メタエンジニアの眼(191) TITLE:メタ決定論
決定論は色々あるが、最も有名なのは、「古典力学は決定論的な理論であり、初期状態が決まれば、その後の物質の運動は物理法則に従って計算できる。もし世の中の全ての物質の位置や力を知ることができ、その全ての時間発展を計算することのできる知性があれば、未来の全ての状態を知ることができる(ラプラスの悪魔)。古典物理学が正しければ、未来ははるか昔からただ1通りに決まっている。」(wikipediaより)である。
しかし、ここで宗教論から始まって、面白いほどに視野を広げた書籍にであった。書籍名;現代科学から仏法を見る、編者;スタンレー・オオニシ[2001] 第三文明社。である。表紙帯の広中平祐の推薦の言葉に引かれて、読んでしまった。つまり、決定論を、線形,非線形、カオスに分類して、その中での仏教の教義の位置づけを試みてい織る。
副題は「なぜ祈りが叶うのか」で、主に仏教(法華経)の祈りに力があることを、現代科学で説明する。併せて、仏教思想と近代科学の整合性を、線形・非線形理論で解説する。著者は京大卒の物理学者だが、生物物理学を経て、米国の生物医学研究所所長。
なぜ、「メタ決定論」と感じたかは、次の分類による。
線形系;初期値が決まると、将来が定まる
・ギリシャ哲学
デモクリトス;万物の根源はアトム
プラトン;個々の存在の背後には、それを超越した普遍的なイデアがある
アリストテレス;個々のもの自身にイデアが内在する
・ヒンズー教;絶対の自我かあり、それにカルマを足したり,引いたりする(p.39)
・ニュートン、ライプニッツ、デカルトは、『線形方程式によって未来の物体が一義的に決定
されるところに神の意志を見、そして決定論的な世界観を作りました。』(p.190)
非線形系;ちょっとしたことで大きな変化が起こせる(バタフライ効果)
・生命は非線形系 ⇒外部からの刺激、内部からの理性、意志の力で簡単に軌道が変わる(p.39)
・三つ以上の非線形系が同時に働くと「カオス」状態になる(p.177)
・『我々自身の一念の力で不幸なカオスを幸せなカオスへと変換することができるのです。』(p.190)⇒祈りのちから
カオス;決定論的法則に基づきながらも、未来の予知が不可能な、初期条件の変化に極めて敏感な運動をする系(p.177)
しかし、毎回違うところをとおるのだが、全体としては、何か似たことを繰り返す(フラクタル理論)(p.179)
⇒ 自然が創った物は、どの部分を切り取っても、元の図形に似ているという自己相似性を持つ(川の形、雲の形、燃焼炎、植物の葉、太陽系と原子、)
⇒ 宇宙のフラクタル性は仏教の「我即宇宙、宇宙即我」と同義
人間社会は、何によって決定されてゆくか。
天台の九識論とヨーロッパ哲学・心理学の対比(p.73)
・五識 眼耳鼻舌触覚 通常の五感
・六識 合理的思考、潜在意識 デカルト・カントの理性
・七識 自己保存の本能、自我、エゴ フロイトの意識
・八識 個人的な宿業、集合的宿業 ユングの集合的無意識
・九識 宇宙意識、根本浄識 無し(一神教の絶対神?)
自然環境と生命体との間には密接不可分の関係がある「依方不二」(p.116)
50億年前 メタン、アンモニアなどのガス体
38億年前 核酸とアミノ酸が合成(硫黄、鉄、有機物の高熱状態から)
25億年前 嫌気性生物 発酵(解糖反応)による合成
20億年前 大気圏の完成
15億年前 バクテリリア、好気性生物(太陽光により、炭酸額から炭水化物を合成)
4億年前 オゾン層の発達(陸上生物に有害な紫外線の遮断)
結論;
『科学は元来、宇宙の法則を解き明かす学問ですし、その宇宙が生命を持っていて、その宇宙生命の法則を解き明かしたものが仏法ですから、科学と仏教は似ていない方がおかしいのです。』(p.238)
『宿命は生命のカオスとフラクタルとして理解されるでしょう。カオス(宿命)は初期条件とその系の持つエネルギーに敏感に反応します。言い換えれば、各瞬間瞬間の人間の一念と生命のエネルギーによってのみ、宿命を転換し、未来を創造することができるのです。』(p.196)
⇒「西洋思想は線型的で、仏法思想と宇宙は非線形的」
『生命は無数の有機物が、それぞれの持つ個々の法則に従って相互作用をした時に、自然にボトムアップ的に出現した』(p.226)「非線形系における創発現象」
『突然変異や進化は、生命の持つ「非線形性」と「内発性」(すなわち創発)から自然にもたらされる』(p.228) 進化論もひとつの決定論
決定論は色々あるが、最も有名なのは、「古典力学は決定論的な理論であり、初期状態が決まれば、その後の物質の運動は物理法則に従って計算できる。もし世の中の全ての物質の位置や力を知ることができ、その全ての時間発展を計算することのできる知性があれば、未来の全ての状態を知ることができる(ラプラスの悪魔)。古典物理学が正しければ、未来ははるか昔からただ1通りに決まっている。」(wikipediaより)である。
しかし、ここで宗教論から始まって、面白いほどに視野を広げた書籍にであった。書籍名;現代科学から仏法を見る、編者;スタンレー・オオニシ[2001] 第三文明社。である。表紙帯の広中平祐の推薦の言葉に引かれて、読んでしまった。つまり、決定論を、線形,非線形、カオスに分類して、その中での仏教の教義の位置づけを試みてい織る。
副題は「なぜ祈りが叶うのか」で、主に仏教(法華経)の祈りに力があることを、現代科学で説明する。併せて、仏教思想と近代科学の整合性を、線形・非線形理論で解説する。著者は京大卒の物理学者だが、生物物理学を経て、米国の生物医学研究所所長。
なぜ、「メタ決定論」と感じたかは、次の分類による。
線形系;初期値が決まると、将来が定まる
・ギリシャ哲学
デモクリトス;万物の根源はアトム
プラトン;個々の存在の背後には、それを超越した普遍的なイデアがある
アリストテレス;個々のもの自身にイデアが内在する
・ヒンズー教;絶対の自我かあり、それにカルマを足したり,引いたりする(p.39)
・ニュートン、ライプニッツ、デカルトは、『線形方程式によって未来の物体が一義的に決定
されるところに神の意志を見、そして決定論的な世界観を作りました。』(p.190)
非線形系;ちょっとしたことで大きな変化が起こせる(バタフライ効果)
・生命は非線形系 ⇒外部からの刺激、内部からの理性、意志の力で簡単に軌道が変わる(p.39)
・三つ以上の非線形系が同時に働くと「カオス」状態になる(p.177)
・『我々自身の一念の力で不幸なカオスを幸せなカオスへと変換することができるのです。』(p.190)⇒祈りのちから
カオス;決定論的法則に基づきながらも、未来の予知が不可能な、初期条件の変化に極めて敏感な運動をする系(p.177)
しかし、毎回違うところをとおるのだが、全体としては、何か似たことを繰り返す(フラクタル理論)(p.179)
⇒ 自然が創った物は、どの部分を切り取っても、元の図形に似ているという自己相似性を持つ(川の形、雲の形、燃焼炎、植物の葉、太陽系と原子、)
⇒ 宇宙のフラクタル性は仏教の「我即宇宙、宇宙即我」と同義
人間社会は、何によって決定されてゆくか。
天台の九識論とヨーロッパ哲学・心理学の対比(p.73)
・五識 眼耳鼻舌触覚 通常の五感
・六識 合理的思考、潜在意識 デカルト・カントの理性
・七識 自己保存の本能、自我、エゴ フロイトの意識
・八識 個人的な宿業、集合的宿業 ユングの集合的無意識
・九識 宇宙意識、根本浄識 無し(一神教の絶対神?)
自然環境と生命体との間には密接不可分の関係がある「依方不二」(p.116)
50億年前 メタン、アンモニアなどのガス体
38億年前 核酸とアミノ酸が合成(硫黄、鉄、有機物の高熱状態から)
25億年前 嫌気性生物 発酵(解糖反応)による合成
20億年前 大気圏の完成
15億年前 バクテリリア、好気性生物(太陽光により、炭酸額から炭水化物を合成)
4億年前 オゾン層の発達(陸上生物に有害な紫外線の遮断)
結論;
『科学は元来、宇宙の法則を解き明かす学問ですし、その宇宙が生命を持っていて、その宇宙生命の法則を解き明かしたものが仏法ですから、科学と仏教は似ていない方がおかしいのです。』(p.238)
『宿命は生命のカオスとフラクタルとして理解されるでしょう。カオス(宿命)は初期条件とその系の持つエネルギーに敏感に反応します。言い換えれば、各瞬間瞬間の人間の一念と生命のエネルギーによってのみ、宿命を転換し、未来を創造することができるのです。』(p.196)
⇒「西洋思想は線型的で、仏法思想と宇宙は非線形的」
『生命は無数の有機物が、それぞれの持つ個々の法則に従って相互作用をした時に、自然にボトムアップ的に出現した』(p.226)「非線形系における創発現象」
『突然変異や進化は、生命の持つ「非線形性」と「内発性」(すなわち創発)から自然にもたらされる』(p.228) 進化論もひとつの決定論
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