☆第1話『妹』(1976.1.6.OA/脚本=倉本 聰/監督=小沢啓一)
殺人を犯して逃走中の暴力団員(石橋蓮司)を逮捕すべく、彼の妹(水沢アキ)に協力を要請する城西署の黒岩刑事(渡 哲也)たち。カタギのOLで、しかも結婚間近の大事な時期である妹は、頑なに捜査協力を拒みます。
そんな彼女に、自分の妹=恵子(仁科明子)への想いを重ね、苦悩する黒岩。
黒岩は捜査第四課の所属、つまりマルボー(暴力団絡みの事件担当)である為にヤクザの恨みを買い、妹の恵子を輪姦されてしまった!という、暗いにも程がある過去を背負ってる。
恵子にも恋人がいた筈なのに、最近どうやら別れてしまったらしい。もしかすると、それも例の過去が原因なのかも………
どうですか、重いでしょう? 暗いでしょう? 地味でしょう? スーパーマシンをぶっ飛ばしながらショットガンを乱射する、あのグラサン団長と同一人物とはとても思えませんw
クライマックス、犯人は自分の妹を盾にして逃走を試みるんだけど、黒岩は迷わず突っ込み、暴力とショットガン抜きで逮捕して見せます。
「あんた、人質の命なんかどうなってもいいと思ってるのか!?」
本作でデビューした新人俳優=神田正輝さん扮する新米記者が、棒読み台詞で黒岩を責め立て、すぐさま批判記事を掲載するんだけど、黒岩は黙って背中に苦渋を滲ませるだけ。いやはや、渋い。けど、辛気くさい!w
もちろん、黒岩は確信してたんでしょう。犯人が、自分の妹を殺すワケがないって。誰よりも愛する、我が妹を……
『北の国から』を連想させる、兄と妹の絆。脚本の倉本聰さんは、狭いアパートで同居する黒岩頼介&恵子の兄妹に、ちょっと近親相姦的な匂いも漂わせたかったのかも知れません。
『西部警察』の古手川祐子さんだとイメージが若すぎて、渡さんと兄妹っていう設定にムリを感じるけどw、淑やかな仁科明子さんならサマになりますね。
仁科さんは当時23歳。松方弘樹さんと不倫騒動の末に結婚&引退するも、1998年の離婚を機に仁科亜希子の名義で女優復帰。がん治療を経験された事から、ACジャパンの乳癌検診CMでもお馴染みの顔になられました。
ゲストの水沢アキさんは当時18歳。後に『太陽にほえろ!』でゴリさん(竜 雷太)の婚約者を演じることになる女優さんですが、歌手としての活動やヌードグラビア、アメリカ人との国際結婚、そしてジャッキー・チェン氏と1年間交際したこと(!)等でも有名な方です。
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