死

「お亡くなりになられたとの事ですが、、、」
仕事で幾度となく使うこのセリフ

実に言いづらい。
何度しゃべっても噛みまくり。

噛んでも何でもとにかく
話を先に進めなくてはいけないので、
無理やり発音として正しくないであろう
このセリフをたれ流している。


ふと、今日思った。
私が死んだら、一体誰が私の死を周りに事務的に伝えてくれるのであろう

自分には子供いないし、、、
感傷に浸ったりするのでなく、
その時のことを思い描いてみた。

なんだかなぁ、、、

もっと、きちんと自分の身の回りの整理をせねば。
できれば、面倒をかけたくない。

やっぱり、マスコミの指摘するように、
孤独死が増えていくだろう、これからの時代、
そういう肉親のいない独り身の死後の手続き、
色々あるのだ。

そういうことをやる業者、必要だよな。
行政がやってくれる可能性はない。
自分がそういう業者でもやるか？
絶対に必要だな。

今日も、死んだ人の手続きでの電話を受ける。
かわいた事務的な口調で契約者の死を告げる。
こちらも手続き上、必要であるから尋ねる。
「契約者の家は今後どうなるのか？」

たいがいが今後は未定だが、
とりあえず無人の空き家となると返答が返ってくる。

誰もいなくなった無人の空き家。
私がこの仕事を始めてから、
どれだけの数の空き家の発生を聞いただろう。

誰も住む人のいなくなった
雨戸を閉め切った空き家の姿がポツリと浮かぶ。

新聞やニュースで伝える、
高齢化社会、
孤族、
確実に押し寄せていることをひしひし感じる。