『鏡の背面』 篠田節子 集英社
薬物依存症患者やDV被害者の女性たちが暮らすシェルターで発生した火災。「先生」こと小野尚子は取り残された薬物中毒の女性と赤ん坊を助けるために死亡。スタッフが先生の崇高な最期を悼むなか、警察から衝撃の事実が告げられる。「小野尚子」として死んだ遺体は、別人のものだった。老舗出版社の社長令嬢、さる皇族の后候補となったこともある優しく、高潔な「聖母」の正体とは……。
500ページをこえる大作だが、グイグイと引き込まれて、一気読み。シェルターの人の悲惨な過去を知り、心を痛める。オカルトっぽい話に引き込まれ、かつて「女」を追っていた記者長島に一喝されて、現実世界に引き戻される。「小野尚子」とは一体何者なのか?どこで、入れ替わってしまったのか?と、すっかり物語にはまってしまった。
ラストに近づくにつれ、他人に入れ替わろうとする一方、自分を崩壊させないために闘う「小野尚子」の姿に壮絶さは増す。
「生まれ直すことはできなくても、生き直すことはできるからね」という麗美の言葉は心に響いた。
薬物依存症患者やDV被害者の女性たちが暮らすシェルターで発生した火災。「先生」こと小野尚子は取り残された薬物中毒の女性と赤ん坊を助けるために死亡。スタッフが先生の崇高な最期を悼むなか、警察から衝撃の事実が告げられる。「小野尚子」として死んだ遺体は、別人のものだった。老舗出版社の社長令嬢、さる皇族の后候補となったこともある優しく、高潔な「聖母」の正体とは……。
500ページをこえる大作だが、グイグイと引き込まれて、一気読み。シェルターの人の悲惨な過去を知り、心を痛める。オカルトっぽい話に引き込まれ、かつて「女」を追っていた記者長島に一喝されて、現実世界に引き戻される。「小野尚子」とは一体何者なのか?どこで、入れ替わってしまったのか?と、すっかり物語にはまってしまった。
ラストに近づくにつれ、他人に入れ替わろうとする一方、自分を崩壊させないために闘う「小野尚子」の姿に壮絶さは増す。
「生まれ直すことはできなくても、生き直すことはできるからね」という麗美の言葉は心に響いた。
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