『彼女は頭が悪いから』 姫野カオルコ 文藝春秋
横浜市郊外のごくふつうの家庭で育った神立美咲は女子大に進学する。渋谷区広尾の申し分のない環境で育った竹内つばさは、東京大学理科1類に進学した。横浜のオクフェスの夜、ふたりが出会い、ひと目で恋に落ちたはずだった。しかし、人々の妬み、劣等感、格差意識が交錯し、深夜のマンションで起こった東大生5人による強制わいせつ事件につながってゆく。非難されたのはなぜか被害者の女子大生だった。なぜ、彼女が「東大生の将来をダメにした勘違い女」とまで、ネットで叩かれなければならなかったのか。
被害者を下に見てモノ扱いする事件の描写は、おぞましい限りで気分が悪くなる。その後、被害者を貶めて自己保身に走る東大生や家族の対処の仕方も暗澹とする。しかし、美咲がなぜ被害者になってしまったのかを、丁寧に描きいており、彼女が悪いのではないことがわかる。また、三浦紀子教授の話もよく、救いがある。
いやはや、加害者の特権意識というか、偏差値が低いから何をしてもいいというか、そんな考え方がなんかなあ。いろいろな価値に気付いてほしいけど。
横浜市郊外のごくふつうの家庭で育った神立美咲は女子大に進学する。渋谷区広尾の申し分のない環境で育った竹内つばさは、東京大学理科1類に進学した。横浜のオクフェスの夜、ふたりが出会い、ひと目で恋に落ちたはずだった。しかし、人々の妬み、劣等感、格差意識が交錯し、深夜のマンションで起こった東大生5人による強制わいせつ事件につながってゆく。非難されたのはなぜか被害者の女子大生だった。なぜ、彼女が「東大生の将来をダメにした勘違い女」とまで、ネットで叩かれなければならなかったのか。
被害者を下に見てモノ扱いする事件の描写は、おぞましい限りで気分が悪くなる。その後、被害者を貶めて自己保身に走る東大生や家族の対処の仕方も暗澹とする。しかし、美咲がなぜ被害者になってしまったのかを、丁寧に描きいており、彼女が悪いのではないことがわかる。また、三浦紀子教授の話もよく、救いがある。
いやはや、加害者の特権意識というか、偏差値が低いから何をしてもいいというか、そんな考え方がなんかなあ。いろいろな価値に気付いてほしいけど。
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