スナック・ゆうすけ

2006-02-18 | スナック・ゆうすけ
DAY 21

カラン・・・


客:「どうも~」

ゆうすけ:「いらっしゃい」


     「外は寒いでしょ」

客:「もう、冬だねぇ」

ゆうすけ:「冬ですねぇ。」


客:「生、で。」


ゆうすけ:「はいよぅ」


プシュ~・・・


トン

客:「 」

ゴクっ

客:「く~~~・・・」


ゆうすけ:「  」

客:「  」




客:「歌ってもいいかな?」


ゆうすけ:「どうぞ。」


ゴクっ

客:「 」
  「♪ サーイ・レン・ナ~イ ♪」
  「♪ ホーリィ・ナ~イ ♪」 

ゆうすけ:「  」

シクシク・・・

客:「♪ ホ~シ・ワ~・ヒ~カァリー ♪」



客:「ども。ありがとう。」
  
  「気分も晴れたよ。」


ゆうすけ:シクシク

客:「ごめんね。しんみりさせちゃった?」


ゆうすけ:「いえ、良かったです。」
     「なんか切なくなっちゃって。」

客:「こんな夜もたまにはいいよね。」

ゆうすけ:「そうですね。」

DAY 22

カラン・・・


客:「おー、寒っ」

ゆうすけ:「いらっしゃい」


客:「なんか暖かいのくれる?」


ゆうすけ:「ホット・ココア」
     「なんてどうです?」

客:「えっ、あ、まあ、じゃそれ」

ゆうすけ:「 」

シュボ~・・・・



ボボボ

ゆうすけ:「お待たせしました」

客:「ん、いい香り」

コク

客:「はー。」
  
  「んー。たまにはいいね。ココア」

ゆうすけ:「寒いとこれ欲しくなりますよ」

客:「ふー。」

ゆうすけ:「私も飲もっと」

コク

ゆうすけ:「ふー。」

コク

客:「ふー。」

コク

ゆうすけ:「はー。」

DAY 23

カラン・・・


客:「ご無沙汰~」


ゆうすけ:「どうも」


客:「ここは今年いつ迄?」

ゆうすけ:「実は昨日迄なんすけど」

客:「えっ!?」
  「あ、終わってんだ、もう」

ゆうすけ:「ま、いっすよ。」
     「何します?」

客:「いいの?」
  「じゃその前にトイレ借りるわ」

ゆうすけ:「あ、トイレ終わっちゃってんです」

客:「えー!?何それー!?」

ゆうすけ:「最後の掃除して」
     「お浄めしちゃったんです」

客:「お浄め?」

ゆうすけ:「最後の掃除」

客:「あ、そう。」
  「じゃ、いいわ。駅でするから」
  「そのまま帰るわ。」

ゆうすけ:「そうですか」

客:「浄めたとこへするのもやだしさ」

ゆうすけ:「その方がいいです」

客:「ま、じゃ良い年を」

ゆうすけ:「よいお年を」
     「よいしょんべんを!」

客:「やなこというねー」

バタン・・・

ゆうすけ:「また、ひとりか」

DAY 24

カラン・・・

外国人客:「ア・ハッピー」
     「ニュー・イヤー!」


     「アレ?ダレモ・イナイゾ」


ピラ



外国人客:「ナンダ?コノ・カミハ?」

     「ドレドレ・・・」


紙:「あけましておめでとうございます」
  「昨年をもちまして私退職いたしました」
  「今年はかってにやって下さい」
  「店主 ゆうすけ」

外国人客:「エー!ウッソー!」
     「シンジラレナイ」

     「エー?」


ゆうすけ:「よう。」
     「ティム。」

外国人客:「ユウスケ!?」
     「コレナニヨ!!」

ゆうすけ:「おう。もう店はやめだ。」

外国人客:「ジャナニシニココへ?」
     「ノコノコト」


ゆうすけ:「オレが働くのを止めただけだ。」

     「スナック・ゆうすけは続くよ。」

外国人客:「?」

ゆうすけ:「今日からオレも客って訳だ」

外国人客:「ワカラナイ」

ゆうすけ:「オレだって分からんさ」
     「これからどうなるのか」

     「只、このスペースは」
     「今後も解放されているってこと」

外国人客:「ワタシモ・オーケイ?」

ゆうすけ:「いいよ。もちろん」

     「もう商売じゃないってわけ。」

     「新しいこと始めようぜここでよう」
     「じいちゃんの店でよう。」

外国人客:「アタラシイコト・・・」

     「テロ?」


ゆうすけ:「それはないよね。」

外国人客:「タノシソウデス」

ゆうすけ:「テロじゃないよ。」

外国人客:「ナカマ・ヨビマス」

ゆうすけ:「いいよ。」

外国人客:「カクメイ・シマショウ」


ゆうすけ:「あんた、目がこわいよ。」

DAY 25

カラン・・・


客:「よう。」


ゆうすけ:「よう。」


客:「なに営業しないってほんとなの?」


ゆうすけ:「そのつもりだよ。」


客:「フリー・スペースって訳だ、ここは」


ゆうすけ:「オレの部屋だと思って。」


客:「飲む時はどうすればいい?」


ゆうすけ:「そのビール・サーバーの」
     「上にお金置いといてくれよ。」


客:「あれ?いくらだったっけ?」


ゆうすけ:「どうでもいいよそんなもん」


客:「じゃ20円っと。」


  「よっこいしょっと」


シュポーン・・・


客:「わ!泡が飛んできたっなんだこれっ」


ゆうすけ:「あ、樽が終わったんだ。」

客:「スーツ濡れっちゃったよ・・・」



ゆうすけ:「 」



客:「あーあ」



ゆうすけ:「 」

客:「で、ビールは?」


ゆうすけ:「もうないんだよ。今日は」

客:「やれやれ」


ゆうすけ:「やなら帰れよ」


客:「もうちょっといいじゃない。」

  「で、何してんの?あんた」

ゆうすけ:「考え中。」
     「金の儲け方ね。」


客:「考えてたって金はこないぜ。」

  「老人からのアドバイス・・・」
ゆうすけ:「黙って。」


客:「尖ってるね~。」

  「店やってる時のがいい顔してたよ」

ゆうすけ:「もう!黙って!」
     「帰って!来ないで!」


客:「お~ コワ!」

DAY 26

カラン・・・


客:「どーもー・・・」
  「あれっ」


ゆうすけ:「 」
     スー スー


客:「あらやだ、この人寝てるよ。」


  ジー。


ゆうすけ:「 」
     スー スー



客:「帰ろっと」

バタン!

DAY 27

カラン・・・


客:「おっす。」


ゆうすけ:「よー。」


客:「なに、表の看板?」


ゆうすけ:「原田塾?」

客:「うん。何それ?」

ゆうすけ:「色々考えてさ」
     「教育が一番向いてると思って。」
     「オレにとってね。」

客:「何教えるの?」

ゆうすけ:「思想だよ。」

客:「子供に?」

ゆうすけ:「未来を作るのは子供だぜ。」

客:「で、あんたに思想なんてあるの?」

ゆうすけ:「あるよ。」

客:「へー。」

ゆうすけ:「明治維新の前にはそんな」
     「塾があったらしいよ。」

客:「で、生徒はどうやって集めるの?」

ゆうすけ:「それがさ、名案があってさ!」

     「隣にスポーツ・ジムあるじゃん」
     「そこが先月ヨガ教室始めたんだわ。」

客:「?」

ゆうすけ:「で、それに通うマダムに営業かけてね。」

客:「その子供を預かると・・・」

ゆうすけ:「そいうこと」
     「託児所の感覚。学童?みたいな。」

客:「あんた信用されたんだ。」

ゆうすけ:「ひとり、昔の常連さんでさ。」

     「でもま、今のお母さん方って」
     「自分の生活優先らしいよ。」

客:「そうっぽいよね。」

ゆうすけ:「で、子供一人につき」
     「1時間3千円。ポッキリ。」
     「で、オレが思想を伝授すると。」

客:「コワ~・・・」
  「あんたみたいのが増えると思うと」
  「コワ~・・・」

  「で、いつから?」

ゆうすけ:「もう先週から毎日やってるよ。」

     「今日もやってたし。」

客:「ちょっと面白そう。」
  「今度見に来るわ。」

ゆうすけ:「授業中は立ち入り禁止だから。」

DAY 28

ウィーン・・・

客:「あっ 自動ドア!」


ゆうすけ:「いらっしゃいませ」


客:「えっ、店に戻ったの!?」


ゆうすけ:「ええ。」
     「人生そんなに楽じゃなかった」

客:「やっと気付いたのね。」

ゆうすけ:「1ヶ月もご迷惑かけました。」


客:「ま、私はいいけどさ。」
  「こうやって来てる訳だし」

  「でも常連減ったでしょ」

ゆうすけ:「当然減りましたね。」

客:「どうする気?今後。」

ゆうすけ:「借金ですが、」
     「この店をリニュアール」
     「していくつもりです」

客:「ああ、それで入り口も」

ゆうすけ:「便利でしょ。」

客:「いや、私は前の扉が良かった。」
  「趣があった」

ゆうすけ:「 」

     「え、でもプロの業者が」
     「自動じゃなきゃって」

客:「そりゃその人達商売だもの。」
  「着けさしたいに決まってるじゃん」

ゆうすけ:「うわっ騙された!」

     「なんとか商法?」

客:「そんなレベルじゃなくて、」
  「あんたがアホなんだよ」


ゆうすけ:「そりゃないよ~」
     「いくらしたと思ってんのよ~」


ウィ~ン・・・



外国人客:「ワオ、ジドウ、イイネ!」


ゆうすけ:「でしょっ!!」

DAY 29

ウィーン・・・

客:「わっすごい爆音!」

音楽:♪チャチャチャチャチャチャチャ・・・♪


ゆうすけ:「らっしゃい!」


客:「すごい音だね」

音楽:♪チャチャチャチャチャチャ♪


ゆうすけ:「JBL、JBL」

客:「えっ?」

ゆうすけ:「スピーカー、スピーカー」

客:「えっ?」

音楽:♪チャチャチャチャチャチャチャ♪


客:「ノリノリだね、生ちょうだい」

ゆうすけ:「えっ?」

音楽:♪チャチャチャチャチャチャチャ♪

客:「生、ちょうだい!」


ゆうすけ:「えっ?」

客:「もういいわ!」

DAY 30

ウィーン・・・


ゆうすけ:「いらっしゃい。」


客:「よっ」


ゆうすけ:「何します?」

客:「じゃ、ジン・ライムくれる?」

ゆうすけ:「はい」


客:「きちんとした店に戻って嬉しいよ」

ゆうすけ:「ありがとうございます」


     「ジンライムお待たせしました。」
トン・・・


客:「おっ 。」

グビ

客:「ん~。」

グビ


客:「異常気象だよなー。最近」

ゆうすけ:「ええほんと」

客:「あ、雪だ。」

ゆうすけ:「わっ、急にすごいですね」



客:「わー、凄い降ってきた」
  「この曲のせいじゃない?」

  「誰の曲?」


ゆうすけ:「レミオロメンの粉雪です」

客:「それだよ、きっと。」

ゆうすけ:「そうですかね。」

外国人客:「ワタシコノウタスキ」

ゆうすけ:「へ~。」



外国人客:♪コナ~ ユキ、ネエ♪

DAY 31

ウィーン・・・


客:「ねぇっ、隣の寿司屋つぶれたの!?」


ゆうすけ:「そうみたいですよ。」
     「先月いっぱいだったかな。」


客:「え~、今日あそこの穴子丼食いに来たのに~」


ゆうすけ:「あれうまかったですよね」

     「噛まないでもとろけるって」

客:「オレの知る中では一番の穴子だったよ」

ゆうすけ:「あのタレもね、絶妙で。」

客:「あ~!喰いて~!」



ゆうすけ:「うちのでよければ」
     「食べていきますか?」

客:「あるの?」

ゆうすけ:「レトルトですけど」

客:「もらおうかな。」
  「なんかもう穴子しか喰いたくない気分」


チ~ン・・・

ササッ


ゆうすけ:「はい、お待たせしました」


客:「ん、どれ」


ムニャムニャ




客:「う、うまい!」

DAY 32

ウィ~ン・・・


客:「  」


ゆうすけ:「いらっしゃいませ。」


客:「ここ空いてる?」

ゆうすけ:「ええ。どうぞ。」


客:「ふぅ~。」


  「生で。」

ゆうすけ:「はい」

プシュ~



トン・・・

ゆうすけ:「はい、どうぞ。」


客:「 」

グビ

客:「フゥ~。」

グビ


ゆうすけ:「何かあったんですか?」


客:「  」

  「今日、妻と別れたんだ。」

ゆうすけ:「 、え、ええっ」


     「えええ」

客:「ま、君には分からん問題だよ。」

  「熟年離婚。」

ゆうすけ:「  」

客:「すれ違いの連続さ。」

グビ

グビ

グビ




ゆうすけ:「このキムチ、食べて下さい。」

客:「俺キムチ駄目なんだ、悪いね。」



ゆうすけ:「すれ違いましたね。」

客:「えっ?」

ゆうすけ:「私の気持ち、届かなかった。」

客:「えっ? どういう意味?」

ゆうすけ:「こういう積み重ねが」
     「奥さんには苦痛だったんでしょう。」


客:「食えないもんはしょうがないだろ」

ゆうすけ:「そうかもしれません」

     「私には分かりません。」

客:「分からないなら放っといてくれよ。」

ゆうすけ:「すみません。」

DAY 33

ウィーン・・・


客:「やってます?」


ゆうすけ:「やってますよ。」


客:「良かった入ろ入ろ」

子供:「お腹すいたよ~」

ゆうすけ:「いらっしゃい。」


客:「メニューどこ?」

ゆうすけ:「特に用意してないんですが」



子供:「お腹すいたよ~」


客:「カレー、あります?」

ゆうすけ:「中辛でよければありますよ。」


客:「ダメだわ。子供が食べるんですもん。」

  「お子様プレートなんかないわよね」

ゆうすけ:「ええ。ちょっとそういうのは。」



子供:「お腹すいたよ~」

ゆうすけ:「お向いにマクドナルドありますよ。」


客:「もう我慢できないのよこの子」

ゆうすけ:「ピザ、ありますよ。」

客:「すぐできるの?」


ゆうすけ:「10分少々で。」

客:「だからすぐ食べたいって言ってるでしょっ」


ゆうすけ:「  」



子供:「お腹すいたよ~」

客:「じゃもう、カレーでいいわ!」


ゆうすけ:「はい。」



チ~ン・・・

ササッ


ゆうすけ:「お待たせしました。」


客:「はいはいはい、ノリちゃん」
  「召し上がれ~」

子供:「いただきまーす」



モグモグ


子供:「お母さん、辛いよ~」


モグモグ


子供:「辛いけど美味しいよ。」

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サバイバル

2006-02-18 | ポエム


左にはワニ


右にはライオン


ここはジャングル


強い奴が勝つ

そんな社会


みんな餓えてる


私はミート・ボール


間もなく食われる運命
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プリプリくん

2006-02-18 | ギャグ

プリプリくん?

はいっ!




今日はどこいこうかな~

ホェ~・・・


そうだ。
レストランへいこう。



ホェ~・・・

メニューが沢山ある。

悩むな~。

オレは大人だ。
この全メニュー食うだけの
金は持ってる。

何だって食っちゃうぞ!

フンッ!フンッ!フンッ!

スタミナカレーに決定だ。


ドアを開けよう

ヒィ~ッ!



プリプリ様ですね。

はいっ!

いい席に通してくれよなっ!

フンッフンッ!


うわっ
またトイレの前か。


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変な人

2006-02-18 | イラスト
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ステンバイ・ミー

2006-02-18 | ポエム


君のそばにいさせて

どこだっていい

隅でもいい


そばにいる時
僕は生きていることを
実感する


空気の色が分かる


聴きたい音だけ
聞こえる


自分の気持ちが
真っすぐに出せる


素晴らしいんだよね



♪ブレイク・ダウン・ベイビ♪



無理な理想はしまおう

日々の小さな幸せ
噛み締めるよ


かつて輝いていた過去がある

悲しい時はそれを思い出して
しのごう

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