浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「垂訓」

2023-08-20 00:10:08 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

恩師の御著書「真理を求める愚か者の独り言」より


        第一章、 或る愚か者の生涯

   ◆父母の後ろ姿から学んだ奉仕と布施の実践◆

先の続き・・・

収穫した葡萄からは、腐った粒や成長していないうらなりの粒を、
先の尖ったハサミで摘んで除き(「サビを取る」と言います)、
良質なものだけを箱に詰めて出荷します。
この選り分けの作業を庭先で行うのですが、
母は決まって玄関口の敷居のところに座って、
表を通るかかる人々に「ひとつ食べていっておくんなはれ」と、
いつも見も知らぬ人たちにさしあげておりました。
私の父が偉かったのは、
一年もかけてやっと育てた大切な作物をそのように通りすがりの
見も知らぬ人にあげてしまう母に対して、
いっさい何も言わなかったことです。


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