ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『むかしむかしあるところに、死体がありました』『泣かない女はいない』

2021-04-04 16:52:17 | 
『むかしむかしあるところに、死体がありました』 青柳碧人 双葉社
 「浦島太郎」や「鶴の恩返し」といった皆さんご存じの《日本昔ばなし》を、密室やアリバイ、ダイイングメッセージといったミステリのテーマで読み解く全く新しいミステリ!
 昔話の中で殺人事件がおき、昔話の中にあるものを使った奇抜なトリックで犯人を暴き出す。おもしろいし、軽いのですぐに読むことができる。でも、頭の中には何も残らない系のエンタメ。その割には、結構ひねってある。
 私は『密室龍宮城』『一寸法師の不在証明』がおもしろかった。浦島太郎のお話では、竜宮城に行くのは大きな亀だが、いじめられているのは小さな亀だと自分が勝手に思っていることに気づいた。亀にまたがり、竜宮城に行くのだから、いじめられているのは大きな亀のはず。それとも、小さな亀がいじめられていて、助けたお礼にお父さんの大きな亀が竜宮城に連れていったのだっけ?細部を覚えていないという昔話あるある。読み返そう。

『泣かない女はいない』 長嶋有 河出書房新社
 恋をめぐる心のふしぎを描く魅力あふれる短編二編。
 『泣かない女はいない』は、どんどんと恋に落ちていく女の子の気持ちにキュンときた。想いを告げずに、別れた後の場面が美しくて切ない。『センスなし』は、離婚前の奥さんの渇いた心象風景がよかった。それにからめた高校時代のエピソードが効いている。そして、もう一篇『二人のデート』があるはずなのに、見つからない。どこやねん⁉どうやら、表紙のカバー裏にあるらしい。(ネット情報)私が読んだのは、図書館の本なので『二人のデート』は読めず。残念。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする