ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
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『ラスト・ワン』

2015-05-20 14:16:18 | 
『ラスト・ワン』金子達仁 日本実業出版社
書評を読み図書館に予約を入れて、数ヶ月。やっと順番が回ってきたけれども、その頃には書評の中身を忘れている。表紙は、少し気の強そうな感じの美女が座っている。ビリギャルと同じ、また表紙にモデルを使っているのか、どんな本だっけと思っていると、図書館のバーコードの下に義足らしきものが見えた。えっと思ってよく見ると、彼女の片足は、膝から下がなかった。
21歳の中西麻耶さんは、勤務先で倒れてきた鋼材に足をはさまれ、足を切断する。ソフトテニスで国体出場を目指していた彼女は、障害者陸上への転向を勧められる。そして、瞬く間に日本新記録を樹立し、北京パラリンピックに出場。海外アスリートに刺激をうけた彼女は海外へ飛び出し、高みを目指す。だが、義足代など活動資金難に陥った彼女は、セミヌード・カレンダーを発売し、資金調達。しかし、そのことで激しいバッシングが彼女に降りかかってくる。彼女の一途さや行動力は、回りとの軋轢を生み、彼女は回りはすべて敵だと思うほど追い込まれていく。ロンドンのパラリンピックの時は、うつ状態、摂食障害、睡眠障害とボロボロの状態であった。そこで、彼女は、アメリカでのコーチ、アル・ジョイナー(フレーレンス・ジョイナーの夫)の励ましを受け、跳んだのだ。
最後の一文は、衝撃的である。なぜそこまで自分を追い込むのかという答えがそこにはある。そして、パラリンピックで彼女の活躍を見てみたいと思った。
一気読み。よかった。

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