気が効くな」

ゆうすけ:「ありがとうございます。」


●そんなゆるやかなある日
 雑用ということで営業車の移動を
 頼まれた。初の他の部署との関わり
 嬉しかった。一緒に来てくれたのは
 エビ課長。動かす車は憧れ一課の
 ワナベ課長の車だった。

エビ課長:「悪いね、オレの車出れなくてさ」
     「後ろで見てるから動かしてくれる」

ゆうすけ:「はいっ」

●キーを開け
 乗り込む

ゆうすけ:「ゲッ マニュアル!」

●18歳で免許を取ってからほぼ運転していなかった
 マニュアル車など存在を忘れていた程だ。
 社内の車はオートマと聞いていた。
 だが、一台あったのだ。ワナベ課長の車が。

ゆうすけ:「やばいなー・・・」

     「ま、なんとかなるよ!」

●キーを回した。

 その後の自分の操作は覚えていない

ギャコッギャコッギャコッ!

ゆうすけ:「!」

●車は勝手に進み出した

 私はブレーキを力一杯ふんだ

 ガ ガガガ

 しかし車は止まらず

 歩道へ出た

ゆうすけ:「 」

●車は止まらない


ガガガガ

ドンッ!!!


 電柱に激突し、止まった。
 
 
 私は呆然と運転席に
 へばりついていた。

 エビ課長が飛んできた

エビ課長:「どうした!!」

ゆうすけ:「す、す、すみません」


●その後、色々な人が
 会社からでて来た
 その中心で白い顔をした私は
 もじもじしていた。

ゆうすけ:(もうダメだ。)
     (おしまいだ。)


つづく
 
コメント
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