生涯いちエンジニアを目指して、ついに半老人になってしまいました。

その場考学研究所:ボーイング777のエンジンの国際開発のチーフエンジニアの眼をとおして技術のあり方の疑問を解きます

メタエンジニアの眼(158)洋上風力発電と曖昧文化

2020年01月25日 07時10分11秒 | メタエンジニアの眼
メタエンジニアの眼(158)         
 TITLE: 洋上風力発電と曖昧文化

このシリーズは企業の進化のプロセスを考える際に参考にした著作の紹介です。            
『』内は,著書からの引用部分です。                      
                                                        
書籍名;『洋上風力発電』 [2019] 
著者;特集記事
発行所;週刊東洋経済 発行日;2019.5.18
初回作成日;R2.1.22

 この記事は少し古いが、題名は「洋上風力で先行する台湾、日本に足りないものは何か」で、結論は日本の洋上風力に対する政策の曖昧さを述べている。

 最近の台湾は、強い勢力の大型台風が年に何回も直撃するので、洋上風力は見合わせていると考えていた。しかし、事実は全く逆で、毎年1ギガワットの新設が進められている。長期政策を明言しているので、海外企業が軒並み参加、政府は実証事業や、設置場所近くの海岸に、製造工場用の土地整備まで進めている。大型風力には、現地での組み立て工場が必要になるのだが、日本ではそれすらなかなか進まない。
設置場所の地図が示されており、中国との間の台湾海峡に、10か所が指定されており、そのうち3か所には日本企業も参加している。数年で、原発廃止が可能になる計算なのだ。
台湾は、この政策を日本の福島原発事故を契機に始めたそうで、確かに台湾で同様の原発事故が起こっては大変だし、津波の可能性も高い土地が多い。

 日本の脱炭素政策は、毎年のCOP会議で化石賞表彰されるほど貧弱で、世界中から非難されているのだが、マスコミは敢えて騒がない。太陽光発電は、蓄電池を併設しないので、すでに限界だ。地熱発電も、特例法だけ作って、後は知らんぷり。この記事では、『曖昧な政府目標では経済効果は限定的』とか、『日本には洋上風力に関しての長期的な目標がない。これではメーカーが日本での設備投資に踏み切ることは難しい』と書かれている。

 曖昧イコール平和の思想は、憲法改正論議での主流派になっているのが根源の理由のように思う。最近、と言ってもここ20年ほどなのだが、日本の文化全体が「曖昧」になってゆくのを強く感じている。第一は道路交通法だ。田舎の国道のスピード違反はすさまじい。高速道路と同じで、80km/hで走っていても抜かされる。都内では駐車違反。昔の甲州街道は、違反者は取り締まられたが、昼間でも路肩に駐車し放題。私は、数年前に、50年間続けた無事故無違反記録が途切れた。小海線の見通しの良い単線の踏切で、一時停止違反で捕まったのだ。地元の人の半分は一旦停止をしない、一時間に一本の列車しか通らない、警報機付きの踏切だった。つまり、法律は守らせるためではなく、都合の良いときだけ取締まるための根拠を示しているにすぎないようだ。いじめ防止、幼児虐待、レジ袋有料化、対ロシア外交、原発再開など、曖昧文化は挙げ始めたらきりがない。


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