続けて二本、映画を観ました。
一本目はこちら。
《又見奈良(再会の奈良)》
監督は中国人、セリフも基本的には中国語ですが、日本の河瀨直美監督が製作に名を連ねている映画です。
ロケ地はすべて奈良。
中国残留孤児という難しいテーマのこの映画。
ポスターの高齢の女性が、すでに日本に帰国した残留孤児である自分の養女を探しに来日するところから始まります。
孫娘のような存在の若い女性(残留孤児二世)、さらに偶然知り合った元警官(演じるのは國村準さん)と一緒に養女の行方を探すのですが、なかなか手掛かりがつかめない。
ユーモアを交え全体を通して優しい時間が流れる映画。
とは言え、厳しい現実も描かれます。
観客に解釈をゆだねるラストの余韻も良かった。
それにしても、この映画のポスターがとても美しい。
何種類かあるのでご紹介します。
春バージョン。
夏バージョン。
秋バージョン。
冬バージョン。
和紙で作ったようなあたたかみのあるポスター。
日本での公開があるのかわかりませんが(国際映画祭などでは上映されたようです)、機会があれば観ていただきたい映画です。
もう一本はこちら。
《你好,李煥英》
右端の女性が監督&主演を務める映画。
春節、つまり日本でいうお正月映画として封切られかなりの高評価だったので観に行きました。
・・・が。
正直な感想を述べると、まあ、普通だったかな?
ある事故がきっかけで過去へタイムスリップした主人公。
そこで若いころの母親に会い、なんとか母親に喜んでもらうべく奮闘する・・・という様子が笑いあり涙ありで描かれているのですが、どうやらこの主役兼監督の女性は実際に母親を亡くしているとのことで、その思いからこの映画を作ったんだなぁというのは伝わってきました。
ところで。
映画を観たのは平日だったのですが。
ガラガラ。
ぜいたくだ~!
ちなみに封切られたばかりの映画とか週末は、ほぼ満席になることもあります。
そんなガラガラの映画館。
二つ目に紹介しました《你好,李煥英》。 場内も暗くなりいよいよ始まる!というその時。
一人のおばちゃんが私の方にやってきて、一言。
「この映画って、《李煥英》?」
おばちゃんっ!!!
何見るか知らんと来たんかいっ!!!
そうだと答えると、今度は。
「な~んや、それやったら何回も観たわ」
・・・おばちゃん。 一体何しに来たん?
でも結局最後までちゃんと観てたおばちゃんなのでした。