「大阪水曜ほっと集談会」公式ブログ

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森田の言葉

2018年04月11日 23時10分56秒 | コラム 

運命は切り開いていくもの

運命は堪え忍ぶにはおよばぬ。例えば偶然に、山から石が落ちて来た時に、死ぬ時は死ぬ。助かる時は助かる。耐え忍んでも、忍ばなくとも、結局は同様である。我々はただ運命を切り開いて行くべきである。正岡子規は、肺結核と脊椎カリエスで、永い年数、仰臥のままであった。そして運命に耐え忍ばずに、貧乏と苦痛とに泣いた。苦痛の激しい時は、泣き叫びながら、それでも、歌や俳句や、随筆を書かずにはいられなかった。その病中に書かれたものは、随分の大部であり、それが生活の資にもなった。子規は不幸のどん底に有りながら、運命に耐え忍ばずに、実に運命を切り開いていったという事はできないであろうか。これが安心立命ではあるまいか。

(森田正馬全集第5巻、261頁)


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