特別展〔国宝〕信貴山縁起絵巻 朝護孫子寺と毘沙門天王信仰の至宝 2016年4月9日~5月22日 奈良国立博物館
入り口には飛鉢と米俵が空中にうかんでいる
●信貴山縁起絵巻(国宝)
毘沙門天の聖地として聖徳太子が創建したと伝えられる信貴山朝護孫子寺。その中興の祖である命蓮をめぐる奇跡を描いた絵巻で、山崎長者巻、延喜加持巻、尼君巻の三巻を展示。
・山崎長者巻・・・托鉢のために命蓮が法力で山崎の長者のもとに飛ばした鉢が米倉をのせたまま空に舞い上がる。鉢を追いかけて信貴山にやってきた長者に命蓮は、米俵のみ返すと約束する。鉢に米俵を一つのせて飛ばすと、他の米俵も連なるように空を飛んで長者の家の庭に落ちた。
倉から飛び出る鉢の空気の流れが描かれているのが現代の漫画のよう。米倉をのせて飛んでいく鉢を見て右往左往している人々や長者の従者が手鼻をかんだり(鼻水の飛び出る様子も線で表されている)草鞋を結んだりするのがおかしい。また、米俵の飛ぶさまが、リズミカル。
・延喜加持巻・・・延喜の帝(醍醐天皇)の病気を治すため、命蓮は、信貴山にいたまま加持祈祷を行う。その祈祷が成就した証として命蓮は、護法童子を飛来させ、帝の病は平癒したという。
護法童子は蓑をかぶっているのだと思っていたら、剣の鎧だと知って驚いた。里山の風景がのどかで美しい。
・尼公巻・・・信濃の国の尼公が東大寺大仏のお告げにより、信貴山へ行き、弟の命蓮と再会する。
乳をほり出して洗濯する女や犬を棒で追い払う男などの市井の人々の風俗がおもしろい。追い払われる犬の白いほうは、吠え声が線で表されている。東大寺の場面では、尼公が祈ったり、うたた寝したりと一つの場面に尼公をたくさん描くことで時間の経過を示しているらしい。
●地獄草紙(国宝)
鉄鎧所では、鉄臼で人間をミンチにしている。キャー、地獄だあ。
●金光明最勝王経金字曼荼羅 第六塔(国宝)
塔がお経の文字で構成されている。すごいと思うが、案外気づかずに素通りしている人が多いみたいだ。
●聖徳太子童形坐像(重要文化財)
色や模様がかなり残っている
●武具類(重要文化財)
楠正成の兜の金具に菊水の模様があり、菊水煎餅(楠正成を祀った湊川神社の前にある菊水總本店の菊水模様のある瓦煎餅・神戸名物)を思い出した。
●武田信玄書状&松永久秀書状
日本史で知っている武将の書状を見ることができてうれしい。武田信玄は字がうまいと思う。
平日の閉館2時間前に入館する。すいていてビックリ。日本三大絵巻の一つが全三巻全場面を展示しているというのに・・・。まあ、ゆっくり見られてよかったけれども。閉館30分前には、信貴山縁起絵巻の前にはほとんど人がいないので、自分のペースでゆっくりとアニメーションを見るように見ることができた。国宝もいっぱいあり、おすすめ。
ちなみに日本三大絵巻とは、信貴山縁起絵巻、伴大納言絵巻、源氏物語絵巻。鳥獣人物戯画を入れると四大になる。絵巻物好きの私は、去年の鳥獣人物戯画、今回の信貴山縁起絵巻と二つ制覇。と思っていたら、2006年に信貴山、源氏物語、鳥獣戯画、地獄草紙を見ていたことが図録から判明。さらに、1990年の日本国宝展で四大絵巻を見ていたこともわかる。・・・。過去に見たものも初めて見たかのように感じることができるのは、幸せなことだと思おう。
入り口には飛鉢と米俵が空中にうかんでいる
●信貴山縁起絵巻(国宝)
毘沙門天の聖地として聖徳太子が創建したと伝えられる信貴山朝護孫子寺。その中興の祖である命蓮をめぐる奇跡を描いた絵巻で、山崎長者巻、延喜加持巻、尼君巻の三巻を展示。
・山崎長者巻・・・托鉢のために命蓮が法力で山崎の長者のもとに飛ばした鉢が米倉をのせたまま空に舞い上がる。鉢を追いかけて信貴山にやってきた長者に命蓮は、米俵のみ返すと約束する。鉢に米俵を一つのせて飛ばすと、他の米俵も連なるように空を飛んで長者の家の庭に落ちた。
倉から飛び出る鉢の空気の流れが描かれているのが現代の漫画のよう。米倉をのせて飛んでいく鉢を見て右往左往している人々や長者の従者が手鼻をかんだり(鼻水の飛び出る様子も線で表されている)草鞋を結んだりするのがおかしい。また、米俵の飛ぶさまが、リズミカル。
・延喜加持巻・・・延喜の帝(醍醐天皇)の病気を治すため、命蓮は、信貴山にいたまま加持祈祷を行う。その祈祷が成就した証として命蓮は、護法童子を飛来させ、帝の病は平癒したという。
護法童子は蓑をかぶっているのだと思っていたら、剣の鎧だと知って驚いた。里山の風景がのどかで美しい。
・尼公巻・・・信濃の国の尼公が東大寺大仏のお告げにより、信貴山へ行き、弟の命蓮と再会する。
乳をほり出して洗濯する女や犬を棒で追い払う男などの市井の人々の風俗がおもしろい。追い払われる犬の白いほうは、吠え声が線で表されている。東大寺の場面では、尼公が祈ったり、うたた寝したりと一つの場面に尼公をたくさん描くことで時間の経過を示しているらしい。
●地獄草紙(国宝)
鉄鎧所では、鉄臼で人間をミンチにしている。キャー、地獄だあ。
●金光明最勝王経金字曼荼羅 第六塔(国宝)
塔がお経の文字で構成されている。すごいと思うが、案外気づかずに素通りしている人が多いみたいだ。
●聖徳太子童形坐像(重要文化財)
色や模様がかなり残っている
●武具類(重要文化財)
楠正成の兜の金具に菊水の模様があり、菊水煎餅(楠正成を祀った湊川神社の前にある菊水總本店の菊水模様のある瓦煎餅・神戸名物)を思い出した。
●武田信玄書状&松永久秀書状
日本史で知っている武将の書状を見ることができてうれしい。武田信玄は字がうまいと思う。
平日の閉館2時間前に入館する。すいていてビックリ。日本三大絵巻の一つが全三巻全場面を展示しているというのに・・・。まあ、ゆっくり見られてよかったけれども。閉館30分前には、信貴山縁起絵巻の前にはほとんど人がいないので、自分のペースでゆっくりとアニメーションを見るように見ることができた。国宝もいっぱいあり、おすすめ。
ちなみに日本三大絵巻とは、信貴山縁起絵巻、伴大納言絵巻、源氏物語絵巻。鳥獣人物戯画を入れると四大になる。絵巻物好きの私は、去年の鳥獣人物戯画、今回の信貴山縁起絵巻と二つ制覇。と思っていたら、2006年に信貴山、源氏物語、鳥獣戯画、地獄草紙を見ていたことが図録から判明。さらに、1990年の日本国宝展で四大絵巻を見ていたこともわかる。・・・。過去に見たものも初めて見たかのように感じることができるのは、幸せなことだと思おう。
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