数日前のおはなし。
二胡発表会の前日。
最後の練習を終えて、バス停でバスを待っていた時のことでした。
隣りにいたおじちゃんが、私が担いでいる二胡ケースを指して、「それ、何?」と聞いてきたことから会話スタート。
おじちゃん 「どこの音楽学校卒業したん?」
私 「いやいや、単なる趣味でして・・・」
なんて会話がしばらく続いたその時。
「日本人?」
うっ!!! またこの質問っ!
しかもこの日はおっそろしく空気が汚染されていたので、顔が半分隠れるくらいのマスクをしていたにも関わらず!
私の“目”が日本人ポイントなんやろか・・・?
一気に萎縮してしまった私は、仕方なく小さく「はい・・・」と返事。
楽しく会話していたおじちゃんの態度が豹変したら嫌やな・・・と思っていたら、なんと。
!!!!!
歌いだしたよ、おじちゃん。
(かじりかけのフランクフルトがマイク代わりさ!)
しかも。
日本語の歌!
聞くと、4歳の時に中国にいた日本人に教えてもらったのだとか。
他にも何曲かの歌、簡単な日本語なら今でも覚えているそうな。
さらに、おじちゃん。 しきりに。
「日本人女性、最高! 素晴らしい!」とベタ褒め。
なんでかな・・・と思ったら、おじちゃん曰く。
「日本人女性は、旦那さんが帰宅したら“お疲れ様です”とぺこぺこ丁寧にむかえるでしょ?」
日本人女性の真似をするおじちゃんの図
おじちゃんの日本人女性に対するイメージは、古き良き日本女性の姿らしい。
さて、そうこうしているうちに、おじちゃんのバスが来ました。
それではまたねと、気を付けてねと手を振る私に、おじちゃんは。
「今、国同士は関係がうまくいっていないけど、私たちには関係のないことだからね。 私たちは友達だからね」
と言って、にっこり笑ってバスに乗り込んでいったのでした。
おじちゃん。 ありがとう。
北京生活ももうすぐ2年。
おじちゃんの言葉に励まされ、これからもこの国の良さを探していこう!と改めて思った夜なのでした。