「松本清張の脊梁」~火曜サスペンス劇場~

2015-09-21 02:00:00 | ドラマ/映画/ドキュメンタリー


 若く美しく青春を謳歌している川田トモ子(池上季実子)には恋人がいた。村尾宗一(清水健太郎)だ。

 村尾はあまり評判のいい男ではなかった。しかし2人は恋に落ち、彼女トモ子は親に女友達の家に泊まりに行くといい、宗一の家に泊まった。


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 2人は激しく愛し合い、眠りについた。

 しかしトモ子は目が覚め、時計を見ると1時25分だった。隣りに眠っているはずの宗一の姿がない。不思議に思いながらも眠気に負け再び目を閉じる。

 トモ子はまた目を覚ます。宗一の姿があった。どこへ行っていたのと尋ねるトモ子に便所だと宗一は答える。宗一は時計を見せる。2時40分を差していた。そしてトモ子は再び宗一から求められ2人は愛し合った。

 朝が来ると、早々とトモ子は家に帰ろうと玄関に行った。

 そしてその光景を見る。

 宗一の靴がきちんと並べられ、昨日きちんと並べて置いたはずのトモ子のサンダルが脱ぎ散らかされていた。不思議に思い、宗一に行くと便所に行く時借りたと宗一は答えた。

 納得できないまま、トモ子は家に急いだ。

 大きく伸びをして、愛する人との夜を朝の光の中にトモ子はそっと胸にしまい家への道を気持ちよく歩く。

 町の巡査に会った。朝の散歩かと聞かれそうだと答えて別れた。

 
 しかし、後でニュースで同じ町内に住む下井竜右衛門夫婦が殺される事件が起きていたことを知る。彼らはめった刺しにされていた。

 宗一の飲み仲間の倉岡が容疑者として連行された。

 宗一は自分が変な疑いがかかるのも嫌だとトモ子に事件の起きた時間、自分がトモ子と一緒に寝ていたと証言してくれと頼まれる。

 しかし事件が起きたと言われる時間、トモ子が目を覚まし、宗一の姿がなかった…。

 トモ子は愛する宗一ために了承する。

 しかし、父や母にあの晩、泊まりに行っていたことが判ってしまい父から激しくふしだらだと叱咤された。

 倉本は宗一も共犯だったと供述した。宗一が逮捕された。宗一はトモ子といたといい、トモ子もそれを認めた。

 しかし、宗一は容疑者として逮捕され、起訴に至り、裁判にかけられることになった。

 トモ子は証人として、宗一の弁護士に頼まれ当然のごとく裁判に証人として出た。


 blog.livedoor.jp(出典)

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 2人は格子越しに会うことしかできなくなった。


 年月は過ぎ去る。

 トモ子は両親から年を考え、他へ嫁ぐことを勧められる。妹が先じゃダメなのという。

 妹には結婚の話があった。妹が先に嫁ぐことになった。


 更に年月は過ぎ去る。


 宗一の弁護士に頼まれ、トモ子はまだ裁判に証人として出続けていた。

 しかしトモ子もいい年だ。

 このまま、黙って宗一を待ち続けることもできない。両親もそれを許さなかった。

 トモ子は事情を理解してくれる男の所へ渋々嫁いでいく。

 最初は上手く行っていたように見えたトモ子の結婚生活だが、いつまでの宗一のところへ通うトモ子の姿を見て、夫となった男は嫉妬に狂う。

 トモ子も開き直り、離婚も覚悟で、宗一の無罪を訴え、街頭に立ちビラを町行く人に渡した。

 トモ子は証人者として何度も同じ証人を法廷で繰り返した。


 その内、宗一の冤罪事件に興味を持った若い女性が宗一を訪ねるようになった。

 トモ子は夫と離婚した。

 次の裁判で刑が決まると言われ、宗一の弁護士からも証人を再び頼まれる。

 宗一の母もトモ子を訪ねてきて、証言内容を変えないように頼まれた。トモ子は変えるつもりなどなかった。

 宗一の母は宗一が出てきたら、トモ子と結婚させると約束した。トモ子の長年の苦労が報われるときが来ようとしていた

 しかし、ある者たちがトモ子を訪ねた。そして、宗一の母はあなたと宗一を結婚させると言ってないという。

 それは嘘だという。トモ子に有利な証言をさせるえさだと囁いた。

 冤罪だと訴え、何度がトモ子が面会に行った時にきていた若い女性との結婚話が進んでいるという。

 もう、若いとは言えない自分をトモ子は振り返った。結婚歴さえある自分を考えた。

 私は騙されていたのだろうかと思い、トモ子は最後になる裁判の証人として立ったとき、彼女自身が長年疑問に思っていた靴のことを、話しだした。

 綺麗にそろえられていた宗一の靴、あれは前の晩脱ぎ散らかされていたはずだった。そしてそろえておいたはずのトモ子のサンダル…。

 その靴のからくりをトモ子なりに考えていたことを話した―――。

 
 宗一は有罪になった。

 トモ子は1人、働きながら生きていた。

 そんなとき、立ち寄った場所で、家に入るいつも宗一の所へきていた女性の姿を見つけ、思わず彼女に初めて話かけた。

 彼女は幸せな奥様として家庭に収まっていた。

 そして、彼女は宗一さんはあなたのことばかり言って、私のことなど目もくれなかったと聞かされた。

 トモ子はそれを聞き、弁護側とは逆の検察側に上手く丸めこまれたことを知る―――――。

 




聖母たちのララバイ 岩崎宏美




 当時の主題歌だった「聖母(マドンナ)たちのララバイ」


 昔はちらりと私も男性を守って母のようになりたいと思ったが、実際大人になると、そんなものにはなりたくないとしみじみ思うようになってしまった。

 どちらかというと、パパが欲しい(昨年父を亡くしましたから)

 そういう奴なんだなと、自分で思っています。



 原作とは違うと思いますから、かなりネタバレさせています。


 女はどんなに愛していても、最後の最後に裏切られるのは自分かも、騙されていたのは自分かもと思ったら、愛している相手でも、身捨てる。

 そういうことを語ったお話ですね。


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