ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『弧剣の涯て』『木挽町のあだ討ち』

2023-07-23 22:17:45 | 
 なんか疲れた。どうして、きちんとできないのだろう。ちょっと片付ければすむことをズルズルと後回しにしている。こんなんじゃだめだ。でも、できない。そんなときは、とにかく先ず体を動かすのだ 。
 食卓の上のものを片付ける。網戸が汚いと汚れた空気が入ってきて運気が下がるとなんか聞いたことがあるので、網戸を拭いた。ちょっと気持ちが明るくなったような気がする。

『弧剣の涯て』 木下昌輝 文藝春秋
 かつて戦場で名を馳せた宮本武蔵の剣も、時代遅れの遺物になり果てていた。弟子たちは武蔵を見捨て、道場の存続は危ぶまれている。父親の病いも手伝って、借金まみれの生活をするまでに落ちぶれていた。そのとき武蔵の元に「五霊鬼の呪い」の探索の依頼が舞い込む。この呪いをかけられた者は二年以内に死ぬと言われているが、大御所・徳川家康が「呪い」の標的になったというのだ。家康に呪いをかけた者(=呪詛者)を生け捕りにするのが武蔵の役割だという。
 誰が首謀者なのか???刀の行方もあって、二転三転。戦場の臨場感もバッチリ。おもしろいのだが、複雑で理解が追い付かないところもあった。
 ただ、千姫が大阪城から脱出する場面は、はて???史実は、そうなの???
 
『木挽町のあだ討ち』 永井紗耶子
 ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙はたくさんの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者だというひとりの侍が仇討ちの顚末を知りたいと、芝居小屋を訪れるが――。
 直木賞受賞作。文句なしにおもしろかった。最後、そうだったのかと!仇討ちの場面が芝居のように鮮やかだったわけが、きれいに解き明かされる。もういっぺん、読み返したくなる。
 芝居小屋の人たちが、仇討ちの目撃談を語りつつ、自分の人生を語るのが秀逸。不幸な生い立ちや苦労をしてきた人たちの優しさにグっとくる。特に、与三郎さんとほたるさんの話がよかった。ほたるさんの「焼いたらみんな骨になる」がいい。人を見下す奴だって いずれ焼かれて骨になるか。
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