ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『ヤービの深い秋』『すばらしいときー絵本との出会い』

2020-01-21 20:33:33 | 
『ヤービの深い秋』 梨木香歩 福音館書店
 マッドガイド・ウォーターで暮らすヤービたちに、サニークリフ・フリースクールのウタドリ先生に、そして子どもたちに、秋はひとしくおとずれ、深まっていきます。冬ごもりの支度におおいそがしのヤービたちは、博物学者であったグラン・グランパ・ヤービが、ややこし森でみつけたという、まぼろしのキノコ、ユメミダケを探す冒険に出発します。ユメミダケはかわかして粉にして、冬ごもりのときに使うと、夢の中で「たいせつな友だち」に会えるのだといいます。そして、友だちのトリカのお母さんがなやまされている、頭痛の薬にもなるらしいのです。いっぽう同じころ、フリースクールの生徒ギンドロと、ウタドリ先生、庭師のカンヌキさんも、ギンドロの見つけた不思議な手紙に導かれ、テーブル森林渓谷、つまりヤービたちのいうところのややこし森へと向かっていたのでした。
 ヤービシリーズの第二弾。今回も優しいお話。小沢さかえさんのイラストのヤービのかわいいこと!
 「ヤービ、『秋のきもち』を知る」の文は、感動的。長いので引用しないが、ぜひ読んでほしい。また、最後のギンドロの話にはほろりときた。

『すばらしいとき-絵本との出会い』 渡辺茂男 大和書房
 エッツさんとの素敵な出会いを記した、まえがき的な「『もりのなか』との出会い」にはじまり、絵本の情景そのままの、瑞々しい自然に包まれた小島に住む、マックロスキーさん訪問記「メインのある朝」、そして、センダック世界・魅力の読み解き。
 マックロスキーさん訪問記は名文。マックロスキーの絵本『すばらしいとき』の美しい風景が目の前に広がるようで、読みながら、なぜか涙がこぼれた。
 マックロスキー、エッツ等有名な方の名前がいっぱい出てきて、その交流にただただ驚く。
 また、センダックの絵本の読み解きや英文と和訳の対比の説明もすばらしい。訳するのは、ただ文を訳するのではいけない。絵だけでなく、作者の生涯などの背景や文化を頭に入れて訳さないといけないのだとしみじみと思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする