2022年9月4日
窪美澄さんの「夜に星を放つ」を読み終わった。
窪美澄さんの本を読んだのは初めてだった。
TVで直木賞をとったと放送していたので、
どんな本か気になって、買って読んでみた。
感想は、読みやすくて、心にしみる感じがした。
5編の短編からできていた。
中にはコロナの時代になってからの小説も入っていた。
どの短編も良かったが、最後の星の随(まにま)にの感想を書こうと思う。
主人公の僕は小学4年生で、
春に生まれた弟は海(かい)君といった。
かわいかった。
けれど、本当のお母さんではなく新しいお母さんの子供だった。
本当のお母さんと、お父さんは離婚していた。
理由は教えてもらっていない。
新しいお母さんは、はじめは優しかったが、
そのうちに、学校から帰ってきても、マンションのドアガードがかかっていて、中に入れてもらえなかった。
それを見た近所のおばあさんが、家に入れて休ませてくれていた。
午後5時になるとドアガードは外された。
父親はこのことを知らなかった。
これを読んでいて、切なくなった。
実のお母さんには会えるけれど、決まった日しか会うことができず、
お母さんには、午後5時までドアガードが外されないなんて言えなかった。
最後はお父さんもこのことが分かり、一応ハッピーエンドのようになったけれど、
素直には喜べないなぁと思った。
これが現実なんだろうな。
前後してしまったが、「僕」はいい子だなぁと心から感心した。
5編の小説からできているけれど、よかったです。