これはアミの会では無いのか・・・でも割と作家陣のかぶる女性作家による短編集。テーマは「おひとりさま」で、主に齢を重ね紆余曲折の末一人で暮らす女性を主人公にしたもの。
年老いての一人暮らし。近所に不審者がと言う話におびえ、レンタル番犬=リクと暮らすことにした照子。最初は緊張したがリクと暮らす日々はなかなか素敵で。しかし娘息子たちは「ぼったくられじゃないか?」等々と、なんか納得してない模様で。・・・リクと暮らせば:大崎梢
イギリスのアジア系フィギュアスケータに熱を上げるナツ。一方還暦も大分過ぎて自分の健康が気になって、心配性で不整脈持ちだしと24時間看護師とつながれる通信機通称「黄色いペンダント」を契約する。同じマンションの少し年上のカズヨはフィギュアスケートに熱を上げる仲間としてお近づきになったが、推しの違いからちょっと最近アレな感じで。そんなある日、黄色いペンダントに否定的だったカズヨから「今取りに行くから貸してほしい!!」と連絡が入り・・・幸せの黄色いペンダント:岸本葉子
辺鄙な所にこもって一人で黙々と草木染め作家として暮らす十和子。若いころ社会人生活で心と体を壊し一時のつもりで預けられたがそのまま居つくことになった叔父の生業を引き継いだ形。今日は年下の恋人が訪れてくる日だったが、やって来た恋人は意を決しているようで。ついにやってきたその時は・・・永遠語り:坂井希久子
中学教師をする頼子。映画館に行き一人で映画を見るのが好き。夫とはだいぶ前に別れたが、多分自分が夫婦生活に向いてなかった。ある日映画館で想い出のある生徒の母親だった女性に会う。彼女も一人で映画を見に来ていた。あの生徒も27歳になり結婚をすると聞き感慨深い。あの後、彼女は理解の無かった夫と別れ一人で息子を育てたと。当時の事を感謝され、連絡先を交換して・・・週末の夜に:咲沢くれは
老後の楽しみに栃木に家を買い夫婦で暮らし始めた途端逝ってしまった夫。残された千枝子に娘の薫は「お母さんは一人で暮らせっこ無いんだからうちに来い もしくは近所で暮らせ」と強要する。そしてそれを検討せざるを得ない出来事が起こって、近隣にアパートを探しながら薫の家で暮らすが居心地が悪いし、薫たちの真意を知ってしまい・・・サードライフ:新津きよみ
こんな忙しい時に夫の実家からまた野菜が送られてきたと、段ボール箱を目の前に何故かキレ気味のマンション隣人な宍戸さん=ライター。成美はならばと引き取りを申し出たら感謝される。で、それを移動に難儀してたらおすそ分けを考えていた同じくマンション隣人なシングルマザーの三荻野さんがちょうど手伝いにやって来た。その後二人でもらった野菜を調理することになって・・・最上階:松村比呂美
そんな感じの収録作品。やはり軽めの軽食系ですが、中では「リクと暮らせば」と「最上階」が割と良かったかな。他も悪くないです。
プチ面白かったです。
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