恩師のご著書「講演集」より
講演、四
死に際して、私たちが救われるには
先の続き・・・
しかし、そのように亡くなった方の意識にお話しをさせていただきますと、
ほとんど全部の方の肉体の硬直はすぐ解けます。
自分の過去を悔い改めた時に許されるのですね。
この「正しい法」が、いかに有難いかを分からせてもらいます。
九十歳の或るおばあちゃんは、自分の子供たちからさえ、
「死んだら地獄ゆきだ」と確信されていましたが、
死に際して苦しんでいる耳許でテープをかけましたら、
「己が悪かった、自分が悪かった」と言って泣き叫んで、
「神様かんにんして下さい。おのれの生き方が間違っていました」と泣いて泣いて
詫びられたところ、それから痛みがピタッと止まったそうです。
その三日後に極楽往生なさいました。
「ありがとうございました」と言って、安らかに亡くなられたということです。
私たちは、九十年間誤った生活をし、自分の心を苦しめてきましても、
その死に際に心の底から悔い改めた時に、その犯してきた罪は許されるのです。
しかし、九年間のおばあちゃんの日々は苦しかったと思います。
人を信じることができず、出すことは嫌い、貰うことは好き、
「出すものはベロを出すのも嫌い、貰うものは余所に葬式でもほしいなあ」と、
言われていたそうです。
人の悪口は言う、嘘はつく、という人生だったと、
その息子さんが保証するのですから、間違いありませんね。
そのようなおばあちゃんでも、「己が悪かった、神様かんにんして下さい」と
言って、心の底から悔い改めた時、許されて大往生をなさいました。