茨城から八ヶ岳南麓へどどんぱっ

今までのタイトルがブログの内容に合わなくなってきたので、模様替え。

陶器の奥深さ。

2011-02-21 21:43:44 | Weblog
以前、益子に行ったとき、とってもキレイな
コーヒーカップを2客、購入した。

たぶん、その店は陶芸家の当人が
実際に店で売っていたのだと思われる。

小じんまりした小さな店で
商売気なさそうに個性的な作品が
(売っているというより)置いてあり、
コーヒーカップを購入した際、
ボソボソと何かつぶやきながら、
白い小さな小鉢を一緒に袋に入れてくれた。
サービスでくれたものらしかった。


この小鉢、タダでもらったものだし、
全く自分の趣味ではなかった。
たまたま、この大きさの小鉢がなかったということで重宝し、
食卓に登場する頻度は圧倒的にコーヒーカップより高かった。

そして、
使えば使うほど、この何の思い入れもなかった、
この小鉢の奥深い良さがじわじわと広がっていくことに
自分でも驚いた。

大概は漬物用に浸かっているが、
何を入れても、
この器を使うと料理が実に美味しそうにみえる。
まん丸のボコっとした不揃いの形。
そして、白い色が冷たい白さでなく厚みのある白色で温かい。
つるっとしすぎてない、でこぼこの質感。

そういえば、
と思いだすと、
以前、勤務してた会社で、キッチンのショールームの展示用兼、
料理の実演用に笠間焼の食器を大量に買い込んだ。

ショールームオープン前の忙しい最中だったので、
大して熟考もせず、こんなんでいいか?
程度に適当に同僚とお茶碗とお皿とコーヒーカップを購入した。

だが、これもやはり、そうだった。

粉引のシンプルなつや消しのお茶碗は、
実際に炊き立ての艶々のご飯を盛ると、
実に美味しそうにごはんを引き立てるのだ。
普段食器として置いてある姿は実に地味な姿なのに、
いざ料理に使うと光輝く。

同じく、濃いグレーと黒のツートンのごつごつした大皿は、
実際に料理を盛ると、
何てことのない、どちらかというと失敗してしまった料理を盛っても、
ゆだれが出そうなほど、美味しそうに料理を見せてくれた。

陶器の威力ってすごい。
本来、それは容れ物であるから、確かにどんなに美しくても
料理より目立ってはいけないのだ。
でも、こんなに見事に料理を映えさせてくれる実力に驚いた。


最近、自分は家で和風料理を作ることが、多くなった。
だが、自分の持っている食器が洋食器ばかりということもあり、
先日、通販で小鉢やら、和食器を購入してみた。

ひと目ぼれした、深い青い色が美しい小鉢を購入し、
到着を楽しみにしてたところ、、、

う~ん、、、
ホームページでひと目ぼれした色と形ではない。。。
ま、確かに写真だし、見え方には違いが生じるのは仕方ない。

と、いうより、
陶芸品というのは、本来、作家の方々が自分の思った色が出ない!
だのそれほどに色にも形にも拘って作る作品のはずなのだ。
それを通販の写真で見て買う、
という行為自体に無理があるのだ。

ホームページには色々な作家の方々の作品の販売もあったが、
本当に作品を拘って作っていらっしゃるのなら、
ホームページで販売をするのは自分の作品の価値を自分で下げているようなものだと思う。

光の当たり方で僅かな表情の違いを見せる陶器の質感や、
触った感触。
実際に手にもったときのスケール感。
そして、もちろんその陶器の微妙な色づかい。

それは実際に作品を見て、手にとってみないとわからない。

以前、適当に選んでも、その作品の底力に驚いたこともあるが、
自分が気に入って購入したものが、思い描いたものと違っているのは別なことだ。
(というより、その底力のある陶器は実際に笠間の陶芸工房の店に足を運んで選んだのだが)

幸いにも自分の家は笠間も益子も近いんで、近いうちにじっくりと時間をとって、
気に入った小鉢や丼を見つけにいこうと思う。

今回、インターネットで購入した小鉢はいちおう陶芸工房のものだったが、
100円ショップで買ったといっても通じそうな感じがする。
ただでもらった我が家の白い小鉢の
使えば使うほど味わい深さが沸いてくる陶器とは大違いで残念だ。

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