抱きしめて 夏 6

2008-04-02 | イラスト

はなれた君と、私。


ああ、はなれている。


ふぅ。 さみしいなぁ。


グゥ となった君のおなか。


それは空腹の合図である。


そうだ、何か食事をとろうではないか!


「食事いこうか」と私


君は頷いた。


さぁて、どこへいこうか。


言っておくがこの辺り、私は熟知している。


全てを知っているといってもいい。


計算を巡らす。


ハンバーガーショップにしよう。


私は確認せずに決定した。


何故、君に確認しなかったのだろう。


私たちは再びカローラに乗り込んだ。


なにげにTUBEが続いていた。


「もういいよ」


ポチ


車は軽快に走り出す。


日はまだ天高い。


まだまだ今日は続くぞ。


そして、そばに君がいる。


私は急に恥ずかしくなり


レイバンのサングラスをかけた。


目を隠したので少しホッとする。


よし、今日はチャンスあらば君を抱きしめる。


何度でも。


そう思った瞬間笑えてきた。


いろいろ企む私。


何も知らず座る君。


その君が可哀想になった。


私はこれから突然君を抱きしめるだろう。


何度も。


驚きとともにその瞬間を迎えるのだろう。


その絵を想い描くと悲しく、おかしく


切なくて淡い情景となった。


君の驚いた顔を想像してみた。


思わず吹き出してしまった。


ハッとした。横に君がいるではないか。


咳払いだったことにしよう。


同じような感じで咳払いをしてごまかす。


だがしかし、そこでスイッチが入ってしまった。


君がおかしくてしかたない。


笑うとまずいからなおおかしい。


私はしばらく生きた心地がしなかった。


二人をのせたカローラ


海岸線をひた走る。
コメント (1)
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