ささやかな幸せ

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 「琳派 京を彩る」の続き テレビ大阪「美の巨人たち」から

2015-11-01 14:00:55 | 美術鑑賞
昨日、テレビ大阪「美の巨人たち」で「夏秋草図屏風」についてやっていた。

昨日、ブログで書いたとおり酒井抱一の「夏秋草図屏風」は尾形光琳の「風神雷神図屏風」の裏に描かれていた。雷神の後ろには、雨にうたれ生気を取り戻した夏草を。風神の後ろには、風に吹かれる秋草を描いている。
「風神雷神図」の下地は金なのに対し、「夏秋草図」の下地は銀。銀は月を表現し、月明かりに照らされる情景を表すとともに、月は亡くなった人を追慕することを表す。つまり、100年前の尾形光琳を指すのだ。
また、左の藤袴は、亡き人を思う象徴。右に描かれる女郎花は、別名「思ひ草」。つまり、「夏秋草図屏風」は、尾形光琳への敬意を表したものであり、粋な感覚をプラスしたものらしい。
私が「琳派」展に行ったときは、「夏秋草図屏風」は展示されていなかったが、11/10より展示される。

過去の放送から。
「下絵鶴三十六歌仙和歌巻」は、13mに137羽の鶴が描かれている。俵屋宗達は鶴の胴体を銀泥で、くちばし・尾羽・足を金泥でと2色のみで画いている。また、一気にかいたので、銀泥がムラになり、それが柔らかさや躍動感や深みを出しているらしい。アニメのように流れる画、視点がさまざまで上から見下ろしたような視点もあることから、私が画にばかり見入って、本阿弥光悦の脱字などを見逃したのもしょうがないかなと思う。書の達人・本阿弥光悦もきっとどうやって負けずに書を書こうかと悩んだだろうな。

酒井抱一の「八橋図屏風」(11/1まで)は、色が鮮やかだという印象しかなかった。メトロポリタン美術館の尾形光琳筆「八橋図屏風」と比べると1.花の数、2.橋の長さ、3.橋の杭の向き、4、葉の色、5.葉の根元の形、6.橋の色、7.花の色、8.酒井抱一のは風が吹いている、が違うそうだ。
杭の向きは、抱一は屏風を立てたときのことを考えて立体的に見えるように工夫している。光琳の葉の色は1色に対し、抱一は2色使いでさわやかさを演出している。橋の色が抱一のほうが緑がかっているのは、時間の経過を表している?
光琳の背景は紙本に金箔をはったものであるのに対し、抱一は絹本に金箔をはっている。絹の織りがあるため、金を貼るとキラキラと光の具合が違うらしい。また、花をいったん墨でぬってから、その上に群青を重ねているらしい。そのことで、群青の深みが増し、葉の鮮やかさが強調されるとのこと。だから、キレイな印象が強かったのか。
抱一の「八橋図屏風」は尾形光琳に敬意を表し、さらに自分が琳派の継承者だということを表明した作品だという。そうだったのか。

こんな解説を聞くと、また「琳派」展に行きたくなってしまう。
宗達・光悦 -100年→ 光琳 -100年→ 抱一・鈴木其一 という「琳派」の流れが「琳派イメージ展」で見た神坂雪佳につながるというのがやっと理解できた。今頃・・・。
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