ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

「九年前の祈り」「限界点」

2015-04-02 20:23:00 | 
芦屋川に桜を見にいきました。満開です。辛いことがあると、美しい景色を求めて ひたすら歩いたり、山に登ります。自分のことならば、それで気が晴れます。でも、子どものこととなると、美しいものを見ても、ひたすら歩いても、なかなか気が晴れません。

「九年前の祈り」小野正嗣 文藝春秋三月特別号
芥川賞受賞作
昨日のブログで言った「よだきい」「おっちん」が作中に出てきました。ブログを書いた後で読んだ本に、話題にした方言が出てきたので、「おおっ」と思いました。
幼い息子を連れて故郷に戻ったシングルマザーのさなえ。何かのスイッチが入ると大騒ぎする息子を持て余しながら、さなえは、九年前に一緒に旅行にいったみっちゃん姉のことを思い出していた。
おばちゃんたちの明るさ、たくましさがいいです。「子どもは泣くものだ」「手を放しちゃいけん」という言葉が、九年前の思い出と現在のさなえの状況に関わってきます。現実と妄想が一緒になって、わかりにくいところがありますが、私は好きな作品だと思いました。

「限界点」ジェフリー・ディヴァー 土屋晃訳 文藝春秋
連邦機関に属する警護官コルティ。彼は命を狙われた者を守り抜くプロのボディガード。敵はラヴィング。ターゲットを拉致し、拷問によって情報を引き出すして殺すことを仕事としている。二人のプロによる白熱の頭脳戦。
さすが、ディーヴァー。ドンデン返しの連続です。残りページが少なくなっても、もう一波乱あるなとドキドキして読んでしまいます。でも、なんだろうなあ。リンカーン・ライムシリーズと比べるとちょっと物足りないような気がします。コルティがライムほど強烈な個性ではないからかな。
カタカナに弱い私は、登場人物がたくさんいるとわからなくなります。この本には主な登場人物一覧があるので助かりますが、カタカナの地名が出てきたら、どういう事件があった場所だったかなと前を読み返さないといけません。今度から、外国物のサスペンスは自分で地名一覧を作りながら、読まないといけないと改めて思いました。

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