恩師のご著書「講演集」より
講演集、 一
「悪魔の正体」
先の続き・・・
己が偉大である、己だけが偉い人間である、なぜか?
自分の過去世が偉大であるからである、そのように思い込み、
日々の行いができていなかったならば、これは笑い話しにもなりません。
己が偉いと思い込み、増長慢にとらわれて他を非難中傷して
止むことを知らない心、又、
人の過ちを絶対に許さないで何十年間を過ぎてもなお責め続ける心こそ、
悪魔の正体であると見るべきです。
ブッダはこのような人を真の愚者ときめつけておられます。
人は鏡の前に立てば自分の姿が見えます。
それと同じように、悪魔は良き人の前に出れば己の姿を映し出し、
その人を悪魔だと言い、動物霊はその人を動物霊だと言い、
低級霊はその良き人を低級霊と呼ぶでしょう。
又別の悪魔もあります。
それは私達のこの肉体の五官の感覚、自己保存と自我我欲、
私達が此の世でどうしても乗り越えなければならない偽我こそ、
私達の心の隙を常に狙っている悪魔の正体です。
空腹で堪らない時、誰もいない所に御馳走がおいてあると、
無断でも食べたいなあと思う心、
ブッダは「己に与えられた物以外の何物をも我が物にしてはならない」と
説かれています。
又肉体もそうです。
つらい思いをするより楽をしたい。
働くより、遊びたい、他人より自分が大事である。
みんな偽我です。