生涯いちエンジニアを目指して、ついに半老人になってしまいました。

その場考学研究所:ボーイング777のエンジンの国際開発のチーフエンジニアの眼をとおして技術のあり方の疑問を解きます

その場考学との徘徊(62)シャーロック・ホームズの本の中身

2020年01月24日 07時47分19秒 | その場考学との徘徊
その場考学との徘徊(62)     
題名;シャーロック・ホームズの本の中身 場所;東京都 月日;R2.1.23
テーマ;イギリス人 作成日;R2.1.23  
                                              
TITLE:ベイカー街の殺人
コナン・ドイルのシャーロック・ホームズの中でも有名な探偵小説で、中学時代に読んだはずなのだが、ストーリーの記憶は全くない。最近、TVで古いサスペンスドラマを見ることが多いのだが、特殊な場面は覚えがあるのだが、全体のストーリーと結論は記憶外になっていることが多い。歳のせいと思うのだが、探偵モノとは、本来そういうものかもしれない。このブログは、この題名の書籍の紹介になるので、メタエンジニアの眼に該当するのだが、なぜか「徘徊」になってしまった。



 正月に、Book Offが全品30%割引セール(10%だった?)をしていたので、ウオーキングがてら近くの店に寄ってみた。100円均一の棚にこの本があった。買うつもりはなく、中をめくってみた。ストーリーを思い出したかったためである。
 しかし、目次に「ベイカー街の殺人」はなく、10編あまりがあるのだが、なんと作者名がカタカナで色々ある。終わりの方には、「サー・アーサー・コナン・ドイル」の名があるのだが、題名は「シャーロック・ホームズをめぐる思い出」となっている。なんじゃこの本は? そこで、ゆっくりと中身を調べるために買ってしまった。

 「訳者あとがき」には、『現役ミステリー作家による書下ろしホームズ・パロディ・アンソロジーの第3弾』とあるので、先ずは納得がいった。なんでも、世界中に「シャーロッキアン」という人種がいて、このような小説や戯曲が連続的に生産されているらしい。元祖のコナン・ドイル自身もその一人で、思いで話を書いている始末だ。
 
 そこで、短編を読み始めたが、あまり面白くない。そこで、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズをめぐる思い出」を読み始めたが、これも彼が予約した劇場の演目が決まらずに、あわててホームズの話をつくり、上演した経緯が書き出しであり、特に秀作ではない。そこで、本の中の徘徊が始まった。
 ちなみに、この章の作者紹介として、コナン・ドイルは1859年生まれで、エジンバラ大学医学部卒で、ボーア戦争時の野戦病院の外科医、帰国してロンドンで眼科医院を開業。1902年にサーの称号を得た、とある。
 
 面白かったのが、「さて、アーサー・コナン・ドイルから一語」で題名からは彼の発言を思わせるのだが、内容は全く違った。つまり「言」ではなくて、「語」がミソだった。
 内容は、もっぱら「オックスフォード英語辞典(OED)」の歴史になっている。
OEDは1884年に編集が始まり、約200万例の文学作品と新聞雑誌記事から語彙の実例を選び出し、1928年にようやく纏められたとある。その後、1933年から「補遺および引用参考文献目録」を発行し、常に日常の変化をウオッチしているそうだ。
 そこに、コナン・ドイルが大いに貢献しているというわけである。シャーロック・ホームズ物語の「赤毛組合」中には、15385ページのOEDを手書きで転記した人物が描かれているそうなのだが、この筆者は、もっぱらCD-ROM版で見出し語を検索して書いている。
 そこには、彼の小説の中に使われている語彙が無数に示されている。例えば、「thumbless」は「親指の無い」で、「thumb mark」は「母音、親指の指紋」などで、当時はまだ警察では指紋照合は行われていなかった。「地下鉄」をあらわす「underground」も彼が最初に小説の中で使ったそうだ。
 「Sherlock Homes」は勿論見出し語になっていて、「捜査と謎解きを楽しむ者」としての一般名詞とされ、更に「sharlock」は「探偵する」という自動詞になっている。前述の「Sharlockian」も勿論見出し語になっている。さらに、「Sharlockiana」は、「シャーロックホームズ学」とある。「Holmesian」は形容詞で「ホームズのような」の意味。最近では、「watson」も見出し語に加わり、「Watsonian」は、「ワトソンのような性格」を意味するそうだ。
その他、一般的な語も多数語られている。最後は「Wonder-Woman」で「有名な依頼人」の中に出てくる言葉が、世界初とある。

 この書の「徘徊」としての結論は、やはり、イギリス人は思考法が自由で、しかもそれを一つの型にしてしまう、という従来の認識の確認だった。いろいろと非難されるフブレクジットも、私はその一端と評価するのだが、一方で、賭博好きで、極端なバカも侵す海賊人種なので、最終評価は分からない。

 そこで、記憶の徘徊を一つ。
 むかし、「風と共に去りぬ」の続きの小説が大々的に募集されて、当選作が分厚い本で発行された。私は、早速に原書を楽しんだ覚えがある。原作はアメリカ南北戦争だが、続編の舞台は、スカーレットの母国のアイルランドだった。そこは、かつてエンジンの共同開発で一緒だったRolls-RoyceのOBが優雅な暮らしをしている場所で、森の中の彼の家を訪れた時の風景が蘇った。


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