恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より
第三章 天上界への道
◆生き地獄とあの世の地獄◆
たった今幸せであったとしても、
次の瞬間に心を苦しめてしまいますと、
心は極楽から地獄へ一挙に転げ落ちてしまいます。
それが長く続き、苦しみの程度が甚だしければ
生き地獄ということになります。
ふつう地獄と称せられるあの世の苦しみの世界は、
肉体がなくなってもなお意識がけが存続し、
生きている時の苦しい心の状態を持ち越したまま、
別の次元に移行した時に、
自らの思いによって展開されてくるものにほかなりません。
宇宙の運行が一秒たりとも休まず、
自然界が変転すること絶え間のないように、
人間の心と身体の細胞組織も一瞬毎に変化しています。
それらが発する波動が常に変化しているとも言えます。
もう怒りっぽい自分は克服できたろう、もう大丈夫と思っていても、
何かの縁に触れてまた激怒してしまったなどということは
誰にでもありそうなことです。
不調和な思いの波にさらわれ、
低い所に転落することから自らの心を守るためには、
出て来た嫌な思いや辛い思いをできる限り早く
切り替えてしまうことです。
そうすれば、まず生きながら味わう生き地獄に喘ぎがなくなります。
魂の修行の場としてのこの世で出会う人々や起きる出来事の縁に触れ、
様々な課題や試練に遭遇することになります。
けれども、それらを乗り越えて行く時、
今迄どうしても乗り越えられず、
自分が直そうとしても直らなかった癖や欠点などがやがて修正できて、
それが自信につながり苦しみは喜びとなります。
私たちは偽我の本当の姿に直面するのを恐れています。
そして、社会で人から期待される、
それぞれの人から都合がいいと見られる自分であろうとして、
仮面をかぶり、偽りの人格をまとってしまいます。
それでいて、自分の嫌な面や醜い面は人から見えないところに
押し隠しています。
それが潜在意識にたまり、
汚れや曇りとなって心の輝きを失わせてしまいます。
生きている間に真実の自己の姿に直面して、
精一杯魂を浄化すべきです。