恩師の御著書「真理を求める愚か者の独り言」より
第一章 或る愚か者の生涯
◆父母の後ろ姿から学んだ奉仕と布施の実践◆
先の続き・・・
よその人も通るのだから、よその人も手伝えばいいのに、
と思うものですが、
そんなことはおかまいなしに父はひたすら
奉仕の実践をしていました。
そんな心を私は小さい時より、
両親からその姿を通して教えこまれていました。
両親ともだからといって、
特に宗教団体に属していたというわけではなく、
私の兄が出征兵士として戦地に赴けば、
無事の帰還を願って神社やお寺に
お参りするなどということがあった程度です。
母は富田林にあるお不動さんに月に一回お参りし、
父は高野山の弘法大師を信仰しておりました。
先祖代々の墓のある菩提寺は、
融通大念仏といって河内と大和一円に門徒を抱え、
阿倍野に大本山を持つ融通念仏宗のお寺です。
今でもお盆の頃の風習を思いだします。
寺にご先祖をお迎えにまいり、
家で三日間おまつりして、
その間は毎晩御詠歌をあげます。
そして、盆明けのみたま送りの時には、
送り火を炊きます。