ぼくのトランペット

2007-01-16 09:59:26 | エッセイ風
 夕方家にいるとトランペットの音が聞こえてくることがありました。
 でも、パア、パア、パアア~って、曲になってない。ただ音を出してる。色んな音を出す。それをひたすらやってる。

 下手。
 でも、ほぼ毎日、同じくらいの時間になるとやってる。

 上手くなり方から練習してるのかも知れないけど。
 ほぼ毎日、パア、パア、パアア~ってただ音を出す練習をしてるのを聞かされていると。
 大体何処でやってるの?
 ふと思うと、どうもこの近くのマンションの屋上のような気がして。
 近所の住人が毎日上手くなりたくてトランペットの練習をしてるのかしら?

 しかし、毎日、パア、パア、パアア~、ってただひたすら音を出す練習をしてるのを聞かされていると。

 結構、うるさい?

 後になって判ったことですが、それをしていた方は家のマンションの住人の方で、しかも、トランペットを教える講師をしている方だったらしいです。

 ・・・だって、ちゃんとした曲、吹いたことなかったんだもん。
 毎日、パア、パア、パアア~。って音を出すってことしだけしかしてなかったんだもん。
 ちゃんと曲になってる音を聞かされれば判ったと思うんだけど?

 でも、ああして講師をされていても、毎日、発声練習? 発音練習? 音を出す練習はしているんですね。

 今、思うと、いい経験だったかな~。って思う。

 真相が判ったからって言うのもあるけど。
 なんか、ロマンチックな感じさえする。・・・真相が判ったからだけど。

 これがね~、若い青年とかだったら、ドラマになるんでしょうけど、別に中年すぎのおじさんでしたけどね。

 でも、みんなそうして精進してるのね。

 って、実は私も屋上で、発声練習してたことがある。

 でも、屋上の下に住んでいる住人には結構迷惑なことだったりするらしい。
 上は屋上だから、まず人の声や物音がする筈がないっていうのがあるでしょ。それなのにするって言うのは、上に人が住んでいると判っている感覚とは、また違う感覚があるみたい。

 って、私の発声練習も、マンションの下に住む(私はかなり屋上からしたら階下だし)住人や、下手をすれば、通行人まで聞こえていた?

 ・・・。いたんだ。
 それはそれでみっともなかったかしら?

 まだ、のどかだった頃の日本のお話ですね。
 今は屋上に住人といえど勝手にはいることができなくなってますから。
 
 そんな時代もありました。